
とにかく、これでもかこれでもかというぐらい、世界中で、ビートルズの本が出ている。
本書はその中の一冊。
著者は、楽器店勤務で、フェンダーのストラト担当でもあられたようだ。
自らも演奏されるらしい。
あまり期待していなかったのだが、まずまず。
ビートルズが、なぜここまでの社会現象になったかを、冷静に分析している。
もちろん、後出しジャンケンなのだが、当時の社会の状況、音楽業界の状況。電機、レコード、テレビの庶民化など、全て完全HOMEの状況の中で、ビートルズが、いかに短期間に世界を制覇したかを描く。
アメリカ進出以降の記述は、希薄だ。もう、当初の目的を達成したということだろう。
間接的に得た情報がほとんどと思うが、うまくまとめてあるし、ドイツ時代の音源分析などマニアックでさえある。
これも、自ら音源に触れ分析されたら立派なものだが、残念ながら、出典リストがないため、元データがどこから来たのかはわからない。
読者の立場から言えば、そうだったのかと、頷いていればいいか。
マニアと一般の中間向け書。
今でもなぜビートルズなのか?という向きには、広くお勧めできる。