many books 参考文献

好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

源氏と日本国王

2011-07-16 18:19:21 | 読んだ本
岡野友彦 2003年 講談社現代新書
きのうまでとは何の関係もなく、最近読んだ本の話。
そもそもこれは、『落語の国からのぞいてみれば』で、堀井憲一郎が参考文献として挙げているところから、読んでみようと思った。
そのホリイ氏の著書には「名前は個人のものではない」という章があって、名前に関する本をいろいろ読んだようで、私もそこに挙げられてた『読みにくい名前はなぜ増えたか』を読んだりしたんだけど、
この分野で圧倒的に面白かった一冊は岡野友彦のこれ。すごく面白かった。これと同じ講談社現代新書に入れるだけで光栄だ。
とまで言われては、こちらも読まないわけにはいかない。
ところが、そう思ったときには、どうやらこの本、絶版らしいってことがわかった。
ネット上で中古を探せばあるんだろうが、それぢゃおもしろくないので、これについては、自分の足で探すことにした。
べつに急ぐ必要もないし、運だけが頼りで、古本屋を見かけるたびに新書の並んだとこでタイトルをジーッと見て探す日々が続いた。
なかなか見つかんなかったんだけど、先日とうとうあるところで見つけることができた。意外と近いとこだったんで、とっくに来りゃあよかったのにとは思ったけど、まあ、探し物って、そういうもんである。
んで、私の古本屋めぐりはいいとして、本書のなかみなんだけど、冒頭の“はしがき”の最初に「征夷大将軍という地位は、日本の国家主権を示すものではなかった」ってことが、いきなり強調したいテーマとして書いてある。
“足利家は源氏だから将軍になれたけど、織田信長は違うからなれなかった”とか、“徳川家康は将軍になりたいから源氏になった”とかってのは、ちょっと違うよって話。
ただの将軍ぢゃなくて「日本国王」ってのになるためには、「源氏長者」というポジションになんなきゃいけない。家康は将軍職を秀忠に譲ったあとも、源氏長者の地位にありつづけたんで、実質上の「日本国王」は家康だったということらしい。
まあ、いろいろややこしいんだけど、「武家が日本の政権を獲ったんだったら、なんで天皇を滅ぼしちゃわなかったんだろう?」ってのは、日本史の重要なテーマだよね。
中沢新一の『僕の叔父さん 網野善彦』にも、生徒にそう訊かれて、律義に悩む網野善彦の姿が書かれてたけど、これに明快に答えるのは難しい。
どーでもいーけど、“織田信長や豊臣秀吉は、源氏ぢゃないから将軍になれなかったのではなく、将軍になろうとはしなかった。なぜなら、彼らの目標は、中国から一地方を治めることを命ぜられる「日本国王」になることぢゃなくて、中華皇帝そのものになることだったから”ってのは、いいね。ちょうど今私は『へうげもの』を読んでて、そういうくだりを半信半疑で楽しんでるもんで。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ハプニングみたい

2011-07-15 18:18:13 | 岡崎京子
いとうせいこう×岡崎京子 1992年 講談社
持ってる岡崎京子の単行本を、基本的には年代を追って、ずっと並べていきたいってのが、このブログのテーマのひとつではあったんだが、もうすぐ完了するかもしれない。
(と言いつつ、この夏、新刊が出るというウワサあり。…うれしい。)
前回の「ぼくたちは何だかすべて忘れてしまうね」は、マンガぢゃなくてヲカザキの散文集だったんだけど、もうひとつ変わったのがあった。
時代はさかのぼって1992年のものだけど、文を書くのがいとうせいこう、絵を描くのが岡崎京子という、「クールな共同作業、というのが本書のコンセプト」(冒頭のいとうせいこうの「本書のなりたち」による)って本。
この組み合わせに、本屋ではなかを見ずにすぐにつかんでレジに行ったと思います、私。
しかーし、おもしろいかといわれると、微妙な本です。
なぜなら、つくりがマンガぢゃないし、エッセイに挿絵をつけてるようなものでもないからです。
さきほどの「本書のなりたち」に、各話のつくりかたが説明してあります。
絵を描く人は一話につき、基本的に一枚の絵を描きます。ただし、途中でコピーをしなければなりません。出来ればホワイトを使うことなく、完成に向かう過程をコピーすることで見せていきます。
すると、一話分で十数枚の絵が出来上がります。絵を描く人は、まるでパラパラ漫画みたいに解体されたその絵を、黙って文字を書く人に渡します。
今度は文字を書く人の作業です。順番を変えないままで、その十数枚の絵に文字をつけていかなければなりません。物語でも詩でもエッセイでも、形式は自由です。
一話 救世主クロエ
二話 ミルとミズ
三話 バラバラな宇宙
四話 明るい部屋
五話 彼らは
六話 目玉狩り
七話 電話
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

