米原駅のすぐ近くにある青岸寺は、庭園の美しさと何時間でも過ごしていられそうな落ち着いた空間の寺院で、参拝するととても心安らかな気持ちになれる寺院です。
また、抹茶やほうじ茶を使ったスイーツの美味しい喫茶去(kissa-ko)で注文したケーキや飲み物を楽しみながら庭を眺められるのも魅力のひとつとなっています。
青岸寺はかつて近江守護職の佐々木京極道誉によって建てられた光泉寺があったとされますが、戦乱の兵火によって焼失してしまったという。
その時に本尊の聖観音像のみが難を逃れて、江戸時代まで小堂に祀られていたのを遊行していた僧が見て心を痛め、1650年に入山して再建したとされます。
復興した青岸寺は曹洞宗に改宗されて禅刹となって今日に至ります。
ご住職は檀家が十数軒だけで他の仕事と兼業せざるを得ない状況だったのを、お寺に住職はいるべきと考えて拝観者を増やす努力をされてきたそうです。
国指定の名勝庭園の知名度の向上や坐禅会の開催、寺カフェである喫茶去のオープンやライトアップなどのイベントの開催など。
その結果、安らぎを求めてやって来る拝観者は増加し、年間の拝観者数は1万人を超えるようになったようです。
玄関を入ってすぐの間にはmoss-connectさんの「苔テラリウム」が3つ展示されています。
3つの作品はそれぞれ青岸寺の風景の一部を再現しているのだそうです。
ガラスの器の中に敷き詰められた苔の上に庭園の景石や石灯籠をあしらい、庭の木も再現されています。
上からライトを当てていて、ガラスの容器の中に広がる世界は庭園の一部を再現した以上の世界観を感じます。
「陶あかり」の大橋丈夫さんの作品は、ひとつひとつの陶器から発せられる光もさることながら、襖や壁に映し出される光と影が美しい。
計算されてデザインされているのだと思いますが、襖絵に浮かび上がる光の模様が混じり合った不思議な光景です。
別の場所での展示では光の漏れ出る陶器の美しさと壁に映し出される光と影、置いてある台にはリフレクションが写り込んでいる。
本堂に展示の「組子行燈」や西川礼華さんの翠色という絵画を含めて、展示されている作品は全て光を使ったアートとなっています。
早川鉄平さんの作品は「本堂エリア」では天井に吊るされた行燈が各所にあり、「喫茶去」のスペースでは原画が並べて展示されています。
早川さんの作品は光を利用した切り絵とボードにした作品がありますが、やはり真骨頂は光で照らし出す作品ではないでしょうか。
早川鉄平さんの作品は年々街のあちこちで見かけるようになり、寺院や商業施設でのイベントも多くなって、すっかり売れっ子の作家さんです。
当方も機会があるたびに見に行っていますが、毎回新たな発見のある作家さんだと思います。
国の名勝指定の「青岸寺庭園」は、後方に控える太尾山を借景としており、枯山水庭園にも池泉庭園にも姿を変える仕掛けが施してあります。
普段の庭園は枯山水ですが、庭の横にある降り式井戸に雨などで一定量の水が溜まると庭園に水が流れて池泉庭園に変わります。
以前に梅雨の時期に雨で水が溜まった頃に訪れましたが、同じ庭園でありながら全く違う印象の庭園になっていたことに大変驚いた記憶があります。
雨の少ない今の時期は庭の池にあたる部分が苔に覆われており、雨続きだとこの苔の池に水が満たされる。
この庭園は三代目の住職・興欣和尚が『楽々園』の作庭に関わった井伊家家臣・香取某氏に依頼して1678年に作庭されものだそうです。
庭の横の渡り廊下を歩いて行った先にあるのは明治37年に建立された書院の「六湛庵」で、今回はこの書院で早川鉄平さんの切絵障子「補陀落山図」が展示されています。
9月終わりから10月いっぱいの土日祭日にはライトアップイベント「光明の灯り」が開催されていたそうです。
(「orite Art青岸寺」は11月30日で終了しています。)
昨年の「光明の灯り」にも昼に訪れたので一度は見た作品ですが、何度見ても息を潜めたくなるようなインパクトを感じます。
六湛庵にいた時間はやや陽が射してきていたので切絵障子の絵が明るく照らされていました。
障子は12枚になるのでしょうか。
鳳凰と虎は生息していませんが、他は全て滋賀県に生息している動物や鳥や魚たちです。
庭園前の喫茶去(kissa-ko)のある部屋まで戻ってくると、“どこでもドア”のような立派な造りのドアが部屋の中にある。
ノブを持って開いてみるとドアが開いて、向こう側には庭園が見えます。
ドアの向こうの世界は「補陀落山」でしょうか?
