付け焼き刃の覚え書き

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「白夢(スノーミスト)2」 瀬尾つかさ

2010-03-23 | 日常の不思議・エブリデイ・マジック
「不器用ということは、複雑に考えすぎているということです。思考でも実践でも、紙の計算でも、プログラムでも同じです。肝心なのは、余計なことをしないこと。一度にひとつずつ、取り組むことです」
 12歳の自他共に認めるマッドサイエンティスト・佐浦かすみの言葉。

 新たにやって来た少女は、12歳にして大学で学ぶべきことはすべて学んだと言い切るかすみだった。その専門は深森たち霧使いたちが使う武器・金剛杵の開発。
 これで<はぐれ>と呼ばれる霧の中から出現する怪物との戦いもらくになるかと思いきや、さらなる敵。知性ある存在。霧使いたちが守るべきシラクモヒメの敵。霧状の共生体『コー威醒種』が出現し、シラクモヒメを追い詰める……。

 新キャラ・かすみ大活躍!……と見せかけて、実は神楽の戦いの巻でした。
 瀬尾つかさは、マクロなストーリーをミクロな世界に落とし込むのが上手いのです。世界そのものを揺るがす大きな事件を、ごく限定的な少数の人々によって動かしていくわけですが、単なるセカイ系にならないのは、状況が主人公やヒロイン1人が頑張ったくらいではどうにもならないところまで来ているからです。そういう意味で、正統派ジュブナイルSFの流れに位置していると思います。作品の面白さには関係ない話ですが。
 しかし、「お兄ちゃん」と呼ぶからといって「妹属性」じゃないってのも有りなんですね。いやあ、ゾクゾクしました。

【白夢】【スノーミスト】【白雲学園の姫巫女】【瀬尾つかさ】【るろお】【お風呂でドッキリ】【お兄ちゃん】
コメント
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