森博嗣 1999年 講談社文庫版
英語副題は「MATHEMATICAL GOODBYE」
きのうのつづき。
人生論というか、生き方のヒントみたいなものについて綴られた新書がおもしろかったんで、やっぱ小説も読んでみようと思ったわけで。
『すべてがFになる』はめちゃくちゃ面白かったんだけど、『冷たい密室と博士たち』はそれほどでもないんで、その後ほうっておいたんだけど、今回シリーズ(?)第3弾の本書を読んでみた。
これは、けっこうおもしろかった。先へ先へと進みたくてサクサク読んだ。
やっぱ私は、登場人物のなかで異質なキャラがいると惹かれるらしく、今回は、天才数学者であって、何年も人と接触することなく生きている、天王寺翔蔵博士なるキャラに魅せられたのが、おもしろいと思った原因だと思う。
殺人事件に伴う事情聴取で、誰が殺したと思うかと問われて、「不定だ」「物理的に可能な人物の集合だ」と答える、このあたりが、すごく面白い。
数学が結晶化して人の形をとってるようなキャラで、ふつうに話をしようとすると「それの定義は何か」みたいなレスポンスが返ってきちゃう。
で、この博士が、「私が望む意志は、もっと強く自由なもの。それは、自分自身の中の無限。」とか「自由以外に、思考の目的はない。」とか「自由の概念が定義できない者に自由は存在しない。」だなんて語るとこがあんだけど、私は前回とりあげた著者の新書を読んだ直後だったので(元々の出版はこちらのほうが時間的にはずっと前だけど)、おお!著者流の哲学だ、と思った。
英語副題は「MATHEMATICAL GOODBYE」
きのうのつづき。
人生論というか、生き方のヒントみたいなものについて綴られた新書がおもしろかったんで、やっぱ小説も読んでみようと思ったわけで。
『すべてがFになる』はめちゃくちゃ面白かったんだけど、『冷たい密室と博士たち』はそれほどでもないんで、その後ほうっておいたんだけど、今回シリーズ(?)第3弾の本書を読んでみた。
これは、けっこうおもしろかった。先へ先へと進みたくてサクサク読んだ。
やっぱ私は、登場人物のなかで異質なキャラがいると惹かれるらしく、今回は、天才数学者であって、何年も人と接触することなく生きている、天王寺翔蔵博士なるキャラに魅せられたのが、おもしろいと思った原因だと思う。
殺人事件に伴う事情聴取で、誰が殺したと思うかと問われて、「不定だ」「物理的に可能な人物の集合だ」と答える、このあたりが、すごく面白い。
数学が結晶化して人の形をとってるようなキャラで、ふつうに話をしようとすると「それの定義は何か」みたいなレスポンスが返ってきちゃう。
で、この博士が、「私が望む意志は、もっと強く自由なもの。それは、自分自身の中の無限。」とか「自由以外に、思考の目的はない。」とか「自由の概念が定義できない者に自由は存在しない。」だなんて語るとこがあんだけど、私は前回とりあげた著者の新書を読んだ直後だったので(元々の出版はこちらのほうが時間的にはずっと前だけど)、おお!著者流の哲学だ、と思った。