CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】定食屋「雑」

2024-07-31 21:05:31 | 読書感想文とか読み物レビウー
定食屋「雑」  作:原田ひ香

大仰ではない、女性が生きていくうえで自立をする話し
と読んだけども、どうだろうか

旦那が家に帰ってこず、居酒屋で美味しくもないものを食べている、
そういう現実に、美味しい物を正しく食べないとと、やや押しつけがましい妻が、
想いではなく、生き方を新たにしていくというお話で、
キャラがうまいというか、こういう人、いっぱいいそうだなという
ほどよいわがままさというか、自分正義の強さみたいなのが
実にリアルで、そこで折り合いが合わないという、心の狭い男もまたと
思わなくもないのだが、その陰に女があったりするという
これまた、しょーもない感じも含めて、今そこにある問題っぽくて
とてもよかった

結局はそういう夫婦間のそれこれというよりも、
居酒屋「雑」の女主人との関係、そこで得るもの見るものというのが重要で
不思議な縁もあわさって、人生そのものが大きく変化していくというのが
ドラマチックというには、ノー天気すぎる感じだけども
コロナのこともあいまって、色々と変化せざるをえない、
受け入れていくといった感じが、それぞれのキャラクタがうまく補完しあっているようになって
難着地したというのが面白かったと思うのである
基本的に、なんだかんだ、前を向く内容で終わるというのがとてもいい

ちょっと、一人称が入れ替わりすぎて
一瞬わけわからなくなったりとしたんだが、それはそれとして、
出てくるキャラクタそれぞれの心情が、言葉ややりとりに出てこず
内面での言葉として出てくるのが、小説的でいいなと
こういうことあるなーと思いつつ読んだのでありました

生きていくのは簡単ではないという話しでもないのだけど、
割とうまくいっているように見える、今はそれで充分という
そこで生きていくという姿が見える小説で
非常によかったとメモっておく

【ドラマ】柚木さんちの四兄弟。

2024-07-30 20:55:36 | ドラマ映画テレビ感想
よるドラ枠でした
どこ向けのなんだというのは、この枠の宿命なので
あまり考えても仕方ないのだけども、
どうやら、漫画原作だったようで、まぁ、そうかなと思いつつ見て
感想としては、子役育成ドラマなのか?といった感じでありました

話しがというのは、まぁ別に大きな問題が起こるわけでもないし
四兄弟の毎日のどたばたと、しょーもない日々がつらつらしてるだけで
まったり、流してみるのにうってつけのそれだったわけだけども、
これまでのシリーズよりも、さらに明確に1話完結で、
どこから見てもいいし、見なくてもいいというのが
結構新しいなと思いつつ見たのである

それを支えているのが、俳優なんだが、
それがまぁ、全員すげぇ若い、子役といっていいんだと思うのだが
小学生くらいから高校生くらいまでの、あれやこれやがそれぞれのキャラクタをちゃんと演じてて
えらいなーというか、上手いなーと、演出の妙もあって
おかしなことなく、いや、そもそもおかしいだろという感じだけども
まぁいいやと観てられる形にまとまってるのが凄かったと思うのである

なんだかんだ、イッセー尾形とか、見ていて安心できるというか
一人いるだけで、ちゃんとドラマにしてくれる役者も
ところどころに配置していたおかげで、序盤というか、
近所のおじいさん絡みの話しが大変面白かったというか
独特の魅力があるよなと思いつつ見て
あとは、こなれてきたというか、視聴者的にも慣れてきて
青春でもない、ただのどたばたを見てほのぼのする
それで、なんだかんだずっと見ていられたそんなドラマでありました

この内の何人かが、朝ドラだとか、大河だとかに出てくるんだろうと
それを楽しみにしつつ、ドラマとしてどうだったかといわれると
まぁほのぼのしていた、普通のお話だったと
メモっておくのである

