おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行うヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。
最近読んだ本の紹介です。
『部下をうつにしない上司の教科書』(奥田弘美著、東京堂出版、1,600円+税)
ヒューマン・ギルドのプレミアム会員で アドラー心理学ベーシック・コース も受講されている奥田弘美さん(精神科医・産業医)の著書です。
私は、企業や自治体の研修講師としてもっとも登壇頻度が多いものの1つがメンタルヘルスです。
職業柄数多くのメンタルヘルス関連の本を読んでいますが、この本は平易さにおいて№1であり、内容も勘所をピシッと押さえてくれています。
第1章「うつ病は、誰でもかかる!」から次のメッセージで読者の心を捕らえます。
1.数年前までの14年間、年間3万人以上が自殺者を出し、15人に一人が一生のうちにうつ病を体験するというメンタルダウン大国ニッポンでは、メンタルヘルス改善が国を挙げての急務となっている状況で、職場でうつ病を一人出すだけで2千万円の大損出になること
2.うつ病発生の要因は、高度デジタル化による脳ストレス過多のためであり、「on」の時間が長くなり、心身に緊張が続く「過緊張状態」に陥りやすいことであること
3.脳の疲れタイプのうつ病と、いわゆる新型うつ病を混同してはならない。後者はの根本は、人格の未熟性にあり、成人として身につけていなければならないストレス耐性や、自分のネガティブ感情をコントロールしたり、苦手な人と折り合いをつけて付き合うといったスキルが未熟なために、通常の大人なら対処できる程度のストレスでも自分で処理することや立ち向かうことができないこと
それに続いて、
第2章 ストレスについて、基本をおさえる
第3章 上司も部下もうつにならないセルフケアのコツ
第4章 上司なら知っておきたい うつ対応の基本スキル
付録 上司が知っておくべき うつ以外の心の病気
と展開し、上司だけでなくカウンセラーを目指す人も含め、「うつ」とご縁のあるすべての方のかゆいところにも手が届く本です。
章の終わりに各章のポイントが簡潔に網羅されていることもこの本の価値を高めています。
強くお勧めの本です。
◆奥田さんのことは 2014年12月4日のブログ でご一緒した、楽しかった忘年会のことを書いています。
ご覧ください。
◆ヒューマン・ギルドの企業・自治体向け研修については こちら をご覧ください。
<お目休めコーナー> 4月の花(28)
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