hiyamizu's blog

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川村隆一郎『太閤のレガリア』を読む

2012年04月02日 | 読書2
川村隆一郎著『太閤のレガリア』2011年11月文芸社発行、を読んだ。

信長と秀吉の父親の代の尾張での戦いが描かれている。
豊臣秀吉は小田原征伐の帰りに生まれ故郷の尾張・中村郷に突然立ち寄る。そこには、秀吉の父・中村弥右衛門と共に戦った星野十郎太郎佐がまだ住んでいて、弥右衛門ら中村衆が信長の父・織田信秀のために戦った西三河の戦場での昔語りを秀吉に聞かせる。

鉄砲は種子島に伝来するより30数年前に近江に伝わり、信長の父・信秀が既に鉄砲隊を作っていて、戦闘の仕方が変リ始めていた。

秀吉の父親・弥右衛門は邑長(むらおさ、村長)で、貧しい百姓ではなかった。数名の中村衆を率いて数々の戦いに参加し、しかも自前で当時貴重な一丁の鉄砲を持っていた。

話の大部分は西三河における安祥城や小豆坂での合戦の模様が詳しく語られる。
そして、最後に50年間封印された過去が明らかになる。

辞書によれば、regalia(レガリア)とは、王家の表彰、即位の宝器のことで、この場合は弥右衛門が息子の秀吉に残した、当時極めて貴重だった鉄砲を指す。



川村隆一郎(かわむら・りゅういちろう)
奈良県五條市出身。大阪大学外国語学部卒業。
ファイナンシャル・プランナーとして活躍するかたわら、執筆活動を続ける。
川村誠一として、著書に『お前、おもろい芸をする』(文芸社)、『プレミアム・ビート』(文芸社)がある。



私の評価としては、★★★(三つ星:お好みで)(最大は五つ星)

武士の戦いでなく、雑兵(農民兵)の戦いが臨場感あふれる記述で描きだされている。戦闘の細かい描写が続くので、うんざりする人がいるだろう。しかし、現実の戦闘はきっとこんなものだっただろうと思わせる。

「新資料発掘と徹底した現調査で7年もかけて下調べした史実に基づく話」と宣伝しているが、ともかく細かい事までよく調べている。



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