先日、日本将棋連盟から、叡王戦の永世規定が発表された。「通算5期」で、まあまあ妥当だろう。ともあれこれで、8大タイトルすべてに永世規定がそろったわけだ。
では、その一覧と資格保持者を記しておこう(敬称略)。
永世竜王(35期)…連続5期or通算7期 渡辺明、羽生善治
永世名人(80期)…通算5期 木村義雄、大山康晴、中原誠、谷川浩司、森内俊之、羽生善治
永世王位(63期)…連続5期or通算10期 大山康晴、中原誠、羽生善治
永世叡王(7期)…通算5期
名誉王座(70期)…連続5期or通算10期 中原誠、羽生善治
永世棋王(48期)…連続5期 羽生善治、渡辺明
永世王将(72期)…通算10期 大山康晴、羽生善治
永世棋聖(93期)…通算5期 大山康晴、中原誠、米長邦雄、羽生善治、佐藤康光
※このほかに、永世十段の保持者に中原誠と大山康晴がいる。
いずれ劣らぬ規定である。多くの棋士にとってタイトル獲得が夢のまた夢なのに、永世称号を獲得することは、はるかかなたの夢だろう。
ここで、永世称号獲得を、難易度順に並べ変えてみる。もちろん私の勝手な考えである。
【難】
永世王将…通算10期
永世棋王…連続5期
名誉王座…連続5期or通算10期
永世王位…連続5期or通算10期
永世竜王…連続5期or通算7期
永世名人…通算5期
永世棋聖…通算5期
永世叡王…通算5期
【易】
こんな感じにしてみた。
まず王将戦は、挑戦者になるまでが難しい。一次予選、二次予選を勝ち抜き挑戦者決定リーグに入る。そこで順位戦A級と遜色ないメンバーと戦い、1位を取らねばならぬ。そしてタイトル戦で4勝が必要である。しかもそれを10期獲らねばならぬ。無理だ。
しかし大山十五世名人は王将を20期も獲っている。つまり永世王将を2回だ。考えられない。
永世棋王も難しい。棋王を獲ることはできても、「連続」が大きな枷だ。
かつて米長永世棋聖が通算5期目の棋王を獲ったとき、ときの日本将棋連盟会長・大山十五世名人に「永世棋王」を直談判したらしい。
「棋王を5期獲ったんだから、永世棋王にしてくれませんか」
「ダメです」
「なぜです」
「あのね米長さん、永世という称号はネ、本来は名人だけにあると思うの。
でもいいですよ、じゃあ連続5期で永世棋王にしましょう」
このとき米長永世棋聖は、棋王4連覇中だった。次に棋王を防衛すれば、堂々と「永世棋王」を取得できる。
ところが米長棋王は桐山清澄八段(当時)に敗れ、以後も棋王に返り咲くことはなかった。
こんなわけで、現行の規定では棋王を何十期獲っても、永世称号を獲れない可能性がある。
名誉王座も永世王位も連続5期だが、こちらは通算10期のくくりもあるので、まだ救いがある。
王座と王位は、比較的リーグに入りやすい王位のほうが、タイトル戦に登場するチャンスがあるだろうか。よって、名誉王座→永世王位の順とした。
現在は永瀬拓矢王座が、王座4連覇中である。秋の防衛戦が楽しみだ。
永世竜王と永世名人は、どちらが獲るのが難しいのだろう。ほぼ同じか。
永世竜王は、通算7期。順位戦と違い、ランキング戦6組にいても挑戦権を握ることができる。その時期に最も強い棋士が挑戦者になるといわれ、防衛も難しい。
そんな中、9連覇を果たした渡辺名人が飛び抜けて強いということになるわけだが。
永世名人は、本来なら最も永世称号を獲るのが難しいともいえる。なぜなら、上位10名しか、名人戦に通じるA級順位戦に参戦できないからだ。
しかしこの名人戦、強豪の中の強豪が登場するので、争う相手が少ないともいえる。つまり持ち回りのような感じで、5期が取れてしまうのだ。歴史の長さもあるが、永世保持者6名は、8大タイトル戦のうちで最も多い。
永世棋聖と永世叡王は通算5期なので、これは頑張れば獲れそうだ。米長永世棋聖と佐藤康光九段は、唯一の永世位がこの棋聖だ。
