本書は、出たばかり。
あっという間に読んでしまった。
池上さんと、佐藤さんの共著だが、対談形式で書かれており、内容は、複雑だが、読みやすくできている。
それにしても、現在の世界の不安定なこと。
いつ、大きく、動き出してしまってもおかしくない状況になっていることが、本書を読むとよくわかる。
大混乱が続いている中東、無政府状態が続くアフリカ、ドイツが一人勝ちになりつつあるヨーロッパ、そのドイツが影でロシアと通じている?、かつての大帝国時代の夢が捨てきれんないトルコ、イラン、明時代の膨張政策を取り出した中国、かつての連合国をほとんど失い破れかぶれのロシア。
この混乱が今後どうなっていくかは、変数が多すぎて、予測不可能という。
ただ、今の状況を読み解くには、そのエリア毎の、時代毎の、宗教、民族、政治体制を振り返ることが有効だ。
ギリシャは、古い国と思っていたが、本書を読んで、かつてのギリシャと、今のギリシャとは、まったく別ものということを知った。それが、いわゆる地政学上重要な地域にある。
なぜ、イランに対し、アメリカが緩和を緩めようとしているのか、それに対し、中東各国は、どう思っているのか。
宗教と、民族と、国境が、完全に入りってしまい、収まりがつかない状況だ。
この辺の情報に疎い日本人は、是非一読すべき書だと思った。