一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

香織、三番勝負(後編)

2023-05-12 20:34:05 | LPSA麹町サロンin DIS
きょうのNHK朝のドラマ小説「らんまん」は、主人公の万太郎が、寿恵子と劇的な再会をする回。寿恵子があまりにも可愛らしかった。
私も角館の美女と再会したかったが、叶わなかった。南足柄市の美女とは再会したが、その先まで行こうとしなかった。
らんまんの両人はオタクっぽく、今後の展開が楽しみである。

   ◇

上川香織女流二段は第2局中にも「大沢さんって、こんなに強かったっけ?」を連発していたが、本局は惨敗で、ぐぅの音も出ない。
感想戦に入ったが、上川女流二段は第3図から3手前の△8七角成で、軽く△8七歩成を指摘した(参考図)。

以下A▲同飛なら△同飛成▲同金で、これは先手の金が離れるから後手よし。またB▲同金から△7八角で、どう進んでも後手が戦える。
「この方が大沢さんらしかったんじゃないですか?」
と上川女流二段。確かにその通りで、本局は私の悪い面ばかりが出てしまった。
これでもう帰ろうと思ったが、上川女流二段は「決勝の第3局」と指す気満々である。それで3局目に突入した。

初手からの指し手。▲7六歩△3四歩▲2六歩△4四歩▲4八銀△3二飛▲2五歩△3三角▲5六歩△4二銀▲6八玉△6二玉▲7八玉△7二銀▲5八金右△7一玉▲3六歩△5二金左▲6八銀△8二玉▲5七銀左△9四歩(第1図)

3局目はもちろん私が先手である。指導対局はこうでなくちゃいけない。
上川女流二段2度目の三間飛車に、私は▲2五歩を決める。今度は急戦で行くつもりだった。
△9四歩に次の手は。

第1図以下の指し手。▲9六歩△5四歩▲4六歩△6四歩▲3七桂△2二飛▲5五歩△同歩▲4五歩△5三銀▲4六銀△5六歩▲4四歩△同銀▲4五歩△5三銀▲3三角成△同桂▲8八角(第2図)

私は▲9六歩と受けた。「やっぱりそれが本手でしょ」と上川女流二段。
それはもっともだが、のちに戦いが始まったとき△9五歩の端攻めが生じるので、微妙なところである。
以下も昭和の定跡の進行で、私が唯一知っている、対三間飛車の急戦である。
▲4六銀に本譜は△5六歩だが、もちろん△5四銀もある。以下▲5五銀△同銀▲同角△4三金となり、この進行も定跡が整備されているが、難しい。
本譜に戻り、角を換わって▲8八角に、上手の応手は。

第2図以下の指し手。△4三金▲4七銀△5二飛▲5六銀△4四歩▲2四歩△4五歩▲5七銀△2四歩▲同飛△2二歩▲2三歩△4四銀▲2二歩成(第3図)

第2図では本譜の△4三金や△4二金、勝浦新手の△4二銀がある。△4三金には、▲3五歩△同歩▲4七銀もあったと思うが、うろ覚えで指せなかった。
▲2四歩に上川女流二段は△4五歩だが、私の▲5七銀が疑問。強く▲2三歩成と指すべきだった。
▲2三歩の合わせに上川女流二段は△4四銀。私はありがたく▲2二歩成としたが、次の手がまったく浮かんでいなかった。

第3図以下の指し手。△1五角▲2三飛成△3七角成▲5五歩△同銀▲同銀△同飛▲4四歩(指し掛け図)

まで、63手で指し掛け。

△1五角の両取りがまったく読めていなかった。▲2七飛は△2六歩▲2九飛△2二飛で負けなので▲2三飛成とするしかないが、△3七角成で不利を自覚した。
次に△5五歩が厳しいので逆に▲5五歩と打ったが、そこでじっと△4六歩と伸ばされるのがイヤだった。
しかし本譜は△5五同銀。私はほっとしつつも▲同銀に、上川女流二段は△同飛できた。そこでふつうに▲5六歩でよかったのに、私は▲4四歩。

これが微妙な手だったのだが、ここで時間が迫り、指し掛けとなった。
指し掛け図以下は、△5七飛成の強攻があり、▲同金△6五桂の進行は、全然自信がない。
「次は3月に指しましょう」と上川女流二段。たしか2月も担当があったはずだが、「3月」というところが上川女流二段らしい。
ともあれ2時間で2局半指せれば十分。濃密な時間を過ごさせていただいた。また上川女流二段のファンになってしまった。
コメント
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