hiyamizu's blog

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三浦朱門「わが老い伴侶の老い」を読む

2008年10月10日 | 読書2
三浦朱門著「わが老い伴侶の老い-老年を愉しむ13の戒め-」2002年1月、海竜社発行を読んだ。

著者三浦朱門が6年前の76歳のときに、親たちを見て思ったこと、自分の、そして伴侶の老いを感じて老後について思うことを綴っている。著者は、老後に自然体で向き合い、やわらかな感性で愉しもうとしている。
この本は6年前の出版で、現在ではどなたでも“老いを愉しもう”と言っているので、結論については、新鮮味は感じられなかった。

13章からなるエッセイで、自分のことはもとより、父母、義母、妻の曽根綾子など家族や、知人の具体的で、かなりプライベートな老いの姿を引き合いに出して、老いるとどうなるかを述べている。



13章は以下のとおり。

元気な老人はどう生きるべきか、死ぬべきか
親たちはどう老い、どう死を迎えたか
親の死で思ったこと
四十にして惑う
三つの世代を生きる
男ざかりを倍に生きる
自立した老人にもボケはやってくる
身体の衰えをどう補うか
老いた身体とのつきあい方
自分のための自分の人生を愉しむ
人間は限りなく奥深い存在である
月夜よし、七十五歳の私にはまだ発見がある
人生は年老いて一杯の暖かい飯とささやかなおかずがあり、暑さ寒さをしのぐ家があれば、それで大成功!!



著者、三浦朱門は、1926年東京生まれ。東京大学文学部卒。日本大学芸術学部で教えながら遠藤周作、吉行淳之介らとともに第三の新人と呼ばれる。1985‐1986年、文化庁長官。妻曽野綾子ともにカトリック信徒。



私の評価としては、★★☆☆☆(二つ星:読めば)

年取るとどうなってくるかが、父母、義母を例に説明されるが、私にはすでに身近な話で、共感はするが、あまり面白みはなかった。

老いには関係ないが、妻の曽根綾子が、新婚で出産し、流行作家になり、完ぺき主義者であるがゆえに、睡眠薬と覚せい剤を使って原稿と家事をこなし、10年たってうつ状態になり、あらたな小説はかけなくなる。さらに10年たって40代で白内障となり失明に近い状態になる。しかし、やがて、外国旅行などするうちに、少しずつ回復する。
彼女が、神経を病んだ女性とその夫を主人公にして小説を台所の食卓の上で書き始めたその日の朝のことを著者は生涯忘れないだろうという。





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