棒がいっぽん

2011-07-13 20:11:15 | マンガ
高野文子 1995年 マガジンハウス
なんとなーく昨日思い起こしてしまった高野文子の短編集。『絶対安全剃刀』とこれしか持ってないんだけどね。
とっつきは、ちょっとホワホワーっとしてて、集中力のないときとかに読むと、うまく入っていけない、私にとっては難しいっていえば難しいマンガです。
画も少年マンガとかとは、ちょっと違った視点だからかな、切り替えのスピードに自分がついていけないのかもしれない。
収録作は、以下のとおり。
『美しき町』
『病気になったトモコさん』
『バスで四時に』
『私の知ってるあの子のこと』
『東京コロボックル』
『奥村さんのお茄子』

「あの ちょっとおたずねしたいんですが 一九六八年六月六日木曜日 お昼何めしあがりました?」で始まる『奥村さんのお茄子』は、SFと言うにも、かなり変わった世界の話です。
「Hanako」に掲載されてただけあって、『東京コロボックル』は高野文子にしては逆にちょっと違うテイストの作品、私としてはこういうほうが気楽に読めて好きです。一話2ページだしね。
赤羽で生まれて落合に住んでる(人間の部屋のテレビのなかに住んでる)現代の東京のコロボックルの話って、いいなぁ。(いまの薄型テレビではコロボックルも住めないだろうけど。)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

新装版 イエローバックス

2011-07-12 15:55:55 | マンガ
高浜寛 2007年 有学書林
どーでもいーけど、暑いね。暑くて本なんか読んでらんない。かと言って、外に出りゃあ暑くて具合わるくなりそうだし、結局休みの日は部屋んなかで本読むしかないんだけど。
さてさて。
この作者のマンガは、こないだ初めて読んで、気になってるんで、もう一冊読んでみた。
これは短編集。「新装版」ってことだけど、オリジナルはいつのものか知らない。
っていうか、作者のプロフィールとかもいまだによく知らないまま、読んでた。
この単行本のあとがきには、
おととしの冬に仕事が急に出来なくなっていくつか締め切りを落とし、その後自殺未遂、復帰、入院、復帰、と問題行動を繰り返すようになったので、
だなんて恐ろしいことが書かれてますけど。
巻末の初出をみると、雑誌未発表・描き下ろしの2編をのぞいて、あとは『ガロ』に掲載されたものらしい。
私は、マンガ好きなようなこと言ってるわりには、『ガロ』とか読まない、たいしたことない不勉強なやつなので、いままでまったく知らなかったのもやむをえない。
んで、マンガはというと、こないだ読んだ『トゥー・エスプレッソ』と同じように、あまり見ないタイプの不思議な画です。人物が描かれているとき、背景の景色はピントが合っていない映像のような見え方をしています。
お話のほうは、なんていうか、要約がむずかしいですね。おもしろいって言っちゃってもいいんだけど、どこがどうおもしろいか説明しろって言われたら困る。
「なーんだ、これ?」って言っちゃう可能性もなくもない。思えば、私は、大友克洋(の『童夢』と『AKIRA』以外の)とか高野文子を初めて読んだときも、「なーんだ、これ?」って思ったもんだし。
収録作は以下のとおり。
『最後の女たち』
『青い絵本(キンダー・ブック)』
『ハイウェイ.モーテル.スカイライン』
『かひなし魚の恋』
『五本足の影』
『男女(みんなの)ブルーズ』
『あそこに、美しい二つの太陽』
『My Life With K』
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

暑いよぉー! カネショウエイコウに乗る

2011-07-11 18:50:02 | 馬が好き
天気予報みて、雨の降んないことだけ確かめて、乗馬にいく予定を週末のうちにつくる。決して最高気温の予想などを見てはいけない
さあ、乗りますかぁ もうホント早朝練習に切り替えたほうがいいかもしんない。暑いよ。
本日は、カネショウエイコウ。

