この本については、22日の「落合恵子「母に歌う子守唄」を読む」に書いた。
自分の母親の介護を奥さん任せにしていた私だが、この本を読んで、それでも、「そうそう、そうだった」と思う点が多い。以下、いくつか書き出してみたい。
「 」は引用、( )は私のコメント
「仮住まいに引越して三日目、母は散歩の途中で道に迷ったと、帰宅した私に話した。落ち込む母に、「わたしだって昨夜、迷っちゃったんだ」と言ったのは、・・・」
(私の母も引越してすぐ道に迷った。私のブログの「母(1)入院(2007.9.15)」には以下のようにある。
老人会が開かれる自治センタへ毎月通っていたが、歩いて数分の距離なのに帰りに道に迷い、知らない人に送られて家に帰って来た。会社から帰って、その話を聞いて、「しっかり者のおふくろが、まさかボケたんじゃないだろうな」と思った。本人もショックなようなので、母の部屋へ行って、「今日、道に迷ったんだって?この辺の道はクネクネしてるからね。一度間違えるとわけわかんなくなるよね」と話しかけた。)
「庭やベランダにはいま、去年の初秋に種子をまいたロベリアが百株近く、藍色の小さな花を無数につけている。母が大好きな花であったが、いまの彼女は興味を示すこともない。」
(私の母も花好きであった。 「母 (5)救急車で入院」には以下のようにある。
病院内を車椅子を押して見て周り、咲き始めた桜が見える窓のところに行った。「ほら、桜が咲いているよ。きれいだね」と言ったが、なんにも言わない。)
この調子で共感するところを挙げているときりがないので、お暇な方は、私の昨年9月ブログの真ん中あたりにある「母(1)入院(2007.9.15)」から「母(7)死(2007.9.21)」までをご覧あれ。
最後に一つ、落合さんの本から引用する。
「働き盛りで入院し、やがて亡くなることになる男性が言った。「勝ち抜くためには不要な、けれど、気持ちよく暮すためには必要な、花に象徴されるもろもろを、わたしは捨ててきたのだと思います。階段を駆け上がることだけを考えて」」
(私が会社勤めの頃は、通勤路を仕事にことを考えながら通り、周りの景色も目に入らなかった。退職後、奥さんと散歩すると、「ほら、あそこの木にそろそろ花が咲くのよ」などと教えてくれる。以後、一人で通るときも、ほころんできた蕾が楽しみになったりする。身近な小さな楽しみを見つめる余裕が出来た昨今だが、一方、政治など離れた世界への関心も失わずにいたいものだ。)
自分の母親の介護を奥さん任せにしていた私だが、この本を読んで、それでも、「そうそう、そうだった」と思う点が多い。以下、いくつか書き出してみたい。
「 」は引用、( )は私のコメント
「仮住まいに引越して三日目、母は散歩の途中で道に迷ったと、帰宅した私に話した。落ち込む母に、「わたしだって昨夜、迷っちゃったんだ」と言ったのは、・・・」
(私の母も引越してすぐ道に迷った。私のブログの「母(1)入院(2007.9.15)」には以下のようにある。
老人会が開かれる自治センタへ毎月通っていたが、歩いて数分の距離なのに帰りに道に迷い、知らない人に送られて家に帰って来た。会社から帰って、その話を聞いて、「しっかり者のおふくろが、まさかボケたんじゃないだろうな」と思った。本人もショックなようなので、母の部屋へ行って、「今日、道に迷ったんだって?この辺の道はクネクネしてるからね。一度間違えるとわけわかんなくなるよね」と話しかけた。)
「庭やベランダにはいま、去年の初秋に種子をまいたロベリアが百株近く、藍色の小さな花を無数につけている。母が大好きな花であったが、いまの彼女は興味を示すこともない。」
(私の母も花好きであった。 「母 (5)救急車で入院」には以下のようにある。
病院内を車椅子を押して見て周り、咲き始めた桜が見える窓のところに行った。「ほら、桜が咲いているよ。きれいだね」と言ったが、なんにも言わない。)
この調子で共感するところを挙げているときりがないので、お暇な方は、私の昨年9月ブログの真ん中あたりにある「母(1)入院(2007.9.15)」から「母(7)死(2007.9.21)」までをご覧あれ。
最後に一つ、落合さんの本から引用する。
「働き盛りで入院し、やがて亡くなることになる男性が言った。「勝ち抜くためには不要な、けれど、気持ちよく暮すためには必要な、花に象徴されるもろもろを、わたしは捨ててきたのだと思います。階段を駆け上がることだけを考えて」」
(私が会社勤めの頃は、通勤路を仕事にことを考えながら通り、周りの景色も目に入らなかった。退職後、奥さんと散歩すると、「ほら、あそこの木にそろそろ花が咲くのよ」などと教えてくれる。以後、一人で通るときも、ほころんできた蕾が楽しみになったりする。身近な小さな楽しみを見つめる余裕が出来た昨今だが、一方、政治など離れた世界への関心も失わずにいたいものだ。)