第81期名人戦第3局が始まった。ここまで藤井聡太竜王の2勝。着々と名人位に近づいているイメージだ。通算対戦成績も渡辺明名人3勝、藤井18勝と大差になっており、渡辺名人には好材料がひとつもない。
ちなみに、名人戦において0勝2敗からの逆転劇は6回ある。
1947年 第6期名人戦 塚田正夫八段 ●●持○○千○千○ 木村義雄名人
1966年 第25期名人戦 大山康晴名人 ●●○○○○ 升田幸三九段
1979年 第37期名人戦 中原誠名人 ●●○○○○ 米長邦雄九段
1987年 第45期名人戦 中原誠名人 ●●○○○○ 米長邦雄九段
1992年 第50期名人戦 中原誠名人 ●●○●○○○ 高橋道雄九段
2007年 第65期名人戦 森内俊之名人 ●●○○○●○ 郷田真隆九段
第6期を除けば名人が逆転防衛しているわけだが、むろんズルズル敗退している例も多いわけで、渡辺名人にとってこんなデータは屁の役にも立たない。とにかく渡辺名人はこの第3局に必勝あるのみだ。
第3局は渡辺名人が飛車先の歩を突いてスタートした。そこから角換わりのコースに入ったが、藤井竜王は角を換えず、じっと角道を止めた。
これが玄妙な一手で、私は唸った。ここはもちろん角を換え、藤井竜王得意の戦型に持っていけばよい。しかし藤井竜王は相居飛車の手将棋を選んだ。戦型のレパートリーを増やそう、の表れともいえる。この貪欲な姿勢に、私は唸ったのだった。
だがこの進行なら、渡辺名人も望むところだろう。結果的にがっちり金矢倉に組み、これはこれで十分である。
対して藤井竜王は雁木から4筋の歩を伸ばし、間接的に先手玉を睨む。こちらも雁木の理想的な布陣で、十分な態勢だ。
やがて封じ手の時間になり、渡辺名人がすぐに封じた。
さて、相手が藤井竜王でなければ、2日目の激闘が楽しみ……となるところだが、いやどうなるか。
メジャーリーグのエンゼルスは、大谷翔平選手が活躍しても試合は負けるので、「なお、試合はエンゼルスが負けました」がお決まりのフレーズになっているという。
藤井竜王の対局にも同じことがいえて、終盤の入口までほぼ互角で推移した対局はいくらでもあった。
しかしそこから結局は藤井竜王が勝つのである。
本局もそうなるような気がしてならない。
ちなみに、名人戦において0勝2敗からの逆転劇は6回ある。
1947年 第6期名人戦 塚田正夫八段 ●●持○○千○千○ 木村義雄名人
1966年 第25期名人戦 大山康晴名人 ●●○○○○ 升田幸三九段
1979年 第37期名人戦 中原誠名人 ●●○○○○ 米長邦雄九段
1987年 第45期名人戦 中原誠名人 ●●○○○○ 米長邦雄九段
1992年 第50期名人戦 中原誠名人 ●●○●○○○ 高橋道雄九段
2007年 第65期名人戦 森内俊之名人 ●●○○○●○ 郷田真隆九段
第6期を除けば名人が逆転防衛しているわけだが、むろんズルズル敗退している例も多いわけで、渡辺名人にとってこんなデータは屁の役にも立たない。とにかく渡辺名人はこの第3局に必勝あるのみだ。
第3局は渡辺名人が飛車先の歩を突いてスタートした。そこから角換わりのコースに入ったが、藤井竜王は角を換えず、じっと角道を止めた。
これが玄妙な一手で、私は唸った。ここはもちろん角を換え、藤井竜王得意の戦型に持っていけばよい。しかし藤井竜王は相居飛車の手将棋を選んだ。戦型のレパートリーを増やそう、の表れともいえる。この貪欲な姿勢に、私は唸ったのだった。
だがこの進行なら、渡辺名人も望むところだろう。結果的にがっちり金矢倉に組み、これはこれで十分である。
対して藤井竜王は雁木から4筋の歩を伸ばし、間接的に先手玉を睨む。こちらも雁木の理想的な布陣で、十分な態勢だ。
やがて封じ手の時間になり、渡辺名人がすぐに封じた。
さて、相手が藤井竜王でなければ、2日目の激闘が楽しみ……となるところだが、いやどうなるか。
メジャーリーグのエンゼルスは、大谷翔平選手が活躍しても試合は負けるので、「なお、試合はエンゼルスが負けました」がお決まりのフレーズになっているという。
藤井竜王の対局にも同じことがいえて、終盤の入口までほぼ互角で推移した対局はいくらでもあった。
しかしそこから結局は藤井竜王が勝つのである。
本局もそうなるような気がしてならない。