藤井竜王は棋聖3連覇中で、今期佐々木大地七段に勝ち、来期防衛すれば、21歳か22歳(!!!)で、永世称号保持者となる。
では、その一覧と資格保持者を記しておこう(敬称略)。
永世竜王(35期)…連続5期or通算7期 渡辺明、羽生善治
永世名人(80期)…通算5期 木村義雄、大山康晴、中原誠、谷川浩司、森内俊之、羽生善治
永世王位(63期)…連続5期or通算10期 大山康晴、中原誠、羽生善治
永世叡王(7期)…通算5期
名誉王座(70期)…連続5期or通算10期 中原誠、羽生善治
永世棋王(48期)…連続5期 羽生善治、渡辺明
永世王将(72期)…通算10期 大山康晴、羽生善治
永世棋聖(93期)…通算5期 大山康晴、中原誠、米長邦雄、羽生善治、佐藤康光
※このほかに、永世十段の保持者に中原誠と大山康晴がいる。
いずれ劣らぬ規定である。多くの棋士にとってタイトル獲得が夢のまた夢なのに、永世称号を獲得することは、はるかかなたの夢だろう。
ここで、永世称号獲得を、難易度順に並べ変えてみる。もちろん私の勝手な考えである。
【難】
永世王将…通算10期
永世棋王…連続5期
名誉王座…連続5期or通算10期
永世王位…連続5期or通算10期
永世竜王…連続5期or通算7期
永世名人…通算5期
永世棋聖…通算5期
永世叡王…通算5期
【易】
こんな感じにしてみた。
まず王将戦は、挑戦者になるまでが難しい。一次予選、二次予選を勝ち抜き挑戦者決定リーグに入る。そこで順位戦A級と遜色ないメンバーと戦い、1位を取らねばならぬ。そしてタイトル戦で4勝が必要である。しかもそれを10期獲らねばならぬ。無理だ。
しかし大山十五世名人は王将を20期も獲っている。つまり永世王将を2回だ。考えられない。
永世棋王も難しい。棋王を獲ることはできても、「連続」が大きな枷だ。
かつて米長永世棋聖が通算5期目の棋王を獲ったとき、ときの日本将棋連盟会長・大山十五世名人に「永世棋王」を直談判したらしい。
「棋王を5期獲ったんだから、永世棋王にしてくれませんか」
「ダメです」
「なぜです」
「あのね米長さん、永世という称号はネ、本来は名人だけにあると思うの。
でもいいですよ、じゃあ連続5期で永世棋王にしましょう」
このとき米長永世棋聖は、棋王4連覇中だった。次に棋王を防衛すれば、堂々と「永世棋王」を取得できる。
ところが米長棋王は桐山清澄八段(当時)に敗れ、以後も棋王に返り咲くことはなかった。
こんなわけで、現行の規定では棋王を何十期獲っても、永世称号を獲れない可能性がある。
名誉王座も永世王位も連続5期だが、こちらは通算10期のくくりもあるので、まだ救いがある。
王座と王位は、比較的リーグに入りやすい王位のほうが、タイトル戦に登場するチャンスがあるだろうか。よって、名誉王座→永世王位の順とした。
現在は永瀬拓矢王座が、王座4連覇中である。秋の防衛戦が楽しみだ。
永世竜王と永世名人は、どちらが獲るのが難しいのだろう。ほぼ同じか。
永世竜王は、通算7期。順位戦と違い、ランキング戦6組にいても挑戦権を握ることができる。その時期に最も強い棋士が挑戦者になるといわれ、防衛も難しい。
そんな中、9連覇を果たした渡辺名人が飛び抜けて強いということになるわけだが。
永世名人は、本来なら最も永世称号を獲るのが難しいともいえる。なぜなら、上位10名しか、名人戦に通じるA級順位戦に参戦できないからだ。
しかしこの名人戦、強豪の中の強豪が登場するので、争う相手が少ないともいえる。つまり持ち回りのような感じで、5期が取れてしまうのだ。歴史の長さもあるが、永世保持者6名は、8大タイトル戦のうちで最も多い。
永世棋聖と永世叡王は通算5期なので、これは頑張れば獲れそうだ。米長永世棋聖と佐藤康光九段は、唯一の永世位がこの棋聖だ。
藤井竜王は棋聖3連覇中で、今期佐々木大地七段に勝ち、来期防衛すれば、21歳か22歳(!!!)で、永世称号保持者となる。