おはようございます。
アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。
1日お休みしての更新です。
一昨日は、同じ来年の2月に出版予定の毎日新聞出版、致知出版社に対して急かされていた原稿を送ることができました。
ひと安心しています。
さて、11月28日(水)のことです。
私は19:00~20:30に東京理科大学のオープンカレッジで寺島実郎氏(多摩大学学長、日本総合研究所会長)を講師とする
100歳人生を生き抜くための「知の再武装」
の講座を受けていました。

私と同じ1947年生まれの寺島氏は知の巨人です。
豊富な資料を駆使して「ジェロントロジ―」について語ったのです。
ものすごい説得力です。
その時、資料と共に配布されたのが『ジェロントロジ―宣言 ー 「知の再武装」で100歳人生を生き抜く』(寺島実郎著、780円+税、NHK出版新書)
カミさんが先に読んで、続いて私が読みました。
ところで、「ジェロントロジ―」とは何でしょうか?
この本によれば、こんなふうに書いてあります(序とP.121)。
「老年学」よりも「高齢化社会工学」と訳されるべきで、「高齢化社会のさまざまな課題を解決することを目的とする学際的な学問」としての「ジェロントロジ―とは、定年退職後30~40年生きなければならない100歳人生の時代にあって、高齢者を社会参画させ活用するプラットフォームの創造を探求する社会工学であり、そのための社会意識を醸成する『知の再武装』システム構築の試みでもある」
著者のスタンスは、「100歳人生」と語る際に、これまでの社会制度・システムが高齢者を「余生」「第二の人生」いう視点でしか捉えることしかせず、社会参画のプラットフォームを構想しないまま今日に至っていることに対して、「高齢化によって劣化する人間」という見方を共有しません。
老化による身体能力の衰えを直視する必要を認めつつも、人間の知能の潜在能力が高く、心の底を見つめ、全体知に立ってこそ、美しい世界のあり方を見抜く力があることを勇気づけ、「知の再武装」を志向します。
実は、書き出したら10回のブログでも足りないくらいなのですが、「下山」と表現されたり、「喪失」面ばかり強調するエイジング論とは違って、可能性を探るエイジング論を展開しているのがこの本の特徴です。
第1章「異次元の高齢化社会」、第2章「最大の課題・都市郊外型の高齢化 ー 戦後日本の帰結として」で問題点をえぐり出し、第3章の「知の再武装 ー なぜ必要か、そして何をどう学び直すか」、第4章「ジェロントロジ―への新たな視点― からだ・こころ・おかね」、第5章「高齢者の社会参画への構想力 ― 食と農、高度観光人材、NPO・NGO」で希望を与える展開の本です。
人口の28%以上 ー つまり4人に1人以上 ― が65歳以上になっている現実を直視し、「100歳人生」や「エイジング」について関心をお持ちの方に強くお勧めします。
もう1回読み直したい本です。
気が向いたら、第3章、第4章、第5章の重要ポイントについて私なりの見解を加えた文章を書くかもしれません。
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