26日(土)の社団戦第2日は、我が将棋ペンクラブは、3組で4-1、3-2、3-2、3-2の4連勝。私はフル出場で、3勝1敗だった。チームは都合7勝1敗で、未確認ながら14チーム中、2位につけたようだ。強いぞ将棋ペンクラブ。詳細は後日。
同日には、第14回マイナビ女子オープンの一斉予選対局があった。今回はコロナ禍の影響で、非公開の対局となった。夜、打ち上げの席で結果を知り、渡部愛女流三段はなぜ勝てない、の思いはあったが、帰宅して改めて調べると、ほかに一局、気になる結果があった。船戸陽子女流二段VS長谷川優貴女流二段戦である。
13時05分に始まった本局は、15時30分近く、持将棋になった。だがその経緯がおかしく、ネット情報だと、点数が1点足りなかった長谷川女流二段が対局の最中に持将棋を提案し、船戸女流二段が了承したため、持将棋になったというのだ。
そして指し直し局は長谷川女流二段が勝ち、続く中倉宏美女流二段戦にも勝って、本戦入りを果たしたのだった。LPSAファンとしてはやりきれない結果で、船戸―長谷川戦で船戸女流二段が勝っていれば、LPSA勢の本戦入りが確定していた。
そしてこうなるとクローズアップされるのが、船戸女流二段戦の持将棋だ。
なぜ私がルールに拘るのかというと、最近倉敷藤花戦の中井広恵女流六段VS野原未蘭女流2級戦で、「宣言法」なる単語を聞いたからである。だがこれが曲者で、「宣言」したけれどその主張が間違えていた場合は、宣言したほうが負けになるというのだ。だから対局中の中井女流六段もビビって、宣言までできなかった。
そういうデリケートを有している宣言法があるのに、点数の少ないほうが持将棋を提案なんてできるのだろうか。もしこれを船戸女流二段が拒否していたら、どうなったのだろう。対局はふつうに続行されるのだろうか。つまり「宣言」は負けになるけれど、「持将棋の提案」なら、セーフという考えだ。この辺のルールがよく分からない。
そもそも持将棋の1点は果てしなく重い。2年前の2月、竜王戦ランキング戦の中尾敏之五段VS牧野光則五段戦で、1点を巡る果てしない攻防が続き、激闘19時間、420手を数えたのは記憶に新しい。まさに1点は命なのだ。
私はマイナビのサイトでこの持将棋局を見にいったが、なぜか削除されていた。無勝負だから掲載の要なし、ということなのだろうか。それとも、掲載しては具合の悪い棋譜なのだろうか。
長谷川女流二段はマイナビ女子オープンに関わりが深く、第5期参加中に女流棋士になり、その初対局は持将棋だった。公式戦初対局が持将棋、は史上初の珍事だった。
いずれにしても今回長谷川女流二段に、持将棋にまつわる新たなエピソードが加わったということだ。
……とここまでが26日夜の状況で、27日に長谷川女流二段のツイッターが更新され、この対局のことに触れていた。私はヒトのツイッターを読まない主義なのだが、今回は覗かざるを得ない。
要約すると、船戸女流二段のほうから持将棋の提案があり、長谷川女流二段も受け入れたという。点数は船戸女流二段が十分、長谷川女流二段はギリギリ足りない、という状況だったようだ。つまり立場が逆だった。まあ、そうであろう。私もおかしいとは思っていたのだ。長谷川女流二段には失礼なことだった。
そしてそれなら、ガラッと見方が変わる。むしろ船戸女流二段が勝負に淡泊だったと言わざるを得ない。ただ、ほうぼうに気を遣う船戸女流二段のこと、あまりに時間が押したので、指し直しにしたほうが早く決着がつく、と判断したのかもしれない。しかし肝心の指し直し局に負けてしまっては、台無しである。
ちなみに船戸女流二段のツイッターには、この対局についての言及はなかった。敗者は弁解をしないのだ。
