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為替のマジック

2022-10-29 12:00:00 | 22期生のブログリレー

こんにちは、21期の吉岡裕之です。
1年ぶりの出戻りです。

日銀が介入を行い一時円高に振れましたが、為替はいまだ円安基調で推移しています。ウクライナ紛争のあおりを受け、ただでさえ物価の高騰に苦しんでいるのに、円安による輸入品の価格上昇で、中小企業はいまだ青息吐息という状態です。

思い起こせば10年前、2011年に対ドルレートが75円をつけた時もこの世の終わりのような騒ぎでした。政権が変わり、金融緩和と財政出動により円が急激に下落したところから、当時「アベミクス」は神様の贈り物のように崇められましたが、今度は行き過ぎた円安のために頭を痛めているとは、実に皮肉なものです。

日本の経済が停滞して、今やアメリカの平均収入は日本の倍になっているという話をよく聞きます。しかし、為替の推移を考えると、必ずしも国民一人一人の生産性が劣っているとは言えないのではないでしょうか。

現在、アメリカの平均収入は約700万円、それに対し日本は約400万円です(イオン銀行ブログより)。ただし、今の為替が、仮に1ドル75円であったとしましょう。すると両国の平均収入は逆転するのです。

「厚生労働省 国民生活基礎調査結果の概要平成7(1995)年」によると、平成6年の日本の1世帯当たり平均所得金額は664万2千となっています。それに対し、当時のアメリカの平均給与は約300万円だと言われていました。1995年の為替は1ドル79.75円。当時、日本の世論はアメリカを見下していましたが、今はアメリカに対して卑屈なまでの劣等感を感じています。

為替はマクロ経済の問題であり、政策における課題です。私たちにはどうすることもできません。しかし、そんなに落ち込む必要はないと思うのです。

大切なのは為替ではありません。そして、停滞期に必要なのは、過度な反省や落胆でもありません。必要なのは創造力ではないでしょうか。既存の概念を取り払い、新しい命を吹き込む。劇的なイノベーションが生まれるのは、たいてい崖っぷちのピンチの時です。


こんな今だからこそ、中小企業診断士が先頭にたって中小企業の皆さんを導くことが重要だと考えています。

コメント (3)
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