このたび関東研修会の和田はなさん(18)が規定の成績を取り、今日9月1日に女流2級でデビューする。おめでとうございます。
はな女流2級は和田あき女流初段の妹で、かつては大野教室の常連だった。もちろん私も何度も対局した。食事会も一緒にしたこともあるし、中井広恵女流六段プレゼンツの将棋合宿に参加したこともある。当然、当ブログの常連でもあったが、私はあき女流初段とはな女流2級の名前をいつも間違えてしまい、はな女流2級から「わざと間違えてるでしょ!」とキレられたこともあった。
その後はな女流2級はお父さんの仕事の関係で、数年間外国暮らしをした。彼女は当時も研修会に入っていたが、はな女流2級の若さなら、このブランクがあっても、ゆくゆくは女流棋士になれると信じていた。
帰国してからは研修会に入り直し、今回、晴れて女流棋士となったものである。
当ブログに存在価値はほとんどないが、あき女流初段やはな女流2級の将棋を記録しているのは、貴重な資料と思う。では、私とはな女流2級との将棋を一局、再録してみよう。
2012年10月8日・9日にアップした「三十五たび大野教室に行く・惜敗(前編・中編)」の再編集である。当時はな女流2級は10 歳、小学5年生だった。
「
熱闘の余韻さめやらぬまま、続いてHanaちゃんと対局。Hanaちゃんは将来女流棋士を目指すだろうから、いずれはこちらが駒を落とされるときが来るだろうが、いまはまだ平手で指せる。
私の先手で▲2六歩。△3四歩▲2五歩△3三角で、ゴキゲン中飛車封じに成功した。
Hanaちゃんはふつうの中飛車に来たが、私は5筋に駒を集めて防御する。しかしHanaちゃんの巧妙な攻めが通って、また私が悪くなった。
ところがHanaちゃんは私の玉形を薄くする順を見送り、強引に捌いてきたので、私が優勢になった。
では終盤の局面を掲げる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5a/e7/945c47266c8cf7fbfae0d4a842415b93.png)
駒の損得はないものの、▲5三との存在や△2四飛の働きがいまひとつなのを考えると、この局面は私の勝勢だと思う。
ところがこの将棋、私が負けた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5a/e7/945c47266c8cf7fbfae0d4a842415b93.png)
第1図以下の手順。▲7四桂△9二玉▲8二銀△7一金打▲4六角△8二金▲同桂成△同玉▲6三と△5六桂▲6七玉△6九竜▲5六玉△4四桂▲4五玉△6三銀▲同角成△同竜▲7四桂△同竜▲同銀△6七角▲5六歩△5四銀▲同玉△7六角成▲6五歩△5三歩▲4五玉(第2図)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/47/ea/68c75461fd137b79f197f441812c0038.png)
△3三桂▲4四玉△4三歩▲5三玉△7五馬▲6四角△7四馬(第3図)…以下、Hanaちゃんの勝ち。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/62/5c/9d127f324b986292be1d00c84edaf422.png)
▲4九歩▲5七金▲5八銀△2九竜の局面から、△4七金▲5四角△5七金▲同銀△4九竜で、第1図になった。こちらは▲7四桂からの即詰みを狙い、ただでさえカナケが欲しいところに△4七金から△5七金と来たので、ありがたかった。
私はハッシと▲7四桂。しかし△9二玉と寄られて焦った。▲8二金△9三玉▲8五桂まで詰みと読んでいたのに、持ち駒に桂がない。▲7四桂で使ったことをうっかりしていたのだ。
私は▲8二銀と打ったが、Hanaちゃんは△7一金打。こんな受けがあるのかと思った。
私は▲4六角と歩を払ったが、これでは流れがおかしい(2020年註:△2四角取りになっているが、気付かなかったか、図面が違っていた可能性がある)。
さらに数手後、△6九竜に▲5六玉も疑問。ここは▲6八歩(参考図)で明快な勝ち。本譜は玉を中段に吊りだされて怪しくなった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1f/b7/a03427158dae239d85f3770e93837a3c.png)
それでも私が勝ちだったと思うのだが、△5三歩に▲4五玉(第2図)が最後の悪手。手順に△3三桂と打たれてよくなかった。ここは▲4四玉と寄ってどうだったか。もっともそれも△5二桂があり、相当際どい。もうここでは、勝ちがないかもしれない。
△7四馬(第3図)と銀を取られて万事休す。数手後、▲4六玉△2八角▲4七玉△4五桂▲4八銀打△3七角成(▲同銀は△5七馬)まで、Hanaちゃんの勝ちになった。
この将棋は勝ったと思ったのだが、Hanaちゃんに「順当に勝ちました」という顔をされ、クサッタ。
」
はな女流2級の得意戦法は中飛車で、攻めが切れ気味になってもなんだかんだと手を作り、強引に寄せてしまう。私はほとんど勝てなかった。
はな女流2級はその後居飛車も勉強したが、これがからっきしダメで、彼女が居飛車で臨んだときは、私がほとんど勝っていた。はな女流2級も居飛車を見切り、いつしか中飛車党に戻ってしまった。ただ、はな女流2級の現在の得意戦法は分からない。
はな女流2級が公開した画像を見たが、あき女流初段と並んで写っているそれは私が知る彼女ではなく、別人のようである。現在は早稲田大学の学生だそうで、早くも学歴(偏差値)は抜かされてしまった。これから年収でも抜かされることは必至で、もう私の手が届かないところに行ってしまった。次にはな女流2級に会ったら、私はドキドキして、まともな会話にならないであろう。
