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好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

談志 最後の落語論

2011-07-29 20:36:01 | 読んだ本
立川談志 2009年 梧桐書院
こないだ立川志らくの落語論を読んだんだが、そうなると、そこにもいくつか引用されてたこともあるし、談志家元の落語論を読まないわけにはいかなくなって、あわてて読んだ。
“いい芸”とはどんな芸を言うのか。ざっくばらんに言うことはできる。それは「江戸っ子の了見に合うもの」であり、つまり「桂文楽」となる。
落語とは何だってことについては、こう言い切る。
寄席という、独特の空間で、昔からある作品を江戸っ子の了見で演る。己のギャグ、自我、反社会的なこと、それらを江戸の風の中で演じる。
「江戸の風」、かっこいいですねぇ。ただ、昔の名人を知らない私には、ピンと来ないのもたしかですが。
「落語とは、人間の業の肯定である」ってのは、よく知られた家元の言葉ですが、この本では「自我」についても一章を割いて書かれてます。
落語ほど自我を肯定しているものはないよォー。で、落語によって自我を揺さぶられた奴が、落語通となる。
いろんな落語のなかに、自我の集大成であるかのようなフレーズがあって、そんなワンフレーズを確認するのが落語通の楽しみであって、でも、それはわかるひとにしか、わかんないんである。
コメント
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