かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

亜細亜経済圏

2010年10月11日 | Books

sun今日は、体育の日にふさわしい素晴らしい秋晴れになった。といって、特に予定はないんだけど。



亜細亜経済圏と言われてから久しいが、現状をコンパクトにまとめた手ごろな本が出た。
来月横浜で開催予定のAPEC前に読んでおくのもいいかなと思ってGET。
特に今年のAPECは、ボゴール目標の節目の年だ。

シンガポールにしばらくいた関係で、この辺りは相当詳しいと思っていたのだが、その後の、亜細亜経済の発展で、様相は大きく変わっているようだ。

私が、シンガポールにいた時に、日本初のEPAが発効。小泉さんが調印式に来星し、英語でスピーチ。そこまでは、よかったのだが、後から、スピーチ原稿が配られて、そこにジョークまで記載されていて、苦笑い。要旨だけ配ればよかったのに。
シンガポールとのEPAは、日本にとって一番やりやすかった。シンガポールは、ほとんど農業ゼロなので、議論がほとんどなかった。金魚など観賞魚がちょっと議題になったぐらいと聞く。ただ、もともとほとんど関税もゼロだったので、効果も限定的だった。
それに引き換え、他の亜細亜諸国とは、問題山積。

手をこまねいている内に、日本は、FTA、EPA後進国になってしまった。日本の農業を守ることは必要だ。特に、中国のレアアースの一件などを見るとますますそういう気持ちも強まる。しかし、FTA、EPA後進国になるということは、日本が亜細亜経済ブロック(表現は悪いが)の外側に追いだされることを意味する。

もちろん亜細亜が万能ではない。本書を読んで改めて気づいたのだが、亜細亜通貨の為替レートは、まだ亜細亜通貨危機前のレベルまで戻していない。今後の通貨切り上げによる国際競争力低下、または、乱高下による経済の混乱など、まだまだあり得る状況だ。通貨統合がその解決策の一つだが、ユーロ通貨の今般の混乱を見ても、経済力の差がありすぎ(域内経済格差)、政治形態も様々な亜細亜で、通貨統合を進めるには、解決しなくてはならない課題が多すぎる。

本書では、「亜細亜と日本」から、「亜細亜の日本」への発想の転換が重要と説く。国を開いて、亜細亜の需要を、内需と捉えられるぐらいにならないと、日本の国際競争力は低下する一方になる。

その一番のネックである農産物市場の開放と、外国人労働者の受け入れ問題に、抜本的な道筋をつけ、大きく舵を切らねばならない時期が迫っていると、本書を読んで強く感じた。

最後に本書で復習した用語解説。

FTA 自由貿易協定
EPA 経済連携協定
AJCEP 日本とASEAN全体とのFTA
AFTA ASEAN 10ヶ国間の自由貿易圏
AEC ASEAN 経済共同体
ATIGA ASEAN物品貿易協定
ACIA ASEAN 包括投資協定
ASEAN+3 ASEAN+日本・中国・韓国
ASEAN+6 ASEAN+3+インド・オーストラリア・ニュージーランド
APEC アジア太平洋経済協力
CEPEA 東アジア包括的経済連携
CMI チェンマイ・イニシアティブ
ABMI アジア債権市場イニシアティブ
FTAAP アジア太平洋自由貿易圏
TPP 環太平洋連携協定
ABTC アジアビジネストラベルカード

いやぁ、これを覚えるだけでもたいへんだ。

コメント
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