8月30日は待望?の社団戦第1日だった。今年はコロナ禍の影響で日程が削減され、8月30日(日)、9月26日(土)、11月1日(日)の3日間となった。1チームは5人に削られ、対戦も昇降級を争うものでなく、単なる交流戦となった。ただ、成績上位チームには賞品が出る。
自宅最寄り駅前から都バスに乗り、11時47分、二天門で降りた。産業貿易センター台東館の7階に行くと、すでに対局の準備はされていた。ホワイトボードを見ると今回は3組に分かれていて、我が将棋ペンクラブは3組だった。今年は全7部を全3組にまとめたらしい。
設営・撤去の項を見ると将棋ペンクラブは今日の設営に当たっており、私はアオくなった。
幹事のKan氏がいたので謝ると、今年は設営の絶対数が少ないので、すぐ終わったという。例年の参加チームは約200だが、今年は40。1チーム5選手だから200人だ。フロアの最大収容人数は300人と規定されていたが、応援を含めても300人には満たず、ここ1フロアで済んでしまったという。しかも今回は、LPSAやねこまど、アカシヤ書店などの出展もなし。まったく異例ずくめの社団戦となった。
将棋ペンクラブの面々が集まっている。紅一点のAkutsuさんの姿がなく落胆したが、彼女が来ないのは先日のA氏の報告で織り込み済である。
今日はAbe監督である。私は将棋ペンクラブの長年の会員ではあるが、社団戦としては外様なので、積極的に対局はしないつもり。それで1回戦は休むことになった。
1回戦は大将から順に山本氏、木村会長、藤原息子君、山野氏、三上氏のメンバーで対局開始。
……とその前に、今日は第1日目なので、開会式である。1人目の方は、「このコロナ禍で数々のアマ棋戦が中止される中、社団戦が開かれることになったのが奇跡的だ」というようなことを言った。
2人目の方の挨拶も終わり、最後に都の職員の方の注意説明があった。都内でイベントを開く場合、この注意喚起が義務になっているという。要するに各自がコロナ対策に万全であれ、という内容だった。
対局が始まり、私は千石ラーメンに向かった。浅草寺の仲見世は観光客が少ない。外国人の姿もほとんどなく、かえって異次元の世界に迷い込んだようである。
千石ラーメンはすぐ見つかったが、まさかの休みだった。だが店の前には自転車が置かれ、休日というより閉店の雰囲気もある。スマホを繰ると「年中無休」とあり、休むこと自体がおかしい。私が旅先で馴染みになった食事処は廃業する、というジンクスがあり、東京ではこの千石ラーメンが馴染みだったが、まさか千石ラーメンよ、アンタもか?というところだった。
仕方ない、浅草寺の近くにいつも気になる食事処がある。そこはナポリタンやピラフが500円でリーズナブルなのだ。
思い切って入ると店内の雰囲気はよかった。客はこの時間なのに皆無である。私はナポリタンを注文したが、出されたそれはオフクロの作るそれと味付けがそっくりだった。
会場に戻ると、将棋ペンクラブは横浜宇宙棋院に3勝1敗になっていた。5人目は負けたが、チーム3勝2敗の勝利。上々の滑りだしである。
藤原父氏も見えた。これで選手は総勢8名。なおKan氏は事務仕事に専念するとのことで、今回は選手としては不参加である。Abe監督の方針は「勝ち抜け式」だったが、その意味はよく分からなかった。
2回戦の相手は「一歩千金」。私は出場し、大将。以下藤原息子君、木村会長、山野氏、三上氏である。リーグ表を見ると上の方に位置していたから、6部だろう。振ってもらって私の先手。なお持ち時間は3組の場合、「20分・30秒」である。
▲7六歩△3四歩▲2六歩△4四歩。最近はここから雁木があるが、一歩氏は四間飛車に振った。さればと私は5筋位取りを狙うが、一歩氏は穴熊に囲った。そこで玉頭位取りにチェンジした。穴熊は玉頭位取りの重圧から逃れるために指されたともいうが、それでも穴熊に玉頭位取りは有効だと思う。
チームのプレートを見ると、「一歩千金」の端に「5部」と書かれている。まさか5図のチームが流れてきているのか?
