車の運転は好きでない。とくに下手というわけではないが、面倒くさいので、ついつい乱暴になる。車には興味がなく、なんでも動けばよい。車を買うときも、奥さんと息子に任せている。
東京に居たときには車の必要性を感じなかったので免許を持たなかった。横須賀へ移って30歳過ぎて免許を取って車を買った。
通勤路には狭い道があった。すれ違うためにタイヤを溝ギリギリに止める。自分であまりにギリギリなのに惚れ惚れする。対向車をやり過ごしてから、ハンドルを右に切っただけで、溝の淵に並行になっていたタイヤがズルズルと溝に落ちていって脱輪。
後続の車の人が出てきて車を持ち上げてくれて、脱出。
近道しようと、畑の中のあぜ道のような細い道に入って曲がったところで行き止まり。細い道を窓から首を出して道の端を確認しながらかっこよくバックする。突然、後ろ右がガクンと下がる。降りてみると、来たときは気がつかなかったが、木の橋になっていて、道より右側が狭くなっていて脱輪。
ひとけがなく長らく待って、通りかかりの農家の人が人を集めてくれて、車の後部を持ち上げて脱出。
落ち葉が積もる細い山道を快調に進む。思わぬところで対向車が来た。すれ違うためにかっこよく、山側の端ぎりぎりに止めた。ガクンと左前が落ち、ベテランの私はすぐ脱輪と分かる。降りてみると、一面の落ち葉の下は溝になっていて、脱輪。
傍にあった材木をタイヤに下に入れて一人で脱出。
箱根の山道をカーブしながら快調に飛ばす。富士山が余りに綺麗なのに、後ろの家族がちっとも見ていないので、おもわず、「ほら!富士山が・・・」といったとたんに脱輪。たまたま、見晴台のある駐車場の入口近くだったので、幸運にも車ごと谷に落ちず、溝に落ちて脱輪。
対向車線のトラックの運ちゃんが降りてきて手伝ってくれて脱出。
思えば、乱暴で車を大切にしない運転手だった。
子どもが車に触れようとすると、「触っちゃだめ!」とどなった。「触ったら手が汚れるだろ」車はほとんど洗わなかった。
車をぶつけても平気だった。大谷石の崖にバックして、ドンと音がしてから止める。バンパーなんてそのためにあるのだからと考えていた。新車のときも、ドアをこすってもそのまま。車は走ればよい。
「パースからアルバニーへドライブ」に書いたが、若いときは乱暴でスピードを出していたようだった。もうそろそろ、落ち葉、じゃなくモミジマークの私は今じゃそんな元気はありません。