付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「幽霊に微笑みを、生者には花束を」 飛田甲

2010-03-17 | 学園小説(不思議や超科学あり)
「見たからと言って正しいとは限りませんよ。人間の認識力なんてけっこう、いいかげんなもんですからね」

 現代科学を盲信するつもりはないけれど根拠もないのに無視はしたくないという真田真也は、オカルト現象を追いかける峰岸高校の民俗研究会とはいつも対立している。そんな彼が民俗研につきあって廃屋の幽霊探しに参加するはめになったのは、「心霊現象の検証には第三者の視点が必要だ」という自分自身の言葉で墓穴を掘ったようなものだ。
 ところが、そこで彼は本当に少女の幽霊を目撃してしまう。
 彼以外の目には見えず、自分の幻覚だと考えようとする真也だが、なぜか妹の真弓の目にも見えてしまい……。

 確かに帯にある通り「少年と幽霊の織りなす、ハートせつない青春ラブ・ミステリー」なんだけれど、なによりもユウちゃんと名づけられた幽霊の少女を相手に、あくまで論理的に正体を追求していく姿が科学的です。すばらしい。
 クライマックスの二転三転する状況はハラハラドキドキものだけれど、できればここで民俗研の部員たちにも一役与えて欲しかったなあと思いました。

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コメント
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