まあ全3組なんだから、編成上それもある。今年は当たりが厳しいようだ。
私は▲6六歩と突き、さらに▲6五歩を目指したが、ほかの手を指したら△6四歩と指されてしまった。そのあと一歩氏に6筋と7筋の歩を交換され、こちらの作戦負け。だが私も金銀4枚を終結させ、穴熊に劣らず固い。
一歩氏の△3五歩に▲2六飛と浮き、▲3五歩と歩得できて、互角に戻したと思った。
第1図以下の指し手。▲5四歩△同銀▲3三歩成△同桂▲3二歩△同飛▲3四歩△4五桂▲3三歩成△3七桂成▲同飛△3六歩▲同飛△3五歩▲5六飛△5五歩▲3二と△5六歩(第2図)
第1図から▲5四歩△同銀に▲3三歩成。一歩氏は早指しでここまで飛ばしており、考慮時間に5分以上の開きがあったのだが、さすがにここで差が詰まってきた。
△3三同飛は▲同飛成△同桂▲5二飛で、私は△1二香を取ったあと▲7四香を見る。これは後手の7筋の歩交換を逆用した形だ。また△3五歩は▲5六飛が銀取り。この順は後手が指せないと思った。
よって一歩氏は△3三同桂と辛抱したが、私は▲3二歩~▲3四歩。以下後手の桂を捌かせたが、私も歩が成れたから腹は立たない。
△3五歩にすぐ▲3二とは、△3六歩で△3五角を与える。若干気が利かないが、5筋で飛車を取らせたほうがいいと思った。
第2図以下の指し手。▲5一飛△6一桂▲4二と△同角▲5四飛成△4九飛▲4四歩△3三角▲4三歩成△5七歩成▲同金△6六角▲同金(第3図)
左の藤原息子君は振り飛車で果敢に攻めているが、若干無理っぽい。
第2図で▲5二飛は、△6二金を気にした。そこで一路深く、▲5一飛と下ろした。
対して一歩氏は△6一桂。ここに桂を使ってくれて、だいぶ楽になった。
私は▲4二とと活用する。穴熊相手にはと金攻めが有効である。△4二同角に▲5四飛成で銀得となり、これは負けられないと思った。
△4九飛には▲4四歩。もし△1九飛成なら、▲4三歩成で先手勝勢である。
そこで本譜は一歩氏が手順を尽くし角を切ってきたが、私はまた駒得し、これで角得。本当に負けられなくなった。
第3図以下の指し手。△6八歩▲同角△6九銀▲8七銀打△7八銀成▲同銀△7七歩▲同角△7九金▲6八銀△7八金▲同玉△1九飛成▲5三と△同桂▲同竜△6七歩▲同金△1六竜▲6六桂△6一香▲7四歩△7二金引▲7五桂△7三歩(第4図)
一歩氏はシャニムニ攻めてくるが、私は丁寧に受ける。金銀が目まぐるしく入れ替わったが、自陣にダメージはない。5筋に竜がいるし、この攻めで先手玉が崩壊することはない。
結局一歩氏は△1九飛成とするよりなく、そこで▲5三とが2度目のと金攻め。歩の攻めだから反動がない。
▲6六桂~▲7四歩には△6三金がイヤだったが、一歩氏は△7二金引。これでは先手に怖い所が何もなく、勝ったと思った。▲7五桂と2枚目の桂を据え温泉気分になったが、ここは先に▲8四歩だったかもしれない。
その気の緩みからか、△7三歩に次の手が疑問手だった。
(つづく)
自宅最寄り駅前から都バスに乗り、11時47分、二天門で降りた。産業貿易センター台東館の7階に行くと、すでに対局の準備はされていた。ホワイトボードを見ると今回は3組に分かれていて、我が将棋ペンクラブは3組だった。今年は全7部を全3組にまとめたらしい。
設営・撤去の項を見ると将棋ペンクラブは今日の設営に当たっており、私はアオくなった。
幹事のKan氏がいたので謝ると、今年は設営の絶対数が少ないので、すぐ終わったという。例年の参加チームは約200だが、今年は40。1チーム5選手だから200人だ。フロアの最大収容人数は300人と規定されていたが、応援を含めても300人には満たず、ここ1フロアで済んでしまったという。しかも今回は、LPSAやねこまど、アカシヤ書店などの出展もなし。まったく異例ずくめの社団戦となった。
将棋ペンクラブの面々が集まっている。紅一点のAkutsuさんの姿がなく落胆したが、彼女が来ないのは先日のA氏の報告で織り込み済である。
今日はAbe監督である。私は将棋ペンクラブの長年の会員ではあるが、社団戦としては外様なので、積極的に対局はしないつもり。それで1回戦は休むことになった。
1回戦は大将から順に山本氏、木村会長、藤原息子君、山野氏、三上氏のメンバーで対局開始。
……とその前に、今日は第1日目なので、開会式である。1人目の方は、「このコロナ禍で数々のアマ棋戦が中止される中、社団戦が開かれることになったのが奇跡的だ」というようなことを言った。
2人目の方の挨拶も終わり、最後に都の職員の方の注意説明があった。都内でイベントを開く場合、この注意喚起が義務になっているという。要するに各自がコロナ対策に万全であれ、という内容だった。
対局が始まり、私は千石ラーメンに向かった。浅草寺の仲見世は観光客が少ない。外国人の姿もほとんどなく、かえって異次元の世界に迷い込んだようである。
千石ラーメンはすぐ見つかったが、まさかの休みだった。だが店の前には自転車が置かれ、休日というより閉店の雰囲気もある。スマホを繰ると「年中無休」とあり、休むこと自体がおかしい。私が旅先で馴染みになった食事処は廃業する、というジンクスがあり、東京ではこの千石ラーメンが馴染みだったが、まさか千石ラーメンよ、アンタもか?というところだった。
仕方ない、浅草寺の近くにいつも気になる食事処がある。そこはナポリタンやピラフが500円でリーズナブルなのだ。
思い切って入ると店内の雰囲気はよかった。客はこの時間なのに皆無である。私はナポリタンを注文したが、出されたそれはオフクロの作るそれと味付けがそっくりだった。
会場に戻ると、将棋ペンクラブは横浜宇宙棋院に3勝1敗になっていた。5人目は負けたが、チーム3勝2敗の勝利。上々の滑りだしである。
藤原父氏も見えた。これで選手は総勢8名。なおKan氏は事務仕事に専念するとのことで、今回は選手としては不参加である。Abe監督の方針は「勝ち抜け式」だったが、その意味はよく分からなかった。
2回戦の相手は「一歩千金」。私は出場し、大将。以下藤原息子君、木村会長、山野氏、三上氏である。リーグ表を見ると上の方に位置していたから、6部だろう。振ってもらって私の先手。なお持ち時間は3組の場合、「20分・30秒」である。
▲7六歩△3四歩▲2六歩△4四歩。最近はここから雁木があるが、一歩氏は四間飛車に振った。さればと私は5筋位取りを狙うが、一歩氏は穴熊に囲った。そこで玉頭位取りにチェンジした。穴熊は玉頭位取りの重圧から逃れるために指されたともいうが、それでも穴熊に玉頭位取りは有効だと思う。
チームのプレートを見ると、「一歩千金」の端に「5部」と書かれている。まさか5図のチームが流れてきているのか?
まあ全3組なんだから、編成上それもある。今年は当たりが厳しいようだ。
私は▲6六歩と突き、さらに▲6五歩を目指したが、ほかの手を指したら△6四歩と指されてしまった。そのあと一歩氏に6筋と7筋の歩を交換され、こちらの作戦負け。だが私も金銀4枚を終結させ、穴熊に劣らず固い。
一歩氏の△3五歩に▲2六飛と浮き、▲3五歩と歩得できて、互角に戻したと思った。
第1図以下の指し手。▲5四歩△同銀▲3三歩成△同桂▲3二歩△同飛▲3四歩△4五桂▲3三歩成△3七桂成▲同飛△3六歩▲同飛△3五歩▲5六飛△5五歩▲3二と△5六歩(第2図)
第1図から▲5四歩△同銀に▲3三歩成。一歩氏は早指しでここまで飛ばしており、考慮時間に5分以上の開きがあったのだが、さすがにここで差が詰まってきた。
△3三同飛は▲同飛成△同桂▲5二飛で、私は△1二香を取ったあと▲7四香を見る。これは後手の7筋の歩交換を逆用した形だ。また△3五歩は▲5六飛が銀取り。この順は後手が指せないと思った。
よって一歩氏は△3三同桂と辛抱したが、私は▲3二歩~▲3四歩。以下後手の桂を捌かせたが、私も歩が成れたから腹は立たない。
△3五歩にすぐ▲3二とは、△3六歩で△3五角を与える。若干気が利かないが、5筋で飛車を取らせたほうがいいと思った。
第2図以下の指し手。▲5一飛△6一桂▲4二と△同角▲5四飛成△4九飛▲4四歩△3三角▲4三歩成△5七歩成▲同金△6六角▲同金(第3図)
左の藤原息子君は振り飛車で果敢に攻めているが、若干無理っぽい。
第2図で▲5二飛は、△6二金を気にした。そこで一路深く、▲5一飛と下ろした。
対して一歩氏は△6一桂。ここに桂を使ってくれて、だいぶ楽になった。
私は▲4二とと活用する。穴熊相手にはと金攻めが有効である。△4二同角に▲5四飛成で銀得となり、これは負けられないと思った。
△4九飛には▲4四歩。もし△1九飛成なら、▲4三歩成で先手勝勢である。
そこで本譜は一歩氏が手順を尽くし角を切ってきたが、私はまた駒得し、これで角得。本当に負けられなくなった。
第3図以下の指し手。△6八歩▲同角△6九銀▲8七銀打△7八銀成▲同銀△7七歩▲同角△7九金▲6八銀△7八金▲同玉△1九飛成▲5三と△同桂▲同竜△6七歩▲同金△1六竜▲6六桂△6一香▲7四歩△7二金引▲7五桂△7三歩(第4図)
一歩氏はシャニムニ攻めてくるが、私は丁寧に受ける。金銀が目まぐるしく入れ替わったが、自陣にダメージはない。5筋に竜がいるし、この攻めで先手玉が崩壊することはない。
結局一歩氏は△1九飛成とするよりなく、そこで▲5三とが2度目のと金攻め。歩の攻めだから反動がない。
▲6六桂~▲7四歩には△6三金がイヤだったが、一歩氏は△7二金引。これでは先手に怖い所が何もなく、勝ったと思った。▲7五桂と2枚目の桂を据え温泉気分になったが、ここは先に▲8四歩だったかもしれない。
その気の緩みからか、△7三歩に次の手が疑問手だった。
(つづく)