おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。
「『名人伝』(中島敦)を素材とするカウンセリングのメタファー」シリーズの第8回目です。
『名人伝』(中島敦)のストーリーをカウンセリングのメタファーから
第1期 執着期
第2期 格闘期
第3期 忘却期
の3段階に分け、今回は、私自身のカウンセラーとしての体験から第2期の「格闘期」から第3期の「忘却期」に至るプロセスについて書きます。
◆今までの部分に関心のある方は
1回目 3月3日
2回目 3月7日
3回目 3月8日
4回目 3月10日
5回目 3月11日
6回目 3月13日
7回目 3月15日
のブログをご参照ください。
私は離婚経験者です。
離婚と共に妻子と別れ、その後にアドラー心理学と出合い、カウンセラー、カウンセリング指導者になりました。
その私がカウンセラーになりたての頃は、不登校、非行、家庭内暴力の子どもとその母親のカウンセリングが主力で、子どものことについては同居人がいたこともあり良き理解者であり得ました。
しかし、母親が対象ととなると、カウンセリングのテーマが親子関係であると冷静でいられたのですが、夫婦関係に及ぶと、何かしら胸のあたりのゾワゾワした感じを覚え、夫側に肩入れしそうな私がいました。
おそらく第3期の「忘却期」に入りきれていない自分がいたのでしょう。
ただ自己弁護すると、ゾワゾワした感じを覚えても自分を抑制できる範囲にいるならば安全です。
セルフ・モニターしながら(自分で自分を見届けながら)「あ、来ているな」という警告として受け止め、クライアントとの間の目標と協力関係に立ち戻ることができます。
しかし、セルフ・モニタリング・システムが働かなくなると、漂流や暴走が始まります。
6回目(3月13日)に書いたように、カウンセラーとしての守備範囲を超えて自分の体験談を話したり、早過ぎる助言に入ったりして、自分の体験とシンクロしてしまい、カウンセリングが有効に機能しなくなるのです。
今日はこの辺にして、次回はどのようにしてセルフ・モニタリング・システムが働かせられるようになるかを中心にお伝えします。
<お目休めコーナー>3月の花(16)
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