今後は、美人姉妹女流棋士として売り出していくのだろうか。はな女流2級のご活躍を祈ります。
はな女流2級は和田あき女流初段の妹で、かつては大野教室の常連だった。もちろん私も何度も対局した。食事会も一緒にしたこともあるし、中井広恵女流六段プレゼンツの将棋合宿に参加したこともある。当然、当ブログの常連でもあったが、私はあき女流初段とはな女流2級の名前をいつも間違えてしまい、はな女流2級から「わざと間違えてるでしょ!」とキレられたこともあった。
その後はな女流2級はお父さんの仕事の関係で、数年間外国暮らしをした。彼女は当時も研修会に入っていたが、はな女流2級の若さなら、このブランクがあっても、ゆくゆくは女流棋士になれると信じていた。
帰国してからは研修会に入り直し、今回、晴れて女流棋士となったものである。
当ブログに存在価値はほとんどないが、あき女流初段やはな女流2級の将棋を記録しているのは、貴重な資料と思う。では、私とはな女流2級との将棋を一局、再録してみよう。
2012年10月8日・9日にアップした「三十五たび大野教室に行く・惜敗(前編・中編)」の再編集である。当時はな女流2級は10 歳、小学5年生だった。
「
熱闘の余韻さめやらぬまま、続いてHanaちゃんと対局。Hanaちゃんは将来女流棋士を目指すだろうから、いずれはこちらが駒を落とされるときが来るだろうが、いまはまだ平手で指せる。
私の先手で▲2六歩。△3四歩▲2五歩△3三角で、ゴキゲン中飛車封じに成功した。
Hanaちゃんはふつうの中飛車に来たが、私は5筋に駒を集めて防御する。しかしHanaちゃんの巧妙な攻めが通って、また私が悪くなった。
ところがHanaちゃんは私の玉形を薄くする順を見送り、強引に捌いてきたので、私が優勢になった。
では終盤の局面を掲げる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5a/e7/945c47266c8cf7fbfae0d4a842415b93.png)
駒の損得はないものの、▲5三との存在や△2四飛の働きがいまひとつなのを考えると、この局面は私の勝勢だと思う。
ところがこの将棋、私が負けた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5a/e7/945c47266c8cf7fbfae0d4a842415b93.png)
第1図以下の手順。▲7四桂△9二玉▲8二銀△7一金打▲4六角△8二金▲同桂成△同玉▲6三と△5六桂▲6七玉△6九竜▲5六玉△4四桂▲4五玉△6三銀▲同角成△同竜▲7四桂△同竜▲同銀△6七角▲5六歩△5四銀▲同玉△7六角成▲6五歩△5三歩▲4五玉(第2図)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/47/ea/68c75461fd137b79f197f441812c0038.png)
△3三桂▲4四玉△4三歩▲5三玉△7五馬▲6四角△7四馬(第3図)…以下、Hanaちゃんの勝ち。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/62/5c/9d127f324b986292be1d00c84edaf422.png)
▲4九歩▲5七金▲5八銀△2九竜の局面から、△4七金▲5四角△5七金▲同銀△4九竜で、第1図になった。こちらは▲7四桂からの即詰みを狙い、ただでさえカナケが欲しいところに△4七金から△5七金と来たので、ありがたかった。
私はハッシと▲7四桂。しかし△9二玉と寄られて焦った。▲8二金△9三玉▲8五桂まで詰みと読んでいたのに、持ち駒に桂がない。▲7四桂で使ったことをうっかりしていたのだ。
私は▲8二銀と打ったが、Hanaちゃんは△7一金打。こんな受けがあるのかと思った。
私は▲4六角と歩を払ったが、これでは流れがおかしい(2020年註:△2四角取りになっているが、気付かなかったか、図面が違っていた可能性がある)。
さらに数手後、△6九竜に▲5六玉も疑問。ここは▲6八歩(参考図)で明快な勝ち。本譜は玉を中段に吊りだされて怪しくなった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1f/b7/a03427158dae239d85f3770e93837a3c.png)
それでも私が勝ちだったと思うのだが、△5三歩に▲4五玉(第2図)が最後の悪手。手順に△3三桂と打たれてよくなかった。ここは▲4四玉と寄ってどうだったか。もっともそれも△5二桂があり、相当際どい。もうここでは、勝ちがないかもしれない。
△7四馬(第3図)と銀を取られて万事休す。数手後、▲4六玉△2八角▲4七玉△4五桂▲4八銀打△3七角成(▲同銀は△5七馬)まで、Hanaちゃんの勝ちになった。
この将棋は勝ったと思ったのだが、Hanaちゃんに「順当に勝ちました」という顔をされ、クサッタ。
」
はな女流2級の得意戦法は中飛車で、攻めが切れ気味になってもなんだかんだと手を作り、強引に寄せてしまう。私はほとんど勝てなかった。
はな女流2級はその後居飛車も勉強したが、これがからっきしダメで、彼女が居飛車で臨んだときは、私がほとんど勝っていた。はな女流2級も居飛車を見切り、いつしか中飛車党に戻ってしまった。ただ、はな女流2級の現在の得意戦法は分からない。
はな女流2級が公開した画像を見たが、あき女流初段と並んで写っているそれは私が知る彼女ではなく、別人のようである。現在は早稲田大学の学生だそうで、早くも学歴(偏差値)は抜かされてしまった。これから年収でも抜かされることは必至で、もう私の手が届かないところに行ってしまった。次にはな女流2級に会ったら、私はドキドキして、まともな会話にならないであろう。
今後は、美人姉妹女流棋士として売り出していくのだろうか。はな女流2級のご活躍を祈ります。