一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

「将棋ペン倶楽部」第74号・2020年秋号

2020-09-12 00:34:33 | 将棋ペンクラブ
7日に、「将棋ペン倶楽部」(第74号・2020年秋号)が送られてきた。
今号は「第32回将棋ペンクラブ大賞発表号」で、巻頭は選考会の模様を伝えている。最終選考委員は、木村晋介将棋ペンクラブ会長(弁護士・作家)、西上心太氏(文芸評論家)、所司和晴氏(棋士七段)。今回の最終ノミネート作品は力作が多く、選考も長時間に及んだようだ。
続いて「受賞のことば」。これが毎回面白い。受賞のよろこびとその矜持からか、皆さんいい文章を書くのである。ことに今年は大賞贈呈式が行われないため、贈呈式用のネタも詰め込まれた気がする。
今回は観戦記部門大賞・諏訪恵子さん、技術部門大賞・若島正さんの文章に唸らされた。これを読むには、将棋ペンクラブの会員になるしかない。年3,500円だが、妥当と思う方は入会してください。
「受賞のことば」のあとは、受賞作品が掲載されている。今年の観戦記大賞と同優秀賞は、奇しくも第77期名人戦第3局(佐藤天彦名人VS豊島将之竜王)で、同じ将棋である。人が変われば内容も変わるわけで、この名局を観戦記者がどう料理したか、読み比べが楽しい。
そして後半は、いつもの会員投稿となる。
美馬和夫氏連載の「将棋狂の詩」は番外編で、「コロナ禍の中で」。本年1月から、コロナ禍の影響を時系列で描いている。じわじわと活動の場を蝕んでいくコロナが恐ろしい。
「憧れの指導対局~将棋初心者の私が駒落ちを憶えました」は、梅澤じゅんさん。
筆者は2018年から駒落ち将棋を指し始めた。最初は八枚落ちだったが、筆者のたゆまない努力で、二枚落ちまで手合いを向上させる。この間の筆者の心情が「あるある」で、思わずニヤリとさせられる。
惜しむらくは、棋譜がなかったこと。次は、局面図ありの自戦記を書いてくれませんか。
そのほか、レギュラー陣の執筆あり、新人氏の登場あり、読み応え十分の128ページだった。

せっかく将棋ペンクラブ大賞を受賞しながら、その晴れ舞台が用意されないとは、受賞の方々も無念だったと思う。
来年こそは贈呈式が開かれるよう、願ってやまない。
コメント (2)
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