本書は、この3月に出た。
本屋で、見つけたのだが、読了。
ビートルズを解散に導いたアレンクラインを、ビートルズに紹介したのが、ストーンズと言うことは、知っていたが、実は、ミックは、ダメだしをしようとしたのだが、時既に遅しであったことが明かされる。
アレンクラインと戦い、ストーンズをイギリスから脱出させ、その後のストーンズのビジネスモデルを作り上げたのが、この著者であるローウェンスタイン氏。
貴族出身の銀行家で、ストーンズの音楽には、まったく興味なし。
しかし、そのビジネス化を牽引したのが、氏であることを、初めて知った。
ストーンズのビジネスモデル(ロックを大ビジネスに仕立てた)は、もちろんストーンズの発想はあったのだろうが、そのほとんどは、氏の力によるところが大きかったことがわかる。
70年代のトラブルシュートから始まり(すごい人気であったのにもかかわらず、彼らの収入は、ほとんどなかったという)、80年代の低迷期を支え続け、90年代ミドル以降のビジネスの成功に導いた過程が赤裸々に綴られる。
ストーンズが本書の発刊を承諾したのか、不明だが、過去のことだし、氏も亡くなられてるので、今更気にしないのだろう。
初めて氏がストーンズと会ったのが、あのブライアンジョーンズが亡くなった夜だというから驚く。
80年代の、ミックとキースの確執はなまなましい。その他のメンバー評もストレート。
90年代後半以降のストーンズのツアーは、ほとんど付き合っているが、特に印象深かったシンガポールでのコンサートの件も出てくる。
その時、SARSの猛威が吹き荒れてて、その後のスケジュールをキャンセルして、インドのツアーを早めて、そのままツアーは終了してしまった。その経緯も記されている。
ダフ屋との戦いも興味深い。
ストーンズを売却するディールがあったそうだが、結局ストーンズの理解を得られず、キャンセル。それが、元で、氏は、ストーンズのもとを去った。
しかし、このロックビジネスモデルは、根付いていたと見えて、健在だ。
それにしても、ストーンズを売却して、ストーンズは、オーナーにまったく束縛されないスキ<?というのは、どんなものだったのだろう。
興味は尽きない。
氏のモデルは、ツアーや、グッズ収入が、ロックシンガーのメイン収入になった今、ますます輝きを増している。
氏の家系の説明は、興味もなかったし、理解もできなかったけど。
ヨーロッパの貴族というのはこういうものなのかということだけは、わかった。
スタジアムコンサートなどによく行く人は、読んでみたらいかが?