CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

砂漠の逃亡者

2005-11-30 08:50:59 | 読書感想文とか読み物レビウー
砂漠の逃亡者
作)モーリーン・チャイルド  訳)中村多仁

というわけで、先回読んだ
ハーレクイーンに続いて、もう一本
今度はシルエットデザイアシリーズのお話であります

そんなにエロくない

これが第一声になってしまうのは
間違ってるなと思いましたが
いやよかった、これによって、やっぱり俺は
ハーレクイーンを誤解していたと痛感
今回のこの作品は、砂漠に囚われたお金持ちのお嬢様を
海兵隊員が救出にいき、その脱出の途上で恋に落ちるという
ああ、ベタだ、ベタだが、これこそがそうなんだろうという
ステキなものでありました

リサ・チェインバーズというお嬢様が
わがままでじゃじゃ馬という具合なのだが
それをあしらいながらも、惹かれてしまう
トラヴィス・ホークという若い海兵隊員との
ラブロマンス、ロマンス?
違うかもしれないが、ともかく、誘拐された彼女を
颯爽と登場して彼が救出するというステキ物語

と、思って読み始めたら驚きの
というか、肩透かしというか、男の求めることと違うというか
脱出に関わるあれこれの災難は、ほんの数ページしかなく
あとは逃避行中に二人がどう惹かれあっていくかということに
全てが注がれているというラブっぷり
サバイバルな中で芽生える愛
あれ、それってほら、生存をかけているからのかん違いじゃないの?
とか、無粋なことをどうしても思ってしまう俺
ダメだ、そうじゃない、この愛は本物なのだ

と実際その本物っぷりというか、肉体的には
圧倒的に強いトラヴィスだが、精神が弱すぎて
このヘタレ野郎みたいな具合で、女としては
ああいうのがやきもきというか、もう、なんか
色々たまらんのだろうなぁと、そこを
見事に書ききって、完全に王子様を虜にしてしまう
お姫様たるリサ

いやん

そんな描写もちょっとだけ出てきますが
それはそれ、基本、精神的な
そして鬱屈したお互いの何か、かけ離れた身分というのを
乗り越えていく物語でありました

なんというか、やはり
俺が読むには無理がある
と、まだまだ自分の中で乙女回路が育ってねぇなと
悔しく思いながら、うまいこと書けなかった感想文で
申し訳無し

そうそう、蛇足になってしまいますが
ハレークイーンシリーズについて
色々わかったのでありました

ハーレクイーンの中でも様々なジャンルがあり
前回のエロいなという感想は間違っていなく
そういう情熱的なアダルティなことからせまる
ロマンスを描いた作品は
ハーレクイーンテンプテーションシリーズというのだそうで
今回のはラブロマンスなんかに焦点をあてている
シルエットデザイアシリーズなのであります
当然王道というか無印のハーレクイーンロマンスも
あるようなのだが、OL先輩がそのあたり趣味じゃないらしく
手にはいらないわけでありまして
なかなかどうして、本読みとしての道は険しいと思ってしまいました

しかし、書き手になるとき
読み手を意識して、そして
本というのはやっぱエンターテイメントとしてしかるべきというのが
見事にきわまっているシリーズだなと思いました
ハッピーエンドには、やっぱわけがあるのだ
そうでなくてはならんのだな
バッドエンド好きだと勘違いしていた自分を叱咤しつつ

いつか、ラブでラブでへろへろな小説とかを
意気揚揚と読めるようなそういう
よい精神を宿したいと思ったりなんだったりしたとかなんとか