かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

仏教の誕生

2021年02月19日 | Books


本書は、本屋で見つけた。
何冊か読んだ佐々木さんの本だったが、また趣も違っていたようなので、ゲット。
まだ出たばかり。
入門書として、さすがの内容だった。

本書は、もともとこのコロナ禍で、学校の授業がオンラインになりYouTubeにアップした内容の内の、最初の方の講義を、新書にまとめたものらしい。

後書きを読むと、2020年2月にルンビニに行かれ、帰国したら世の中が変わっていたという。
私も、1月に、昆明に行っていたのだが、帰国したタイミングでは、まだなんともなかった。
その1カ月後に、世の中が変わっていたわけだ。
私が、ルンビニに行った記録は、以下のホームページの方にあるのでどうぞ。

https://kaneyan-report.sakura.ne.jp/Buddah%20Index.html

佐々木さんの本は、原始仏教の教えについての本が多かったように思うが、本書は、仏教の誕生に至るまでの背景と、原始仏教の基礎の基礎部分についての解説書という感じか。

仏教とは何ぞやと思う方にぴったりの本だと思う。

最初は、仏教が生まれる時の背景について。
バラモン教が支配していた時代となるが、バラモンは、元々ブラフマン(絶対的力)で、梵天様のことなのだという。うかつにも知らなかった。
その一番の特徴は、カースト制で、それに対する反発から、仏教や、ジャイナ今日が生まれた。
特に、ブッダた生まれた北東部は、その傾向が強かったという。
カースト制に入らない階層の人を不可触民と呼ぶことは知っていたが、日本では、栴陀羅(せんだら)と伝えられたそうで、その語源は、チャンダーラ。
もう一つ言えば、よくいう沙門は、シュラマナから来ており、努力する人という意味だという。
日本では、仏教と共に伝えられたため、お坊さんの意味になったとのこと。

仏教は、一定の力を持ったが、その後インドでは衰退する。
それは、バラモン教が、汚れの理論を持ち出して、カースト制度を復活させたことによるとの説明。
イスラムの支配者も、このカースト制度は、維持した。
ジャイナ教も、カーストは否定しなかったので、生き延びた。
そのカースト制度が、このコロナ禍でも、影を落としていることは、言を俟たない。

仏教の本隋は、戒・定・慧。
慧は、智慧の慧だが、単なる知恵ではなく、悟りのために役立つ心の働きのことを言い、瞑想により獲得される。
定(じょう)は、その手段である瞑想、戒は、習慣性をいい、自然に良い方向へ自分が行動をとってしまう習慣性を身につけようということをいう。
この3つを合わせで、三学といい、仏教の修行とは、この三学を修練していくこととなる。

我々が立派と思う僧侶のイメージと合わせると、わかりやすいかもしれない。

そんなこんなで、仏教の教えの根本的なところをわかりやすく説明してくれている。

仏教の根本を知りたい人への入門書として、最適な1冊ではないか。
コメント
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