街道を歩く

今まで歩いた街道、町並み、これから歩く街道、町並みを散文的に紹介

佐里温泉のこと

2006-03-15 00:26:03 | 街道関連
西相知駅は鉄道レイアウトにしたいような駅である。駅前にはと言ってもホームしかないが、ちょっと傾いた電話ボックスぽつんとたっている。その並びには桜の木が五、六本。二三人の人が汽車をまっている。そこに黄色のディーゼルカーが一両で入ってきた。これは絵になる。写真になる。と、思ったのは一瞬のことである。運転手の御仁も褒めたのであるが、「後で寄って見ましょう」で通り過ぎてしまった。その一角だけ切り取ることができるものならと思うほどの風景である。ローカル線ならではのいい風景である。その前を風のように通り抜け、愈々伊万里に入る手前に佐里温泉はある。温泉と言うからには温泉街を思い浮かべていたのではあるが、その思いは裏切られることになる。ぽつんと一軒だけ。しかも、ただ道路沿いにあるのである。本当は気づかずに通り過ぎたのである。何処まで行ってもないので引き返して見つけたのである。この温泉の売り物は、ご存知のようにガラス張りで、且、ピラミッド型の湯宿である。ここは女性専用、泊り客ならば男性でもいいとのこと。ガラス張りといって中は見えない。当たり前のことか。大きいものを想定していたが、さほどではなく、こじんまりとしている。湯はいい。よくぞ日本に生まれけりは、どこの温泉に行っても同じであろう。湯客のコスモスの写真を見せてはいるが感心はしない。小一時間もいただろう、駅に行かねばならない。しかし逆光である。ローカル線ゆえ汽車は来ない。人も来ない。それに雪がちらついている。湯冷めをする。季節のいいときに来ねばいかん。そう思いつつも何枚かの写真を撮ったが面白くなく、やはり絵にならない。(写真:西相知駅)[まだまだ続く]
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