公益社団法人日本写真家協会編『SNS時代の写真ルールとマナー』(朝日新書572、2016年7月30日朝日新聞出版発行)を読んだ。
スマートフォンが普及して、誰でもがカメラマンとなり、SNSが流行って、誰でもが写真を広く公開する環境になった。写真撮影や公開に伴うトラブルを避けるルール・マナーや、肖像権・著作権を犯さないようにする注意点を、実例とともにQ&A形式で解説している。
FacebookなどのSNSの規約には、「写真の著作権を放棄する」との文言が入っている場合が多い。自分の写真が他人に無断使用されても抗議さえできなくなる。
町の風景の写真の背景のポスターなどに有名人が写り込んでいても、写る割合にもよるが、広告媒体なので問題なく公開もできる(著作権法第30条の2で新たに規定)。販売などは不可。ミッキーが写り込んでいてもOKだが、写し込みはだめ。
スマホで撮影した写真には「位置情報」が画像に埋め込まれている。カメラのGPSは軍事衛星の電波だけだが、スマホは基地局の電波も使っているので正確。家の中のどの部屋かもわかる場合がある。行った場所が地図上にマッピングされたり、ストーカー行為に使われたり、旅行中の留守宅に泥棒に入られたりする。スマホの設定でGPS機能をOFFにすべき。
私の評価としては、★★(二つ星:読めば)(最大は五つ星)
Q&A方式で解りやすいが、もともとルール・マナー集なので、内容は常識の範囲。
私はこのブログにも写真を載せているが、注意しているのは、
・顔が写っていたらマスクを掛ける。群衆を撮る場合は、スマホを高く掲げて、特定の人でなく全体を撮っているとわかりやすくする。
・レストランなど店内は撮影しない。撮る場合は許可を得る。
・他人が撮影した写真はブログ・SNSへアップしない。
その他、ルール、マナーに配慮する。例えば、三脚は使わないし、撮影可能な美術館でもフラッシュは点灯しないなど。
私の失敗例は、
・海外で収穫したブルーベリーの写真を無断で撮ったら、厳しく怒られた。倉庫の中で、断らず、確かにルール違反だったし、撮られる方の事情もあったのだろう。
・幼稚園児が並んで座り込み、犬を眺めているのがあまりにも可愛くて、パチリと撮ったら、先生に注意され、謝ってすぐ削除した。子供の写真を悪用する輩がいるらしい。
・レストランで料理の写真を無断で撮って、ブログにアップすることがる。確かにマナー違反だろう。