22期の藤川豊です。
復習も兼ねて、過去に受講した講演資料を整理していたところ、2018年に参加した、東京理科大学の狩野紀明教授が講師の「IOT時代における商品企画と品質保証セミナー」のレジュメに目が止まりました。狩野先生は、顧客満足度に影響する品質要素を分類し、その特徴を表す「狩野モデル」を提唱されています。「車の品質、PCの品質というように、具体的に使われたとしても、その意味は漠然としていて曖昧である。従って、具体的に品質について論じるために、品質要素に分解される必要がある」とおっしゃっています。
狩野モデルの品質要素(下図参照)としては、
①まず下半分の「当たり前品質」ですが、これは、利用者に「満たされていて当然。あって当たり前」と評価される品質要素です。これにより満足度が高まることはないのですが、なくてはならない重要な要素になります。例えば旅館の場合、清潔な部屋、布団などが該当します。
②右上に伸びる「一元的品質」は、満たされるほど満足度が上がり、逆に満たされなければ不満に思われる品質です。多くの品質は、ここに当てはまるのではないか思われます。旅館では、美味しい料理とホスピタリティあふれる接客サービスなどです。
③上半分に位置する「魅力的品質」は、なくても不満ではないが、あったら嬉しい品質です。旅館の中では、芸術家の作品が展示された館内の文化的な雰囲気、などでしょうか。
これを診断士として必要となる品質に照らし合わせてみたら、何にあたるかを考えてみました。「当たり前品質」は、基礎力の「診る、聞く、話す、書く」でしょうか。これが備わっているのは必須要件だと思いますので(とは言いつつ、そんな簡単ではないのですが(^^;)。「一元的品質」は診断士個々の専門性や対応力など、「魅力的品質」は何になるのでしょうか?? 引き続き考えたいと思います。
当たり前品質は、これが足りない場合には、魅力的品質をいくら高めても顧客が不満を感じる可能性もありますので、とても大事な要素だと思います。稼プロに、診断士1年目に入塾したのは正解だったと再認識した次第です。これからも、業務の品質向上に向けて頑張りたいと思っています。
図:狩野モデルの品質要素