【読書】イタリア女子が沼ったジワる日本語

2024-07-29 21:05:29 | 読書感想文とか読み物レビウー
イタリア女子が沼ったジワる日本語  著:テシ・リッゾーリ

翻訳じゃなくて、自身で書かれているというのが凄い、
完璧な現代日本語使いが見事で、読んでいて感心してしまった
こういう偉そうな物言いで読むのはどうだと、自分でも思うのだが、
言葉の研究をしているということが、
こういうところに発揮されてんじゃないかと思いつつ、
表現のそれこれよりも、言葉選びと、文章の流れの見事さ、
日本語のナチュラルっぽいそれに驚いたのであった

内容としては、自身の半生を語りつつ
日本を、日本語を好きになったという話しをつらつらと書いていて
とりとめのない内容でもあるんだが、旅日記めいた内容としても面白く読めた

やはり良いのは、言語的に不思議という指摘の部分で、
日本語特有の表現やオノマトペへの感激だったり、
推察と研究がさらりと挿し込まれているのがすごく面白かった
「おなら」に関する話しが実に興味深く、
聞いた瞬間に、「なんらかの【なら】なる単語に、丁寧の【お】をつけているな」と、
すぐに気づいていたらしいというのが衝撃的で、
日本人として、そんな由来考えたことも、気づきもしなかったので面白かった
結局調べてみれば「鳴る」の変形であるというところまでたどり着いたらしく
まあ、それが本当かどうかというのはよくわからんところだが、
言語に対する敏感さといったらいいのか、敏い感じがすごく読んでいて面白かったのである

言語から文化、人との付き合い方への波及というか、
色々と考えさせられるところもあるようで、言葉による距離の詰め方とか、
間合いを図るものなんかの指摘が興味深く、
マッチングアプリで出会った人から受け取る「愛している」という単語については、
民族、言語もさることながら、男女差も様々教慮すると
興味深すぎて考え込んでしまった

そのほか、省略がやたら多いところやら、多言語が入り乱れているところなど
学ぶ上では障害になりそうなことが多い言語であるというのが
日本語の面白さでもあるなと思い知らされたのであった
話者である自分ですら、時代に取り残されるとこの言語を使えなくなるんじゃないかと
現代日本語を操る著者に敬意を覚えるばかりであった

光る君へ  母として

2024-07-28 21:07:34 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「光る君へ」
視聴完了しました
さらさらっと、イベントがこなされた感じで、
もっと旦那様はクローズアップされると思ってたのに、
死に際は見せず、使者のいう通り、元気な姿だけを残してというのが
なんともつらい感じでありました、凄いいいキャラだったな
代わりにならんというか、別枠だけど、父上が帰ってきたので
まずまず、あの家のドタバタは続きそうで楽しみであるのだが

内裏というよりも、道長の家内がなかなか不穏な様子で、
正妻とそのほか、そして家というものが、
だんだんと重みが増してきたというべきなのか、
名家であるがゆえのその迫力みたいなのが正妻にがっつりついてきたのが
非常に面白いところでありました
なんだかんだ、道長はまだ、その道筋においてはぼっちゃんなのではと思わされるというか、
まひろの父上に仕事をやろうとか、わきが甘いではないけども、
なんとも抜けたことをしようと画策するあたりが、甘いと感じるのである
まぁ、実際は、もっとひどいというか、知らずの内にまひろが懐中に入るという
とんでもない展開が、今から楽しみで仕方ないわけなんだが

もう出てこないかと思った清少納言が最後なのか、
あるいは、もうちょっと出てくるかわからんけども、
キリっとして、そして、定子のことをただただ想う女として出てきたのがよかった
その点については、はっきりとしていて、まひろがしょーもない論説を付け加えようものなら
殺すくらいの勢いで否定してきたのが実によかった
そうだ、そういう文章なんだあれは、禁忌というか、触れてはならぬ情熱のそれなんだろう
冒頭四季の部分しか読んでないから、どれほどその愛が語られてるかしらんのだが
そう思わされたのでありました

