付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「二度目の人生を異世界で2」 まいん

2015-05-22 | 異世界転生
 なし崩しにパーティを組むことになった蓮弥・シオン・ローナ。
 3人は落ち着く間もなく、シオンが勝手に引き受けてきた『ダンジョン攻略』のクエストに挑むため、他の3パーティと共に、最近発見されたばかりの若いダンジョンに向かうのだが……。

 異世界転生でチートな力を手に入れて、複数の美少女をパーティに迎え入れて冒険の数々(もちろん食事にはこだわって)……と典型的な王道ファンタジー路線ですが、その分、作者による技量の差が明確になる中で安定のシリーズです。
 あいかわらずシオンのダメダメっぷりばかりが目立ちます。元気なことは良いことなんですけど、総合的なヒロイン力は弱いですね。だから、彼女以上に有能で、献身的で、はた迷惑なメイド妖精フラウが3巻から登場すると影が薄くなっちゃうわけですが、そういう意味で今回もインパクトでは冷血でマッドサイエンティストな魔族エミル=ラージャの一人勝ちです。

「君は何を言ってるのかねぇ? 自分自身を研究材料にするなんて当たり前じゃないか?」

 お伽噺の時代では、魔法とはチチンプイプイとかビビデバビデブーとか魔法の呪文で不思議な力がわき出るものでしかありませんでしたが、いつの間にかロジカル・ファンタジー的なものが増えてきました。
 1940年のディ・キャンプ&プラットの「ハロルド・シェイ」シリーズで論理式の記述によって現代人でも魔法が行使できるようになり、1976年のラリイ・ニーヴンの「魔法の国が消えていく」で魔法とはマナと呼ばれる自然エネルギーの消費行為であるとされたわけですが、この作品ではついにマクロを組んで魔法が使えるようになりました。並列処理って……。
 不思議な力、神や精霊の力、世界の天秤、未知の自然エネルギーとあれこれ、理屈づけがされていく変遷がどこかでまとめられている気がします。

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コメント
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