かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

Across The Universe 考

2008年02月09日 | The Beatles

京都の旅は、続いているが、ちょっと一服。

The Beatles の Across The Universe が、NASAより、北極星に向けて発信されたというニュースがあった。431年後に到着するという。
今日は特に用事もなく寒かったので、家にあるAcross The Universe 関係の資料をちょっと紐解いてみた。

まず、Across The Universe のオフィシャル版は、何バージョンあるか?
たぶん、4つが正解と思う。

1、ワイルドライフのチャリティアルバムに収録されたバージョン(1969年12月12日リリース)
2、Let It Be のLPに収録されたバージョン(1970年5月8日リリース)
3、アンソロジー2のDISC2に収録されたバージョン(1996年3月18日リリース)
4、Let It Be Naked に収録されたバージョン(2003年11月17日リリース)

我が家のブートレグ群を見てみたら、その他に10バージョンほどあった。”ほど”というのは、そのすべてがLet It Be のリハーサル(通称Get Back セッション)での録音で、ほとんどが完結していない(JLは、歌詞すら覚えていない)ので、正確には、数えられないのである。
先日ご紹介した"Drugs, Divorce and a Slipping Image"という本では、それぞれのTake をナンバリングして解説しているが(通称DDSIナンバー)、それと比べて聞いてみると、DDSI6.118、7.86~7.87、7.102、7.103、7.107、9.70辺りの音源のようだ。その内、7.102は、編集され、映画でも使用された。ちなみに、これらの録音日は、1969年1月6日、7日、9日だが、その後、本セッション(1969年1月末まで続く)では、歌われることはなかったと考えられている。(2回目の)お蔵入りだ。

Across The Universe のオフィシャルバージョンは、1968年2月4日と2月8日の音源が、元になっている。アンソロジー2の解説で、1968年2月3日のTake2とあるのだが、2月4日の間違いではあるまいか。マイクルイソンさん教えてください(彼は、ビートルズの音源を直接聞く機会を得て、その道の権威と考えられている)。彼自身による別の本でも、2月3日にこの曲のレコーディングが行われたとは書いてない。今回の北極星への発信も、1968年2月4日から40周年を記念して行われた(本来の趣獅ヘ、NASA50周年)。

この1968年の録音は、同時期に録音されたPMのLady Madonna がシングルとしてリリースされてしまったため、長い間(1回目の)お蔵入りとなった。JLは、Get Back セッションで、もっといい演奏をして、リリースしたかったのだろうが、結局その願いは、かなわなかった。Let It Be のLPに収録されているバージョンは、Let It Be の撮影時に録音したものではなく、その一年近く前の1968年2月の音源を元にしたものだ。実際出たのは、1970年だから、2年以上もお蔵入りしていたかわいそうな曲なのだ。

オフィシャル版の4つを聞き比べると、全くイメージが違う。

1では、オリジナルの回転数が上げられ、鳥の羽ばたく音が加えられている。その時スタジオの前にいた素人(追っかけ隊)の女性2人とポールのバックコーラスが聞こえる。
2では、それらの音がはずされ、オーケストラの音が加えられた(鬼才フィルスペクターの編集だ)。回転数を落として、曲のスピードを落としてある。JLは、このアレンジを評価していた。
3は、オリジナルに近いものと思われ、スピードは、1と2の中間ぐらいか。たぶん音源そのものなので、やや荒っぽい感じもするが、JL の当初のイメージに一番近いはず。タブラ?の伴奏も聞こえる。
4は、やはり1968年の音源から、新しく作られたもので、Get Back のコンセプトに沿って、極力装飾をはずしてある。フィルスペクターの音をはずすのに、一年半かけたという。それから、またエコーをかけ直したりして、編集してある。

4つのバージョン聞き比べてみて、私は、4がBESTだと思うのだが、北極星に発信したのは、どのバージョンだったのだろう。一番多く聞かれている、2のLet It Be バージョンかもしれない。

コメント
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