4月30日放送のNHK杯将棋トーナメントは、船江恒平六段VS里見香奈女流五冠の対戦。
トップ女流棋士が男性棋士に伍して戦えるようになって久しいが、NHK杯はそこまで女流棋士が勝ってないように思える。本局はどうか。
将棋は後手番・里見女流五冠のゴキゲン中飛車。船江六段は超速▲3七銀戦法を意図したが、すぐに▲6六歩と止め、持久戦になった。
以下は力戦調になったが、船江六段の模様がよく、形勢バーも船江六段に伸びていた。
解説は西川和宏六段で、温和な語り口が心地いい。
終盤にさしかかったところでは船江六段に87%。対局者はもちろん知らないが、外野は船江六段の勝勢を知っていた。
ここでAIの第一候補は▲7三歩で、以下バリバリ攻めて先手勝ち。
ところが船江六段は▲7四歩と垂らした。これが厳しさを欠いたようで、とたんに形勢バーが57%まで減った。しかし西川六段は「冷静な手ですね。急所の手ですね。何か駒が入ったら7三に打っていこうと。ものすごく大きな拠点ですね」とベタ褒めである。西川六段に形勢バーが見えていたのかどうか分からぬが、視聴者としては複雑な気分だった。形勢バーの表示はありがたいが、余計なときもある。
ここから形勢は混沌。難解な攻め合いに、西川六段も「分からない」。これも正直な感想で、好感が持てた。
それでも船江六段が抜け出し、▲7二金のところで▲7四銀と銀を取れば勝勢だった。
だが現実的には、▲8二角成の詰めろを受けなければならない。
そこで里見女流五冠が△7一銀(図)と受けたのが、西川六段も激賞した好手だった。

詰めろを受けただけだから当然の手といえば当然の手なのだが、それでも好手、というケースはある。私は、1991年2月12日に指された、第49期A級順位戦・▲大山康晴十五世名人VS△青野照市八段戦の▲6九銀(参考図)を思い出した。

船江六段は仕方なく▲7一同金と取ったが、△7五銀で、里見女流五冠の勝ちとなった。
感想戦は和気あいあいで、微笑ましかった。船江六段は負けてもニコニコ感想戦を行うらしいが、仏頂面の私とはエライ違いで、見習いたいものだ。
里見女流五冠には、2回戦も突破してもらいたい。
トップ女流棋士が男性棋士に伍して戦えるようになって久しいが、NHK杯はそこまで女流棋士が勝ってないように思える。本局はどうか。
将棋は後手番・里見女流五冠のゴキゲン中飛車。船江六段は超速▲3七銀戦法を意図したが、すぐに▲6六歩と止め、持久戦になった。
以下は力戦調になったが、船江六段の模様がよく、形勢バーも船江六段に伸びていた。
解説は西川和宏六段で、温和な語り口が心地いい。
終盤にさしかかったところでは船江六段に87%。対局者はもちろん知らないが、外野は船江六段の勝勢を知っていた。
ここでAIの第一候補は▲7三歩で、以下バリバリ攻めて先手勝ち。
ところが船江六段は▲7四歩と垂らした。これが厳しさを欠いたようで、とたんに形勢バーが57%まで減った。しかし西川六段は「冷静な手ですね。急所の手ですね。何か駒が入ったら7三に打っていこうと。ものすごく大きな拠点ですね」とベタ褒めである。西川六段に形勢バーが見えていたのかどうか分からぬが、視聴者としては複雑な気分だった。形勢バーの表示はありがたいが、余計なときもある。
ここから形勢は混沌。難解な攻め合いに、西川六段も「分からない」。これも正直な感想で、好感が持てた。
それでも船江六段が抜け出し、▲7二金のところで▲7四銀と銀を取れば勝勢だった。
だが現実的には、▲8二角成の詰めろを受けなければならない。
そこで里見女流五冠が△7一銀(図)と受けたのが、西川六段も激賞した好手だった。

詰めろを受けただけだから当然の手といえば当然の手なのだが、それでも好手、というケースはある。私は、1991年2月12日に指された、第49期A級順位戦・▲大山康晴十五世名人VS△青野照市八段戦の▲6九銀(参考図)を思い出した。

船江六段は仕方なく▲7一同金と取ったが、△7五銀で、里見女流五冠の勝ちとなった。
感想戦は和気あいあいで、微笑ましかった。船江六段は負けてもニコニコ感想戦を行うらしいが、仏頂面の私とはエライ違いで、見習いたいものだ。
里見女流五冠には、2回戦も突破してもらいたい。