一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

美の競演・7「市内観光」

2017-05-07 00:50:46 | 将棋イベント
現在私は鹿児島市にいる。説明の煩雑は避けるが、私自身のチョンボのせいで、7日は早いうちに、東京へ帰らねばならなくなっていた。
終わってみれば短い5日間だったが、いろいろおもしろかった。

   ◇

(1日のつづき)

私は室谷由紀女流二段と中村桃子女流初段の写真を撮るが、気になるのはあの局面だ。私は「詰みがあるよ、頑張ってください!」とオジサンを激励する。しかしオジサンはうんうん唸るばかりで、着手する気配がない。
私が再び戻ってくると、オジサンはハッシと▲9三金!と打った。中村女流初段は絶句する。

「これは…。こっちのほうが簡単でしたか。△同玉は詰みますネ、△同香」
以下▲9一角△8三玉▲8二飛まで、中村女流初段の投了となった。
「こっちか…。(▲9三金に代えて)▲8一飛△同銀▲8三金の筋で詰みと思いました」
と、つい私も声を出してしまう。中村女流初段は(なに? この人…)という顔で曖昧にうなずくが、中村女流初段もこっちの筋を読んでいたようだ。とはいえオジサン、女流棋士に平手で勝ったのだから、実は強かった。
午後4時半になり、指導対局は終わり。同時に1日目のプログラムも終わった。私は両女流棋士の写真を撮りすぎて、ちょっと自己嫌悪に陥った。
帰りはシャトルバスに乗ろうとしたが、観光客が列をなしていたので、徒歩で下山することにした。
今度は山のあっち側に下りる。帰り道も桜並木が綺麗で、足を止めては写真に収める。物は考えようで、バスでサッと行くより、こちらのほうがよほど味がよかった。







ふもとに着いてしばらく歩くと、今夜宿泊の天童シティホテルが見えてきた。迷ったがチェックインしてしまう。
部屋に入り、一息ついて、ユニットバスからタオルを取りリュックに入れ、再び外出である。私は束の間の旅人に戻るのだ。
ちょっと早いが晩飯を摂りたい。何しろ今日の昼食はおにぎり2コだけだったのだ。
天童温泉街に行くと、川が流れていた。欄干には将棋の駒。ここは以前来た時も見覚えがあった。欄干の駒は「金将」だが、きっと玉から歩まで8種類あるのだろう。
桜まつり会場でいただいたガイドマップを見ながら店を検討すると、「水車生そば」という蕎麦屋がよさそうだった。
店の前に着くと、板そばが1枚1,500円である。何年か前、村山のそば街道で食べた時は1人前が750円だった。ここのそれは2~3人前だろうが、さすがに注文できない。ざるそばが750円なので、これを注文することになろうか。
戸を開けると、中はほぼ満席だった。男ひとりどうとでもなりそうだが、私は無理をしてまで入店しない主義なので、ここは諦めた。
そのまま辺りをうろうろすると、近くにある中華料理屋「網走大将」がシャッターを開けたところで、そこに入った。
醤油ラーメン(620円)と餃子(330円)を注文する。別のチラシにはクーポン券がついており、この店は餃子が200円に割引となる。
ラーメンは魚介系で、サッパリしていて旨い。餃子も確かな味で、旨かった。
さて天童温泉とくれば温泉である。私は温泉旅館に泊まっているわけではないので、立ちより湯を愉しむしかない。
店の大将に聞くと、「市民いこいの家・ふれあい荘」が100円でいい、と教えてくれた。これは地図にも掲載されていた施設である。
だが100円は安すぎる。これは洗い場に石けんやシャンプーがないと見た方がよい。そして私は両方とも忘れてしまった。もっともホテルからタオルだけ持ってきたのは冷静だった。
ふれあい荘には少し迷ったが、何とか着いた。ぱっと見には温泉施設に見えず、確かに地元の人しか利用しない感じだ。だけどその方が、高級ホテルの温泉にはない味があるではないか。
しかし石けんの類はやはりなく、買う羽目になった。
脱衣所と洗い場がいっしょだと面倒だったが、幸い両者は別だった。洗い場に入ると、1ツこっきりの小さな浴槽に、7、8人のオッサンがつかっていた。ちょっとギュウギュウ詰めの感があるが、値段が値段だけに文句は言えない。
体を洗ったあと、湯につかる。かなり熱く、「おおぅ!」と漏らしたが、いい湯だった。
さて湯上がりの散歩である。6時30分からは、倉津川沿いのしだれ桜がライトアップする。7時からは伝統芸能関係の出し物もあるようだ。
その川がどこにあるかが分からない。天童温泉街を抜けてしばらく歩いたが、ハタと気付いた。
さっきの川が倉津川&しだれ桜だったのだ。私はもう少し幅広の河川をイメージしていた。
私は慌てて川に戻る。舞鶴山の桜は乳白色だったが、ここのしだれ桜はピンクだ。時刻は6時30分を回っていたが、ゆっくりと夜の帳がおりて、幻想的な風景が拡がった。



それにしてはあまりにも観光客が少ないが、駅方面に近づくにつれ、徐々に人が増えて来た。
文金高島田のお嫁さん一行がいて、観光客がしきりに写真を撮っている。何かの出し物のようだ。7時から、どこかで伝統芸能をやるようなことが書いてあった。
ここは天童市市民文化会館の前の敷地である。続いて、何かの鬼の出し物をやった。秋田のなまはげの親戚みたいな風貌で、彼らと街中で会ったらビビる。
風貌が風貌なので、観光客も若干減った。私は手前の階段に腰を下ろす。ここが即席の観覧席というわけだ。
彼らはしばらく踊っていたが、ある一匹が振り向きざま、餅を中空に撒いた。昼の室谷由紀女流二段と同じことをやったのだ。
私の足元にも餅が降ってきたが、サッと観光客がきて、持って行ってしまった。
が、よく見ると私の足元に最後の1個が残っていて。ありがたくいただいた。
演舞が終わり、私は駅方面に向かうと、屋台が数軒出ていた。これもこのライトアップイベントの一環なのだろう。



私はそのまま踵を返し、ホテルに戻る。途中、もう一度「水車生そば」に寄ったが、さっきより客が増えていた。どうもこの店とは縁がなかったようだ。
さらに歩くと、「ほほえみの宿 滝の湯」があった。こちらはタイトル戦の定宿で、今夜はここに将棋関係者が泊まっているのかもしれない。が、こちらの高級ホテルも、私には縁がない。
(つづく)
コメント
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