いい馬だよ。サラブレッドだけど、おとなしくて。体験乗馬とかにバシバシ使ってる。競馬場にいたら、きっと誘導馬だってやろうと思えばできるよ。森林馬道の散策だろうが、テレビロケだろうが、なんだってこなせる。
でもなー、夏の暑い日に乗るには、たいへんなんだ いや、ポクポクと急がせもせず森林を散歩するんだったらいいんだろうけど、ほらね、やっぱビシバシとやることあるわけだ、課題山積みの私には。
さあ、歩かせるか。最初つけてた折り返し手綱は除去、グッグッ、グッグッと歩かせるよ。
馬場に出て常歩。…うーん、サクサクっとしないなぁ。馬装具出して、馬房の前でスタンバり始めたら、「お、なに何?おまえが乗るの?」って顔出してヤル気をみせてくれたわりには、いざ馬場に出ると、たりーよ
ま、そこは、馬に文句いうとこぢゃないし。おりゃ!俺がボスだ、言うこときけい!って命令すれば済むことだから。でも、夏の暑い日に、ふくらはぎに力入れるのは、けっこう疲れることなんよ。
常歩でも、フツーに、前に出して受けてぇ状態になりにくい。まずいな、と思いつつ、速歩。ガンガン出せば、それなりに前に進んではくれるけど、ちょっと思うようにはいかない。あまり連続して要求しても焦点ボケるだけだから、少しずつガツン、ガツンとやってみる。
輪乗りで速歩。ガンガンってやって、ウケてみようと思うんだけど、うまくいかない。手綱引っ張るようにすると、顔上げて結果としてそっくりかえるだけだ、背中使うどころか逆。
一旦、先生に乗り替わって、目を覚ましてもらって(「おお、仕事かぁ!?」って反応したよ、カネショウエイコウ)、また乗って、いろいろやる。
速歩で、正反撞で、受けて、受けたらラクにしてやる、その繰り返し。
拳つかってセット、そのとき馬の両耳のあいだに自分はいるよ。内とか外とか傾かないで、左右しっかりとおんなじように。脚はつかわない、止まりそうになったときだけ脚。いうこときいたらニュートラルな状態をキープして、またすこーしラクにしてやる。最後は手綱ぜんぶ伸ばしちゃって、クビをポンポン(できたら内側)。
正反撞で受ける、受けたら返してやる、そのまま軽速歩へ。軽速歩では思いきって前に出す、しっかり受けた状態で歩度が伸びるように、前へ前へ。
はい、ぢゃあ、駈歩。やってみると、パランパランというか、バランバランになる。
常歩から、やりなおし。受けた状態つくってから、速歩発進。ウケたままで、前へ、前へ。「つける」、つけたら、それ保つ。
「つける」ってのはハミがしっかり馬の舌のうえにあって、いうこときいてる状態を指すよ、つけるためにはグイーっと引っ張っちゃってもかまわない。前進する勢いをハミにぶつける。うまくいってるときは、自分の手が馬の口そのものをつかんぢゃってるような感じがする。(?)
そしたら、詰めた状態で、外方の脚を拳ひとつぶん引いて、駈歩を合図で発進。
駈歩出ても、つけるように。ハミうけてることがちゃんと確認できたら、少し前傾して歩度を伸ばす。このときは推進する、前に、前に。
いい感じで走ってきたら、シートして、また受けること要求する。フッと馬が譲るとこ感じたら、返すというか、人は肩の力を抜く(いつまでも引っ張んない)、そしてまた前に出すよ。
そんなこと繰り返して、おわり。なかなか前に出る感じが最初はなかったんだけど、だんだんよくなってきたよ、カネショウエイコウ。
最後の、ウケて、それでいて推進に反応する状態だったら、障害に向かってっても大丈夫だったろうね。こんど、涼しくなったら、やってみましょう。(いつも適当なまま向かうから、伸びた状態で飛んでるような感じがしてる。)

それにしても、暑っちーい。降りたあと「顔真っ赤、だいじょぶ?」って言われたよ。気をつけないと、熱中症になるかもね。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする