東京都中小企業診断士協会中央支部認定!「稼げる ! プロコン育成塾」ブログ

東京都中小企業診断士協会中央支部認定マスターコース「稼げる!プロコン育成塾」のブログ。経営・ビジネスに役立つ情報を発信

アート思考

2022-10-06 12:00:00 | 22期生のブログリレー

こんにちは。稼プロ!19期の宇野毅です。先日、美術手帖と電通美術回路のコラボによる「アート思考」のセミナーに参加しました。

近年、ビジネスにおいて、「アート思考」という考え方が注目されています。「アート思考」とは、アーティストが作品を生み出す過程における発想法のことです。アーティストというのは、美術家や芸術家はもとより、ものづくりを行う職人などを指しています。これまで世に中になかったものを新たに生み出すということで、いわゆる「ゼロを1にする」発想法と考えられています。

現代は、VUCA(Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性))と言われるように、予測不能な時代です。常識が通用しない問題、事前に対策を立てて解決できない問題も多く、従来のような改善、改革を中心とした取組みでは解決できない状況です。そのような中、今までにない独創的なアイデアで商品やサービスを生み出す発想法として、この「アート思考」の重要性が謳われています。

セミナーの中では、若宮和男さん(アート研究者、起業家。ビジネスの現場にアート思考を導入する取り組みを精力的に行っているアートキュレーター)による「ARTとは、課題から出発せず自分の衝動によって価値に革新を起こすこと」という言葉が紹介されていました。また、優れたアーティストが作品を生み出しているときに使用している4つの思考回路として、「問題提起力」「想像力」「実現力」「対話力」を取り上げ、これらの力を身につけることで、アーティストのように自ら「ビジョン」を打ち立て、仕事で実現していくことができるということが説明されていました。

アート思考がもたらすビジネス効果に関する実証研究も行われています。アート思考を積極的に活用している企業として、寺田倉庫、マネックスグループ、スマイルズ(スープストック東京)の3社を取り上げ、この3社と一般企業の従業員とのビジネス領域の合成評価について比較をしていました。その結果、ブランディング、イノベーション、組織活性化、ビジョン構想といったビジネス領域のすべてで3社の従業員の方が、一般企業の従業員より平均スコアが上回っていたそうです。

前述の若宮和男さんが、「ハウ・トゥ・アート・シンキング」という著書を出されています。私はこのセミナーで、「アート思考」に興味を持ち、また、その著書の副題「閉塞感を打ち破る自分起点の思考法」にも惹かれたので、一度読んでみたいと考えています。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする