神様のミスで死んでしまった製薬会社社員、宮崎剣人は誰もがうらやむ好条件を神様に認めさせて異世界に転生した。「頭脳明晰・運動神経抜群・イケメン・長寿・良い家柄」という約束通り、ハーフエルフの赤ん坊レウスとして転生した剣人だったが、いきなり事故で実の両親とはぐれ、死にかけていたところをブラッディデビルという魔族に助けられる。しかし、そのブラッディデビルも村を襲撃されて皆殺しになり、生き残ったのは彼とペットのスライムだけで……と、いきなりハードモードの人生となるのだが……。
軽快なテンポでさくさく進む転生ファンタジーの快作にして怪作。
最初はテンポ良く進んでいたのに、作者が筆慣れして人気が出るに従って主人公の体験するすべての戦闘を参加者の一挙一動まで丹念に描写することで長い戦闘シーンが連続したり、脇役のささいな行動や打ち合わせなどの事務的な会話の１つ１つまで言及されるようになったりして、結果的にストーリー展開が遅くなりテンポが悪くなる作品も多いのですが、この転生孤児は終始チャプタースキップのようにストーリーが進行します。
『それから半年が経った。
色々あった。』
ダンジョン探索もストーリー進行に大きな影響がないと思えばあっさりスキップ。半年の間にいくつかダンジョンクリアしたよと軽く流しちゃいます。
短めの文章で段落の区切りが多い文体も、簡略化されてデフォルメの効いたイラストも、ジュブナイル向けですよね。サイズさえ同じなら講談社青い鳥文庫とか角川つばさ文庫に混じっていてもおかしくないけれど、いきなりソープとか出てくる話は小中学生には読ませられんよね。
この最終決戦すらさくさく進むテンポの良さが味なので、変な書き足しはしないで最後まで続いて欲しいです。
【転生したら孤児になった！ 魔物に育てられた魔物使い（剣士）（１）】【壱弐参】【濱元隆輔】【アーススターノベル】【勇者ランキング】【ユグドラシル】
