付け焼き刃の覚え書き

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「ザ・ホワイトハウス シーズン7」 NBC

2012-07-14 | その他フィクション
 夫婦で楽しみに観ていた『ザ・ホワイトハウス』も、このシーズン7で完結。
 製作総指揮だったアーロン・ソーキンがシーズン4で降板してからは今ひとつという評価はあるし、日本ではシーズン5から放映がNHKからスカパー系の海外ドラマ専門チャンネルへ変更。それに伴って、吹き替えの俳優もかなり入れ替わりました。これが気になって、DVDではそろえてみたものの、シーズン5以降はほとんど見直すことはありません。
 今まで馴染んだ声とも違うし、もともとの俳優の声ともかけ離れているし、ならばオリジナル以上に本物っぽいかというと役柄とも合っていない。今まさに大統領選を戦おうという候補者2人の討論会で、それは如実に表れます。いかにもベテランといった司会者も含めて、声がどうしてこうも頼りないやわやわなのか?
 まあ、字幕で観るから良いのですけどね(本来は吹き替え派ですが)。

 ストーリー的には、本格化する大統領選から新大統領の就任式まで。
 シーズン4までで馴染んでいた登場人物の多くが異動やら失脚やら心臓発作で姿を消していき、残った者も退陣が決まっている現大統領のスタッフですから、後片付けと引き継ぎ準備に再就職の面接と寂しい限りです。最大の山場である「討論会」の回は、見知った顔が対立陣営の選挙参謀だけという「これ、なんの番組?」状態。
 それでも面白いのが悔しいなあ。
 「討論会」は本放送では異例の生放送に挑んだ回。現実の大統領選と同じく、2人の候補者が社会政策に関して1時間生討論をするだけで1本作ってしまったのだけれど、これで持たせてしまうんですよね。日本の党首討論とか朝生みたいに作文読むだけとか人の話を聞かずに怒鳴り合うのではなく、巧妙な駆け引きをとことん見せてくれます。
 表情、微妙な言葉の間、相手の言葉を自分の土俵に引き込んでしまう力業。日本の党首討論なんて討論じゃないですよ……と言い切ってしまいたくなるディベートの真骨頂。冒頭の、決められているルールを踏みにじるあたりからして、先が見えなくてドキドキしてきます。
 白眉なのは、ヴィニック上院議員。こういう、回りから取り残されて孤立しても決して諦めない、静かでしたたかな闘士というキャラクターは大好きです。「二課の一番長い日」の甲斐とか。
 最後の最後に特別出演でこっそり戻ってきたロブ・ロウには苦笑いだけれど、これも大河ドラマゆえのお楽しみです。(2012/07/14)

 新たなスタッフが試行錯誤しながらも集結していくクライマックスに盛り上がってしまい、勢い余って第2シーズンの冒頭2話を再視聴。これも新たなスタッフが試行錯誤しながらも集結していく物語なのだけれど、こちらは高い能力はありながら理想を捨てきれず、現実に妥協できなくて正論を唱え続けたがゆえに、居場所がなく成功もかなわなかった人々が、レオ・マクギャリーを中心に吹き寄せられるように集まってくるエピソード。正直者だって勝てるところをみせてやろう!という話。挫折と再起を語っている分だけ、第2シーズンの方が好き。そしてそれゆえに議会工作や党内調整の結果、通したい法案も通らなくなる、その後の話にヤキモキさせられたわけです。銃規制とか。(2012/07/20)

【ザ・ホワイトハウス】【大統領選】【討論会】【海外派兵】【原発事故】【就任式】【特赦】【軍用シャトル】

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