
ストレートな名の本が出た。
私達の世代の人の本かなと思ったら、もっと若い人(と言っても5歳ぐらいだが)の本だった。クィーンぐらいからというから、ロックについての印象もちょと違うかなと思って読み進んだ。
職業柄(著者は某大手新聞社の文化面の記者)、いろんなミュージッシャンとインタビューしており、いろんな経験をされている。
オジーオズボーンとの2回のインタビューなど面白いものがたくさん。ジョージとも亡くなる数カ月前にインタビューしている。
著者の分類によると、オジーオズボーンは天然系、マリリンマンソンは戦略派系、トレントレズナーは依存症系、ジョナサンディビスはトラウマ系、ロバートフリップは理論派系。独自の理論を展開。
プログレについでの分析に至っては、相当マニアック。
ELPのキースエマーソンとのインタビューでは、実は、ギタリストを入れることも考えていたという。ジミヘンドリックスを考えたが、当然無理で、その後若いギタリストが候補にあがったのが、スティーブハウだったという。すごい話。それが、成立していれば、ELPの音楽もずいぶん変わったし、YESは存在しなかった?
この手のifの話は、いくらでもできる。想像しただけで、楽しい。
著者の考えでは、ロック半世紀の歴史の中で、大きなインパクトを与えた出来事は、3回あったとする。
1960年初頭のビートルズの登場、70年代半ばのパンクロックの登場、90年代初めのオルタナティブロックの登場だ。「ロックルネッサンス15周年周期説」と、勝手に名付けている。
しかしその後20年経つが、大きなうねりは起こっていない。むしろ古典に回帰する方向すら見えると分析する。TVのコマーシャルを見ていてもそう感じる。
確かに、言われてみるとそうだ。いいか悪いかは別にして、ロックの伝統潔サが進んでいるのかもしれない。もはや上の世代を否定する必要がなくなったのではないかと筆者は結論づけている。
それにしても、この5~6年の、往年のロックスター達の来日ラッシュ。演奏も逆に円熟味が増している。著者の意見に賛成だ。
ということで、やっぱり私も、5歳ほど若い著者も同様に、ロックと共に年をとっていたのだった。