おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。
「アドラー心理学ブームについて」の10回目です。
そして、「承認欲求を巡って」の3回目です。
昨日と同じ画像を使って説明します。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/33/b9/cb48b85feb233d214270c4d1aa95e4cc.jpg)
昨日は、「ほめる」について解説を加えましたので、今回は「勇気づける」に入ります。
私の定義では「勇気づけとは、困難を克服する活力を与えること」です。
結果として相手をいい気持ちにさせることはあるかもしれませんが、それを目的としていません。
勇気づけは、「ほめること」と違って、評価的な態度でなく、「相手の関心に関心を持つ」共感的な態度であり、相手との間では(役割の違いを認めつつ)対等の関係でつながります。
何よりも「ほめる」ことと違う点は、相手の承認欲求を満たすのではなく、相手が自分で自分のことを勇気づけることができるように勇気づけることです。
別な表現を用いると、相手の内発的動機づけを促すものです。
ほめることは、相手の承認欲求を満たすことで、相手はいつまでも外発的動機づけに頼り続けることになります。
それに対して、勇気づけることは、相手を自立的にする効果があります。
ただし、「ほめる」と「勇気づける」には、重なる部分があることにご注目ください。
どんなことが重なるかというと、いわゆる「ヨイ出し」に関することは重なることが多いです。
もう1つ重要なことは、乳幼児に対して「すごいね」「えらいね」と言うような場合、尊敬・信頼をもとに感動を込めて言うとしたら勇気づけになることが多いですが、その行動をもっともっとさせたい下心があるとしたら、それは間違いなく「ほめる」ことになるでしょう。
私に「どういう言葉を言えば勇気づけになるでしょうか?」と尋ねる人がいます。
私は答えます。
「あなたに下心があって勇気づけるような言葉を言おうとするならば、それは勇気づけになりません」
なお、「ほめる」と「勇気づける」の違いについて詳しくは、拙著『勇気づけの心理学 増補・改訂版』(金子書房、1,800円+税)をお読みください。
◆今までの1~9回目は以下をご参照ください。
3月18日 アドラー心理学ブームについて(1)
3月19日 アドラー心理学ブームについて(2)
3月25日 アドラー心理学ブームについて(3)
3月29日 アドラー心理学ブームについて(4)
3月30日 アドラー心理学ブームについて(5)
3月31日 アドラー心理学ブームについて(6)
4月3日 アドラー心理学ブームについて(7)
4月5日 アドラー心理学ブームについて(8)
4月7日 アドラー心理学ブームについて(9)
◆シニア・アドラー・カウンセラーで臨床心理士の深沢孝之さんが4月3日付けの山梨臨床心理と武術の研究所ブログで「アドラー心理学とトラウマ」と題して実に明快に書いておられます。
こちら をお読みください。
<お目休めコーナー> 4月の花(4)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2b/f4/fffcc0bd2fc777e422f233879f0311c7.jpg)
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