「補陀落山」は、観音菩薩の降臨する霊場で南インドにあると伝説では伝えられています。
“どこでもドア”で補陀落山へ行けるのか!←行けません。
縁側の向こうには青岸寺庭園が広がっているが、手前にはドアがある。
「悟りのドア」と呼ばれているそうですが、禅問答で語りかけられているようでもあります。
では、喫茶去(kissa-ko)でスイーツを楽しみます。
注文した品は、“抹茶テリーヌとコーヒーのセット”と“抹茶プリンと抹茶のセット”です。
禅語の「喫茶去」は“どんな理由があってもご縁があり出会った方に自分ができるおもてなしをする心”だといい、禅や茶道では有名な言葉だそうです。
余談ですが、昨年の「光明の灯り」にやってきた時は時間が早すぎたので、青岸山の裏の太尾山に登って太尾山城址を巡りました。
「八田山」と「太尾山」の山頂、「軍艦岩」と「蛮人岩」の奇石を越えて「湯谷神社」へ下山しましたが、低山ながらなかなかの急登続きの山でした。
また、抹茶やほうじ茶を使ったスイーツの美味しい喫茶去(kissa-ko)で注文したケーキや飲み物を楽しみながら庭を眺められるのも魅力のひとつとなっています。
青岸寺はかつて近江守護職の佐々木京極道誉によって建てられた光泉寺があったとされますが、戦乱の兵火によって焼失してしまったという。
その時に本尊の聖観音像のみが難を逃れて、江戸時代まで小堂に祀られていたのを遊行していた僧が見て心を痛め、1650年に入山して再建したとされます。
復興した青岸寺は曹洞宗に改宗されて禅刹となって今日に至ります。
ご住職は檀家が十数軒だけで他の仕事と兼業せざるを得ない状況だったのを、お寺に住職はいるべきと考えて拝観者を増やす努力をされてきたそうです。
国指定の名勝庭園の知名度の向上や坐禅会の開催、寺カフェである喫茶去のオープンやライトアップなどのイベントの開催など。
その結果、安らぎを求めてやって来る拝観者は増加し、年間の拝観者数は1万人を超えるようになったようです。
玄関を入ってすぐの間にはmoss-connectさんの「苔テラリウム」が3つ展示されています。
3つの作品はそれぞれ青岸寺の風景の一部を再現しているのだそうです。
ガラスの器の中に敷き詰められた苔の上に庭園の景石や石灯籠をあしらい、庭の木も再現されています。
上からライトを当てていて、ガラスの容器の中に広がる世界は庭園の一部を再現した以上の世界観を感じます。
「陶あかり」の大橋丈夫さんの作品は、ひとつひとつの陶器から発せられる光もさることながら、襖や壁に映し出される光と影が美しい。
計算されてデザインされているのだと思いますが、襖絵に浮かび上がる光の模様が混じり合った不思議な光景です。
別の場所での展示では光の漏れ出る陶器の美しさと壁に映し出される光と影、置いてある台にはリフレクションが写り込んでいる。
本堂に展示の「組子行燈」や西川礼華さんの翠色という絵画を含めて、展示されている作品は全て光を使ったアートとなっています。
早川鉄平さんの作品は「本堂エリア」では天井に吊るされた行燈が各所にあり、「喫茶去」のスペースでは原画が並べて展示されています。
早川さんの作品は光を利用した切り絵とボードにした作品がありますが、やはり真骨頂は光で照らし出す作品ではないでしょうか。
早川鉄平さんの作品は年々街のあちこちで見かけるようになり、寺院や商業施設でのイベントも多くなって、すっかり売れっ子の作家さんです。
当方も機会があるたびに見に行っていますが、毎回新たな発見のある作家さんだと思います。
国の名勝指定の「青岸寺庭園」は、後方に控える太尾山を借景としており、枯山水庭園にも池泉庭園にも姿を変える仕掛けが施してあります。
普段の庭園は枯山水ですが、庭の横にある降り式井戸に雨などで一定量の水が溜まると庭園に水が流れて池泉庭園に変わります。
以前に梅雨の時期に雨で水が溜まった頃に訪れましたが、同じ庭園でありながら全く違う印象の庭園になっていたことに大変驚いた記憶があります。
雨の少ない今の時期は庭の池にあたる部分が苔に覆われており、雨続きだとこの苔の池に水が満たされる。
この庭園は三代目の住職・興欣和尚が『楽々園』の作庭に関わった井伊家家臣・香取某氏に依頼して1678年に作庭されものだそうです。
庭の横の渡り廊下を歩いて行った先にあるのは明治37年に建立された書院の「六湛庵」で、今回はこの書院で早川鉄平さんの切絵障子「補陀落山図」が展示されています。
9月終わりから10月いっぱいの土日祭日にはライトアップイベント「光明の灯り」が開催されていたそうです。
(「orite Art青岸寺」は11月30日で終了しています。)
昨年の「光明の灯り」にも昼に訪れたので一度は見た作品ですが、何度見ても息を潜めたくなるようなインパクトを感じます。
六湛庵にいた時間はやや陽が射してきていたので切絵障子の絵が明るく照らされていました。
障子は12枚になるのでしょうか。
鳳凰と虎は生息していませんが、他は全て滋賀県に生息している動物や鳥や魚たちです。
庭園前の喫茶去(kissa-ko)のある部屋まで戻ってくると、“どこでもドア”のような立派な造りのドアが部屋の中にある。
ノブを持って開いてみるとドアが開いて、向こう側には庭園が見えます。
ドアの向こうの世界は「補陀落山」でしょうか?
「補陀落山」は、観音菩薩の降臨する霊場で南インドにあると伝説では伝えられています。
“どこでもドア”で補陀落山へ行けるのか!←行けません。
縁側の向こうには青岸寺庭園が広がっているが、手前にはドアがある。
「悟りのドア」と呼ばれているそうですが、禅問答で語りかけられているようでもあります。
では、喫茶去(kissa-ko)でスイーツを楽しみます。
注文した品は、“抹茶テリーヌとコーヒーのセット”と“抹茶プリンと抹茶のセット”です。
禅語の「喫茶去」は“どんな理由があってもご縁があり出会った方に自分ができるおもてなしをする心”だといい、禅や茶道では有名な言葉だそうです。
余談ですが、昨年の「光明の灯り」にやってきた時は時間が早すぎたので、青岸山の裏の太尾山に登って太尾山城址を巡りました。
「八田山」と「太尾山」の山頂、「軍艦岩」と「蛮人岩」の奇石を越えて「湯谷神社」へ下山しましたが、低山ながらなかなかの急登続きの山でした。
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