諸星大二郎 1978年 集英社 ジャンプ・スーパー・コミックス
きのうのつづき。星野之宣のデビューは1975年、同じ年に少年ジャンプで「手塚賞」を受賞したんだけど、その前年に諸星大二郎が『生物都市』で受賞している。以来、両者は、なんかっつーと比較されたり、並べられたりすることがあるみたい。(私は両方とも好きだ。)
で、こないだから採り上げてる“コミック最終戦争年表”に、『巨人たちの伝説』同様、『生物都市』が並んでるもんだから。
この単行本は、妖怪ハンターシリーズの5話「黒い探究者」「赤いくちびる」「生命の木」「闇の中の仮面の顔」「死人帰り」と、「生物都市」が収録されている。
妖怪ハンターシリーズは、いまもなお活躍している諸星作品の名キャラクター稗田礼二郎シリーズの最初の作品群。私は小学校1年だったと思うけど、リアルタイムで少年ジャンプを読んでました。最初っから、奇抜なストーリーと、独自の絵柄で惹きつけられちゃいました(でも「赤いくちびる」の回は、怖くて当時は二度とページ開いて読めなかった記憶がある)。以降、ジャンプでは「暗黒神話」「孔子暗黒伝」と続いて、私はすっかり諸星大二郎ファンになってしまうんですが。
でも、悲しいことに、人気がでなかったか、ネタに困ったかはわからないけど、この連載はわずか5回で終了。作者自身も、「最初の連載は見事にこけました」なんて言ってます。これは、もしかしたらトラウマになってるのか、自分には少年誌の週刊連載は無理、っていうふうに言ってることもあるんで、この失敗は痛かったみたいです。
ちなみに「死人帰り」は作者自身があまり出来栄えが気に入ってないらしく、版を変えて妖怪ハンターシリーズが出たときに、はずしたみたいです。
ちなみに、私が持ってる単行本は、1985年の11刷、このころ本屋にでかけてっては自由に本を買うことをはじめてたので、こどものころ読んでおぼえてた諸星大二郎のマンガをみつけては、「あー!あった!あのとき読んだあの話」みたいに喜んで買い集めたころだったと思います。マンガ読んで感動した原点をもう一度確認できるのは大きな喜びでした。
で、「生物都市」。こちらも大筋といくつかの絵の印象は記憶に残ってて、改めて読んだら、やっぱり最初に見たときと同様に、ぶっ飛びました。
トビラふくめて31ページの完結した短編ですが、そのアイデア、独自の絵、傑作です。少年誌の応募作としては完成度高過ぎと審査員たちが言った(疑った)というエピソードはよく語られているようです。
ちなみに、ハルマゲドンとか戦争の話ぢゃないんだけど、宇宙船が木星の衛星イオから帰還したところ、生物と機械が一体となった新たな生命体というものが地球に拡がってしまうという、ひとつの終末を描いてはいます。
何度読んでもすばらしい。私がもっとも好きなマンガのひとつです。
きのうのつづき。星野之宣のデビューは1975年、同じ年に少年ジャンプで「手塚賞」を受賞したんだけど、その前年に諸星大二郎が『生物都市』で受賞している。以来、両者は、なんかっつーと比較されたり、並べられたりすることがあるみたい。(私は両方とも好きだ。)
で、こないだから採り上げてる“コミック最終戦争年表”に、『巨人たちの伝説』同様、『生物都市』が並んでるもんだから。
この単行本は、妖怪ハンターシリーズの5話「黒い探究者」「赤いくちびる」「生命の木」「闇の中の仮面の顔」「死人帰り」と、「生物都市」が収録されている。
妖怪ハンターシリーズは、いまもなお活躍している諸星作品の名キャラクター稗田礼二郎シリーズの最初の作品群。私は小学校1年だったと思うけど、リアルタイムで少年ジャンプを読んでました。最初っから、奇抜なストーリーと、独自の絵柄で惹きつけられちゃいました(でも「赤いくちびる」の回は、怖くて当時は二度とページ開いて読めなかった記憶がある)。以降、ジャンプでは「暗黒神話」「孔子暗黒伝」と続いて、私はすっかり諸星大二郎ファンになってしまうんですが。
でも、悲しいことに、人気がでなかったか、ネタに困ったかはわからないけど、この連載はわずか5回で終了。作者自身も、「最初の連載は見事にこけました」なんて言ってます。これは、もしかしたらトラウマになってるのか、自分には少年誌の週刊連載は無理、っていうふうに言ってることもあるんで、この失敗は痛かったみたいです。
ちなみに「死人帰り」は作者自身があまり出来栄えが気に入ってないらしく、版を変えて妖怪ハンターシリーズが出たときに、はずしたみたいです。
ちなみに、私が持ってる単行本は、1985年の11刷、このころ本屋にでかけてっては自由に本を買うことをはじめてたので、こどものころ読んでおぼえてた諸星大二郎のマンガをみつけては、「あー!あった!あのとき読んだあの話」みたいに喜んで買い集めたころだったと思います。マンガ読んで感動した原点をもう一度確認できるのは大きな喜びでした。
で、「生物都市」。こちらも大筋といくつかの絵の印象は記憶に残ってて、改めて読んだら、やっぱり最初に見たときと同様に、ぶっ飛びました。
トビラふくめて31ページの完結した短編ですが、そのアイデア、独自の絵、傑作です。少年誌の応募作としては完成度高過ぎと審査員たちが言った(疑った)というエピソードはよく語られているようです。
ちなみに、ハルマゲドンとか戦争の話ぢゃないんだけど、宇宙船が木星の衛星イオから帰還したところ、生物と機械が一体となった新たな生命体というものが地球に拡がってしまうという、ひとつの終末を描いてはいます。
何度読んでもすばらしい。私がもっとも好きなマンガのひとつです。