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邪馬台国編とペアで出た一冊。
思わずゲット。
まぁ、古事記通の人は、改めてゲットするまでもないかもしれないが、古事記と日本書記は、何であるのかと思う向きには、うってつけ。
最近の議論がわかりやすく整理されている。
太安万侶の墓碑が見つかり、古事記偽書説は、影を潜めたように見えるが、太安万侶の存在は、前からわかっており、やはり古事記の序文の偽作説には、相変わらず、強い指示派がいて、それなりの論拠を備えている。
邪馬台国論とは違って、古事記の議論は、周辺の書物や、記録との比較論が、議論の的になっているが、確かに、正史である日本書記と同時期に、似たようで、非なる歴史書が作られていたというのは、謎としかいいようがない。
日本書記が漢文であるのに比し、古事記が、万葉仮名であることが編纂に時間がかかったという議論があるようだが、万葉仮名は、当時既に一般的であったと、木簡の研究でわかってきたという。
では何故?といことで、謎は深まるばかりという。
単純に正史では、盛り込めなかった摩訶不思議な伝説を残したかったから編纂されたのでは?などとも思うのだが。
神々が、人間的なケースは他国でもあるが、死を迎える存在というのは、日本独自という。
南方の影響も多く見られるというが、それと、中国と、韓国の影響がどう入り混じったのか?
まさに、日本おオリジンを探るのには、最重要の書であることは、今も昔も、将来も変わらないように感じた。
専門的である割に読みやすく、古代史ファンには幅広くお勧めできる。