そして、予想外に、姉上も身まかられてしまって、
これもまた、個人的には残念というか、もっと活躍を見たかったと思ったんだが
史実でこのあたりの退場ならば仕方なく、道長の独り立ちが
否応なく進められていく世の流れが見えたように思う
なんだかんだ、結局母として、帝を息子として愛せなかったのではないか
そういう憐憫を抱えたまま、解消できぬままに死んでしまったのが
凄く切ない話しだと思ったというか、
これまでの流れも含めて、すごくいい「母」という境地における後悔と人生が
静かに語られているようで、とてもよかった
帝に愛されることもなく、父親の傀儡として生き、
子との愛情がお互いあったのに通い合わなかったという
とても悲しいお話だったけども、あまりに見事で、素晴らしい物語になってたと
絶賛して見終えたのである

さておき、まひろがいよいよ文壇デビューのようで楽しみだ

春の台北で遊ぶ 06 瑞芳から深澳線へ

2024-07-27 22:03:38 | 春の台北で遊ぶ(2024)

腹ごなしも済んだということで、いよいよ遠出をするため台北駅へ
鉄人を眺めつつ、電車の時間調整がてら、駅内をうろうろすることに


久しぶりに来てみると、座り込み族が復活していた
ああ、台北駅に来たなという感慨がわく



とりあえず暑いから冷たい物でも食べようというわけで、
フードコートに移動したのだが、ここら一帯が改装中らしくお店があまりなく、
とはいえ、目当てにしていた、小南門はやっていましたので
決まりのように冷たい物をチョイス、豆花ばっかりも芸がないかと思い
なんかわからんつるりとしたものを頼む、メニューには「台湾わらびもち」なる
謎の日本語が書かれていたのだが、何かはわからない60元である
名前にふさわしく、確かにわらび餅っぽい何かで、豆花みたいにしっかりと豆腐!
みたいな主張がないので、大変食べやすいというか、冷たくてほどよかったのである
満足満足




さて、時間もよろしいというわけで、台鉄の駅へと移動
今回は、というか、今回も狙いは基隆方面で、前回満足に楽しめなかった仇をとりに向かうのであるが、
趣向をちょっと変えて、一旦、瑞芳へ向かう
快速的な電車に乗って移動で、凄く早い、そしてすごく寒いという感じだったのだが、
この写真の車両ではないやつに乗っている、なんで乗ったやつ撮らなかったんだろう
新自強號なので、新型車両の超絶かっこいいというか、綺麗な奴でした
新型だからかしらんが、冷房が効きすぎて凍えるほど寒かったけど快適だったわ



そして、1時間くらいで瑞芳に到着、どやどやと観光客がいっぱい降りて
名物である、平渓線に乗り換える人や、バスで九份に向かう人などがぞろぞろと行く
どっこい、こちらは、反対方面へ行くというわけで、乗り換えるのは深澳線、
電車は平渓線と一緒だと思うので、車内の情緒は一緒であろうが、いかんせんメイン観光地ではないので
ホームも共通ながら、かなり空いている
駅長さん人形も、平渓線側に設置されてて、深澳線側にはいないというか、
殺風景なホームしかないのである




30分ほど待つと無事入線、乗ってみればかなりレトロな車内で大興奮である
なんだこの穴、車両間の敷居が渋すぎるだろう
車内地図の通り、メインである平渓線と深澳線をいったりきたりといった感じなのだが、
平渓線行きは座る余地もないほどの混雑っぷりだったが、
深澳線側は御覧の通りで、割とゆとりある乗車人数でありました、ほどよく涼しく快適だ




そして、あっという間に到着、終点というとやや語弊がある気もするが、
現在の終点である、八斗子に到着、
台湾北部一美しい駅だったか、なんか、妙な遠慮が伺える呼称がされている
オーシャンビューの無人駅であります
家族連れなんかは、この手前の水族館的な建物の方で降りたのだが、
こっちはこっちで、この海を見に来る人たちで、まばらながらもにぎわっているのでありました

現行ではこの駅までしか鉄道は来ておらず、
とはいえ、レールは続いており、レールバイクで移動することが可能なのだが
そっちは人気コンテンツらしく、予約もとれていないのでスルー
とりあえず、八斗子に来た!というこれだけで十分とばかりに
台湾の美しい海を見やるのでありました