ただ、このような事態を招いたのは、持将棋のルールが整備されてないからではあるまいか。将棋連盟は何かあってからでないと動かない性質がある。持将棋ルールを早急に文書化し、全棋士に配布したらどうだろう。
同日には、第14回マイナビ女子オープンの一斉予選対局があった。今回はコロナ禍の影響で、非公開の対局となった。夜、打ち上げの席で結果を知り、渡部愛女流三段はなぜ勝てない、の思いはあったが、帰宅して改めて調べると、ほかに一局、気になる結果があった。船戸陽子女流二段VS長谷川優貴女流二段戦である。
13時05分に始まった本局は、15時30分近く、持将棋になった。だがその経緯がおかしく、ネット情報だと、点数が1点足りなかった長谷川女流二段が対局の最中に持将棋を提案し、船戸女流二段が了承したため、持将棋になったというのだ。
そして指し直し局は長谷川女流二段が勝ち、続く中倉宏美女流二段戦にも勝って、本戦入りを果たしたのだった。LPSAファンとしてはやりきれない結果で、船戸―長谷川戦で船戸女流二段が勝っていれば、LPSA勢の本戦入りが確定していた。
そしてこうなるとクローズアップされるのが、船戸女流二段戦の持将棋だ。
なぜ私がルールに拘るのかというと、最近倉敷藤花戦の中井広恵女流六段VS野原未蘭女流2級戦で、「宣言法」なる単語を聞いたからである。だがこれが曲者で、「宣言」したけれどその主張が間違えていた場合は、宣言したほうが負けになるというのだ。だから対局中の中井女流六段もビビって、宣言までできなかった。
そういうデリケートを有している宣言法があるのに、点数の少ないほうが持将棋を提案なんてできるのだろうか。もしこれを船戸女流二段が拒否していたら、どうなったのだろう。対局はふつうに続行されるのだろうか。つまり「宣言」は負けになるけれど、「持将棋の提案」なら、セーフという考えだ。この辺のルールがよく分からない。
そもそも持将棋の1点は果てしなく重い。2年前の2月、竜王戦ランキング戦の中尾敏之五段VS牧野光則五段戦で、1点を巡る果てしない攻防が続き、激闘19時間、420手を数えたのは記憶に新しい。まさに1点は命なのだ。
私はマイナビのサイトでこの持将棋局を見にいったが、なぜか削除されていた。無勝負だから掲載の要なし、ということなのだろうか。それとも、掲載しては具合の悪い棋譜なのだろうか。
長谷川女流二段はマイナビ女子オープンに関わりが深く、第5期参加中に女流棋士になり、その初対局は持将棋だった。公式戦初対局が持将棋、は史上初の珍事だった。
いずれにしても今回長谷川女流二段に、持将棋にまつわる新たなエピソードが加わったということだ。
……とここまでが26日夜の状況で、27日に長谷川女流二段のツイッターが更新され、この対局のことに触れていた。私はヒトのツイッターを読まない主義なのだが、今回は覗かざるを得ない。
要約すると、船戸女流二段のほうから持将棋の提案があり、長谷川女流二段も受け入れたという。点数は船戸女流二段が十分、長谷川女流二段はギリギリ足りない、という状況だったようだ。つまり立場が逆だった。まあ、そうであろう。私もおかしいとは思っていたのだ。長谷川女流二段には失礼なことだった。
そしてそれなら、ガラッと見方が変わる。むしろ船戸女流二段が勝負に淡泊だったと言わざるを得ない。ただ、ほうぼうに気を遣う船戸女流二段のこと、あまりに時間が押したので、指し直しにしたほうが早く決着がつく、と判断したのかもしれない。しかし肝心の指し直し局に負けてしまっては、台無しである。
ちなみに船戸女流二段のツイッターには、この対局についての言及はなかった。敗者は弁解をしないのだ。
ただ、このような事態を招いたのは、持将棋のルールが整備されてないからではあるまいか。将棋連盟は何かあってからでないと動かない性質がある。持将棋ルールを早急に文書化し、全棋士に配布したらどうだろう。