一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

第37期竜王戦第5局・2日目

2024-11-28 20:47:49 | 男性棋戦
第37期竜王戦第5局・2日目である(主催:読売新聞社、日本将棋連盟)。佐々木勇気八段の封じ手は、飛車先の歩を押さえる手だった。これで歩切れになってしまうが、のちの攻め合いで歩は入ると読んでいる。
藤井聡太竜王は7筋に飛車を逃げる。今後この飛車が働くとは思えないが、やむを得ない。
佐々木八段は馬を作ったあと、銀を中央に出動させた。これも正着なのだろうが個人的には「?」で、これだと3四の地点が薄くなり、狙われてしまうのではないか。
果たして藤井竜王は端に角を打ち、3四の地点を狙ってくる。佐々木八段は馬を消せないので横に寄ったが、藤井竜王はその地点に歩を打ち、桂得が確定した。
この展開がイヤだから銀を出たくなかったのだが、そこは対局者の方が深く読んでいる。佐々木八段はあの銀を繰り出し、攻め合いの構え。藤井竜王はやっと桂を取るが、佐々木八段は挨拶せず、8筋に歩を合わせる。藤井竜王も挨拶できず、そのまま金を取る。これが大きく、後手玉への詰めろになっている。
そこで佐々木八段は一手受けたが、ここで後手を引いたのは痛い。
そして藤井竜王は勇躍飛車を飛び出した。なんと、朝に蟄居した飛車が世に出た。藤井竜王、この手を頭に描き、指し手を進めていたのだ。いったい、何手読んでいたのか。
佐々木八段は飛車を押さえられたが、ここで銀を投入して相手の飛車を押さえる手は指せなかったようだ。
佐々木八段は桂を捨て銀を打ったが、この手はABEMA AIの候補手に挙がっていない。これは藤井竜王の勝ちが確定した。
以下、桂打ちの王手で、佐々木八段投了。藤井竜王の完勝で、第4局の借りを返した。
思ったのだが、やはり居玉はよくないみたいだ。「居玉は避けよ」。消えた格言もあるが、格言は概ね当たっている。
さて、これで藤井竜王の3勝2敗。第6局は12月11日・12日、もはや将棋界では知らない人はいない、指宿市「指宿白水館」で指される。通常なら、ここが藤井竜王のメモリアルな場所になりそうだが、今期竜王戦はちょっと雰囲気が違う。第2局、第4局での佐々木八段の先手番での勝ちっぷりがすごかったからで、これなら第6局も大いに期待できる。
そして第6局に佐々木八段が勝てば、最終局は改めて振駒だし、もうどっちが勝ってもおかしくない。
コメント (2)
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