ここから、さらに海岸線へと歩いてまいります

つづく
07 八斗子潮境公園

前の
05 中正紀念堂衛兵交代式

将棋ウォーズ1級で村田システム(2023)をとる

2024-07-26 22:14:03 | 将棋

村田システム

だいぶ新しい戦法のため、これをとった時は1級になっていたので
タイトルをやや変更、さりとてへぼ将棋には違いない
一世を風靡した戦法で、嬉野流に近い感じだけど指さないのでさっぱりわからず
エフェクトほしさにとりあえず形だけやってみたという体たらくで獲得

右銀が上がったタイミングだったか、真ん中の歩をあげたタイミングだったか
どっちか忘れたが、それくらいの時にエフェクト発動する
相手がどんな形でも、この構えですべて対応できるというのが
本システムの魅力なんだそうだが、もちろん理解できるはずもなく、
とりあえず形が決まったので、あとは流れでといった感じで
銀を繰り出した後に思いついたように中飛車にしたりして、大乱戦にして勝ったのでありました
構えが低いし、角道を開けていないので、角交換のややこしいのは避けつつ飛車交換はOKと
結構乱暴な感じで指せるようなので、慣れてくると案外勝てるのかもしれない
じわじわ盛り上がっていく感じで、最近流行の中川山脈的なものを中央に築いていくといいのかとか
考えるのだけども、エフェクトでたらともかくじっくりという戦略をとった

春の台北で遊ぶ 05 中正紀念堂衛兵交代式

2024-07-25 20:55:54 | 春の台北で遊ぶ(2024)

アブチロンが下がっていた、模様が変わってて日本じゃ見ないタイプではなどと思う

さて、昼飯にはちょっと時間が早いということで、一旦市場から離れて
中正紀念堂の方へと移動する
衛兵交代式の時間にも合いそうだったので、いそいそとホールの方へと向かう



何の気なしに訪れたけども、将棋関係で知ったイラストレーターの
ヒグチユウコさんの展示もされていた様子で驚いた
台湾にもウケてるのか、凄いことだわ





さて、何がということもない、
そもそもこの交代式見るのも何回目だというくらい見ているわけだが、
今回、いつもと制服の色が違うと思ったら、今まで見てきたのと所属が違ったようで
交代式のそれも若干異なっていたので大興奮したのである







国父紀念館の方で見たのと同じタイプだと思ったわけだが、
この方法の方が派手で見ごたえあるなと感心して見入ったのである
そして人気が高いのか、わいのわいのと観光客が揃ってカメラというか、スマホを構えるのも
最早風物詩ですらあるなと感心したのである
もっとも、この交代式も2024年7月に方式が変わって、ホールでは行わなくなったんだそうで
ある種時代を写した一枚となったようにも思えなくもないのである


考えてみると午前中に来たのは初めてだったかもしれんと思いつつ
晴れて過ごしやすいそれをみやるのであった



昼飯どうしようかと考えた挙句、結局もう一度南門市場に戻ることにして
ちょっとだけ庭園を歩いていると、朝だからか太極拳をやっている人たちもいて
このおいちゃんに関しては、「うりゃー!!」とか、「やぁあああ!」とか、
すさまじい掛け声を張り上げていて本場は違うな(そういうことではない)と思い知らされたのであった
太極拳ってそういうものだったかしら





南門市場へ戻るすがら、民家から木が生えている奇特なものを見つけて激写
実際は街路樹が家を突き抜けているように見えているだけなのか
いや、やっぱり木を中心にして家が建っているような気がするな

さておき、刀削麺の有名店があるのでそこで食べようと思ったんだが、
驚くほどの長蛇の列に断念して、割と空いていた越南料理の店があったので
そっちで注文をして事なきを得る
フォーボーと、生春巻きを食べたわけだが、フォーが「河」と書かれているのが印象深いところ
完全に当て字なんだよなと思うのだが、このおかげで「ホー」と発音してもいいのかなどと思ったりする
牛肉のフォーと、生春巻きで190元だったんだがちょっと高いか?まぁそんなもんか
ともあれ、生春巻きが無茶苦茶大きいのに2本もついてて、おなか一杯になったのであった
腹ごなしも終わったので、さて、いよいよ、大旅行へと移動を開始である

