many books 参考文献

好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

包丁人味平

2012-07-09 19:00:03 | マンガ
作・牛次郎 画・ビッグ錠 1995年 集英社文庫版・全12巻
こないだ「マンガ食堂」を読んだあと、どーしても、「包丁人味平」が読みたくて読みたくて、そろいの文庫の古本を買ってしまった。
(街を自分の足で探し歩かなくても、荷物で届いちゃうんだから、イイ時代だ。すこし味気ないけど。)
ストーリーは言うまでもないやね。日本料理の板前の塩見松造の息子・塩見味平は、親の期待に背いて高校に行かず(←この年齢の設定は改めて今読むと、ちょっと驚く)、コックの修行の道を選ぶ。
その先、少年マンガの常として、いろんな勝負をしていくんだけど。
最初が、キッチン・ブルドッグの代理チーフにきた仲代と、上野不忍池の包丁塚で、包丁試し。
つぎが、包丁貴族・団英彦と、熱田神宮で、点心礼勝負。
(個人的には、ここの日本古来の味くらべ「闘六味」で、団のヒレソテーベーコン巻きに対抗して味平ライスで戦うとこが、いちばん好きだ。)
そのつぎが、焼津の沖合にあるという荒磯の板場で、無法板の練二と、荒磯焼き勝負。
そのあとは、東京郊外のひばりヶ丘駅のデパート集客戦争に巻き込まれる、長編のカレー戦争。
そのあとは、札幌でおこなわれる第1回ラーメンまつりに飛び入り参加する、ラーメン編。
何も少年コックが包丁片手に勝負ばっかしなくてもいいんだろうが、そこは少年ジャンプである。
でも、ジャンプ特有の戦いのインフレーション的展開には、あまりなってかないで、ギャラクティカマグナムの炸裂するようなとこは、少ない。
(豚肉を瞬時に解体する“白糸ばらし”とか、架空の島である「荒磯の板場」が出てきたあたりが、いちばん危うかったんだが、その後のカレー編とラーメン編では、普通に戻ってくれた。)
なんせ、味平が料理の道を志した最初のとこから、一貫して、大衆のための料理、誰もがおいしいと言ってくれるものをつくることを目標にしてる、ってとこがブレないで最後まで行くんで、そこがいいんである。
そのへん、私の敬愛する江口寿史も、
>料理漫画は数あれどやはり、昔の「包丁人味平」にとどめ刺すなァ俺は。エラソーぶってなかったしィ
と言ってたりする。(『NANTOKA NARUDE SHO!』の巻末「登場人名及び固有名詞の索引と解説。」)
コメント
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