
今日から、新年度がスタートした。いつもの新年度の人も多いだろうが、新社会人の方々は、たいへんな一日だったろう。ご苦労さん。
だからというわけではないが、オバマ氏のマイ・ドリームを読了した。日本人が読むと、こんな人生ってあるんだ!という驚きが先に立つが、大量に移民を受け入れ続けているアメリカにおいては、そんなに珍しい話ではないのかもしれない。それにしても、凄い。波乱万丈と言ってもいいほどだ。
この本を、オバマ氏自身が朗読したCDが、グラミー賞を受賞したわけだが、選挙戦に大きな影響を与えたことは、間違いないのではないか。
特に、シカゴ時代の公民権運動の頃の活動の話は、生々しい。
シカゴ初の黒人市長であったハロルドワシントン市長の急死のころの話だが、ちょうど私が、シカゴに赴任したころで、当時のサウスサイドは、とてもふらっと足を踏み入れられる状況ではなかった。そこで、彼は地道な活動を続けていたわけだ。その頃は、シカゴの黒人の方々は、諦めムードの中、自分の意見を主張することを止めてしまったように見えていたのだが。
後半は、父の生まれの地であるケニアを、生まれて初めて訪れ、親戚や、祖先の歩んだ足跡をたどるのだが、これは、まさにROOTSの世界だ。ただ、ROOTSと違うのは、たった一世代、二世代前の足跡であることだ。それでも、オバマ氏が体験してきた世界とは、全く別世界であったことがわかる。
ブッシュ氏や、クリントン氏のようなエスタブリッシュメントとは、無縁のオバマ氏に人気が集まる訳を垣間見たように思った。