安部公房 昭和57年 新潮文庫版
またも安部公房。
これは昭和48年作品らしいけど、文庫の初版をもっている。
なんか、初めて読んだときの印象が、とても強く残ってる。私にとっては、らしいっていえば、安部公房らしいと思える小説。
主人公は、頭からダンボールをすっぽりとかぶってる、だから「箱男」
いまで言ったらホームレス、当時のボキャブラリーだったら浮浪者。
でも、箱をかぶってるってことが、自分の顔を隠すことだけだって理由ならまだしも、顔のへんに覗き窓を切り抜いて開けて、そこに艶消しビニール幕を取り付けて、真ん中に縦にスリット入れたうえで、箱を前傾させて、自身の顔は見せないけど、そこから相手を覗くように見る、ってなると、ちょっと尋常ではない雰囲気。
箱男のかぶったダンボールの内側に書かれたメモって体裁の小説なんだけど、途中で箱のなかに入ってる人物が入れ替わるかのような展開になって、語ってるのは誰か、見ているのは誰か・見られているの誰かとか、そのへんがアタマんなかをグルングルンさせられる。
またも安部公房。
これは昭和48年作品らしいけど、文庫の初版をもっている。
なんか、初めて読んだときの印象が、とても強く残ってる。私にとっては、らしいっていえば、安部公房らしいと思える小説。
主人公は、頭からダンボールをすっぽりとかぶってる、だから「箱男」
いまで言ったらホームレス、当時のボキャブラリーだったら浮浪者。
でも、箱をかぶってるってことが、自分の顔を隠すことだけだって理由ならまだしも、顔のへんに覗き窓を切り抜いて開けて、そこに艶消しビニール幕を取り付けて、真ん中に縦にスリット入れたうえで、箱を前傾させて、自身の顔は見せないけど、そこから相手を覗くように見る、ってなると、ちょっと尋常ではない雰囲気。
箱男のかぶったダンボールの内側に書かれたメモって体裁の小説なんだけど、途中で箱のなかに入ってる人物が入れ替わるかのような展開になって、語ってるのは誰か、見ているのは誰か・見られているの誰かとか、そのへんがアタマんなかをグルングルンさせられる。