hiyamizu's blog

読書記録をメインに、散歩など退職者の日常生活記録、たまの旅行記など

養老孟司の「養老訓」を読む

2008年02月21日 | 読書
養老孟司「養老訓」新潮社2007年11月発行 を読んだ。

私の評価としては、★★★★☆(四つ星:お勧め)。
ようするに、年寄りは欲を捨ててのんびりするのが良いという本なので、50代、60代の人にお勧め。若い人は読んでもしかたない。
のんきで欲がなく、多少?変わり者の私には納得できる話が多い。ベストセラーになった「バカの壁」などよりは遥かに良い。

いくつか共感した点を挙げる。(文章は私が勝手に簡略化した)

年取っているのに無理して若々しくする必要はない。昔の老人のように盆栽やお茶、そして隠居など老人に向いた時間の過ごし方が今でもあるはずだ。(それが何かについては書いてない)

夫婦は直角に向かい合うのがよい。正面から向かい合うと、あなたには、後ろの壁とその前の奥さんが正面から見えている。しかし、奥さんには、あなたの後ろの棚とその前のあなたが正面から見えている。二人の見えているものはまったく異なっている。

年寄りの生き方は、日に一度感動しようとすることだ。「そんなことわかってる」、「そんなの昔あったよ」などと考えないことだ。

脳死になって身近な人、たとえば奥さんが、いつもあなたが言っていたように安楽死や尊厳死を希望しても、遠い親戚などが出てきて「けしからん」と言い出して出来ないことが多い。あらかじめはっきりと文書にしておく必要がある。

「余命3ヶ月」と言われたが、半年生きたとかの話がある。しかし、「余命3ヶ月」と言うのは、あとから伸びる分には文句を言われないから、最悪の場合として3ヶ月と医者は言うのだ。

人生は点線だ。夜寝る時は意識が切れる。毎日毎日無意識状態になっている。死ぬときは意識が切れて戻らなくなるだけ。「また帰ってくるかもしれない」くらいに考えて置けばよい。

老人にできることは他人を無理にかえることではない。せいぜい若い人が「年取ったらあんな年寄りになりたいな」と思うような存在になることだ。若い人が年取りたくないと思うのは、現に見ている年寄りが不愉快で、「ああはなりたくない」と思っているからだろう。





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