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“男のためのガーデニング”改め

「瀧の宮」大瀧神社の大蛇ヶ渕~犬上郡多賀町~

2023-11-24 05:35:35 | 御朱印蒐集・仏像・磐座・巨樹・古墳・滝・登山
 紅葉は狙った紅葉スポットへ通い詰めて、見頃の時期や天気や光に恵まれないとなかなか最高の景色には出会えないようです。
紅葉を見ようと「瀧の宮」こと大瀧神社に参拝しましたが、絶景の紅葉とはいかなかったようです。
神社の世話方の方も今年の紅葉は例年より良くない感じで、暑い日が続いた影響があったかもしれないとおっしゃっておられました。

「大瀧神社」は御祭神に高龗神・闇龗神を祀っており、この神は水の神として祀られています。
京都・貴船神社でも本宮に高龗神、奥宮には高龗神(闇龗神)が祀られ、やはり水の神として信仰されています。
「大瀧神社」は、多賀大社の末社あるいは奥宮ともされてきた神社で、多賀大社の奥宮とされる神社には他には「調宮神社」があります。



「大瀧神社」は犬上川の中流域に面しており、犬上川の傍には「大瀧神社のスギ」という御神木があります。
幹周は5.2m、樹高28m、推定樹齢300年以上とされるこのスギは、少し離れた場所からもその幹の太さが分かる見応えのある巨樹です。



御神木の下を流れる犬上川は大瀧神社の境内の手前辺りから、勢いのある清流が約10mの落差を流れ落ちて奇岩の間をうねっていくように流れます。
その姿からは景勝地「大蛇ヶ淵」の名に相応しい激流が望め、まさに荒れ狂う大蛇を想像させる姿です。



戦後に「大蛇ヶ淵」の上流に犬上ダムが建設されるまでは水流が今よりも多く、「大瀧」の名に恥じない堂々たる瀑布だったといいます。
変化に富んだ渓谷美は、犬上川の激流によって何百年もかけて刻まれ削られながら造りあげられてきたのでしょう。



「大瀧神社」の前は渓谷にですが、少し上流や下流は穏やかな流れとなっていて、神社前の大蛇を思わせるこの瀧渕に大蛇を見出し、聖域としたのも頷ける話です。
犬上川の水は五穀豊穣をもたらす命の水であり、時に氾濫して暮らしを破滅させる怖ろしいものですから、この地に神として祀って安寧を祈願したとも言えると思います。



渓谷を動画で撮るとこのようになります。



やや下流の展望所まで歩いて行くと、少し色づいた紅葉が渓谷を背景にして見られる場所があります。
東近江は紅葉の時期になると、「湖東三山」を始めとしてツアーバスや観光客がどっと訪れる紅葉スポット多く、一年間でもっともにぎわう時期かもしれません。



この場所は、眺める位置によって紅葉の色が違って見えるのも面白い。
黄味を帯びた葉から橙色の葉が見える場所と、紅く色づいた葉が見える場所があり、後方には最後の落差がある犬上川が見える。





右に視線を向けると、人の手は入ってはいるようだが、一筋に流れ落ちる滝が見える。
多賀町は鈴鹿山系の滋賀県側の山麓になりますから、鈴鹿の豊かな水流が各所に流れ込んでいるのかと思います。



本殿に参拝して帰ろうかと歩き出すと、神社の世話方の方が社務所からの景色も綺麗ですよ上がっていって下さいと勧めて頂く。
社務所では犬上川側の縁側や窓からリフレクションの写真が撮れるようになっていて、紅葉の状態・天気・光など条件が揃えば...と思える場所です。





2階からの景色は、リフレクションは出ているけど、紅葉ではなく緑が写っています。
とはいえ、ベストな紅葉で光の量や角度が良ければ息をのむような景色が見られることでしょう。





大瀧神社には稲依別王命を守った忠犬・小石丸の大蛇征伐の伝説が伝わります。
稲依別王命によって吉備を刎ねられた胴体の部分は大瀧神社の鳥居の外に「犬胴松」として祠に祀られています。

刎ねられた首の方はというと、犬上川の対岸に祠として祀られており、どうやってあそこまで行ってお祀りされるのか不思議な場所にあります。
別の伝承によれば、小石丸の首は犬上川を流れ豊郷に流れ着き、「犬上神社」に祀られているとも伝わります。







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