付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「ちょんまげぷりん」 荒木源

2010-03-02 | 日常の不思議・エブリデイ・マジック
「お話みたいなことが起こったんだから、このあともお話みたいにうまくいくわよ」

 直参旗本の木島安兵衛は、ある夜、不思議な光に足を踏み入れたかと思うと、いつの間にか奇妙な街に放り出されていた。空高く伸びる巨大な建築物、街を歩く奇妙な風体の町人たち。
 そこで出会ったひろ子と友也の母子に、今は安兵衛の生きていた時代から180年後の世界だと告げられるのだが……。

 店頭で面陳されていた本には映画化の帯がかかっていましたが、「それでは、このプリンが隠れてしまうではないか!」と妻が怒ってました。いやはやまったく。でも、この安兵衛は、作品内の描写からしてイイ男すぎですが。
 現代に放り出された侍が、母子家庭に居候しているうちに、自分自身の生きる意味を見つける一方、周囲の人々にも家族の絆を再発見させるプロセスの物語。『スミス都へ行く』のように、時代錯誤の人間がその実直さで周囲を変えていく物語の典型ではあるけれど、そこで彼自身も変わっていくという点も重要。「ござる」口調の天才パティシエの活躍は読後感さわやかではあるけれど、ラブストーリーに流れなかったというのはやや意外。

【ちょんまげぷりん】【ふしぎの国の安兵衛】【荒木源】【上條淳士】【タイムスリップ】【神隠し】【シングルマザー】【ポケモンカード】【TVチャンピオン】【SE】
コメント
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