つづく
06 瑞芳から深澳線へ

前の
04 南門市場で遊ぶ

【読書】マネーモンスター

2024-07-24 21:02:56 | 読書感想文とか読み物レビウー
マネーモンスター  作:黒木亮

空売り屋シリーズとのことだが、そんなに既刊あったかしらと思いつつ
前読んだときは、どっちもどっちの集団の話しだなと感じた覚えだけあったのだけども
今回は、空売りの矜持といっていいのか、潰れてもいい会社を狙って空売りを仕掛けると
そういうお話になっていて、3本のマネーゲームが短編連作となっていました

どっかで聞いたことあるような話しやら、ないような話しやらといった感じながら
実際に、こんな感じの会社がいっぱいあったりするのかと思いつつ読む、
シャープを模したそれの話しは、読んでいて悲しい気分になってしまったのだが、
そのあとのEVに乗っかって、嘘八百でのし上がっていたアメリカ起業の話しについては
こんな感じの事件が実際あったんだろうかと、
あったとしたらとんでもねぇなと背筋が凍るような気持ちになって読んだのである
さらに、日本の地方銀行の話しとかも、なんか似たようなことがあったようななかったようなと
感じつつも、その内実のひどさというのが、なんとも読んでいて気が滅入るレベルで
なかなかどうして楽しいと言い難いが、面白い小説でありました

実際はもうちょっとわかりづらいものだろうと思うのだが、
空売り屋のレポートというのは実に興味深いので
ちょっと読んでみたいもんだと思わされたりしたのである
こういう仕手とは異なる一種の投機を呼び込む投資戦略というのは
実際あるのかどうか、世直しはさておいて、こういう値動きで儲けるというのは
実際ありそうだなと興味深く読むのでありました
とはいえ、虚業といってしまったら、元も子もないのだが
物語上ちゃんとやっている人たちが少しは救われるような気分になれるという感じが
よいようにも思うのだけど、結局そのどさくさで大儲けしている空売り屋というのは
やっぱり好きになれない業だなと思わされるばかりでありました

しかし、ひところ流行ったEB債というものの仕組みが、
ここにきて初めてわかったというか、
ここに書かれていた通り、ブレイクして大損こいた身分としては
ああ、そういうことだったのかと、プットオプション売りの意味を初めて知って
なかなか衝撃的というか、お金かかってんだから
ちゃんと勉強しようよ自分と反省ばかりつのったのである
本当、ちょろちょろ儲かっているような気分で、最後にやられるというのが
まさに書かれていた通りの動きをした自分を顧みる一冊となった

【映画】キングダム 大将軍の帰還

2024-07-23 21:05:57 | ドラマ映画テレビ感想
とりあえず3作付き合った以上、おそらく一つの終結を見せてくれるであろう本作を
しっかり見てきたのでありました
人気シリーズとなったおかげなのか、結構老若男女問わずで入ってて
大したもんだなと感心したのでありました

さて、中身はといえば、当然のごとく前回の続きで
しかも前回が相当いいところで終わっていたので、
よくそこから1年待ったなと自分でも驚きなわけだけども、
漫画の方の流れをまったく忘れていたので
どういう決着になるんだったかと楽しみに見て
そして、満足して帰ってきたのでありました

まぁ、あれこれ語る必要もなく、ただただ、大沢たかおさんが仕上げてきた
それを満足に見続けるというだけのものだったと思うばかり
体を仕上げていたのは、前作の時から凄いなと思っていたけど
それを駆使してのアクションが見事で、大変よかった

基本的にアクション映画なので、前半で、ホウケンと闘う信とキョウカイというシーンがあり、
それとはまったく別次元の、ホウケンと王騎の戦いがあって
どちらもかなり面白かったわけだが、とりわけ、王騎戦が実にすばらしかった
完全に漫画だという絵作りもさることながら、それをアクションで再現してしまっているのがよい
キングダムの漫画特有の、ウルァアアアってぶん殴られると
馬ごと吹っ飛ばされるというそれが、ちゃんと再現されていただけで素晴らしいと感激し
そこが嘘臭くない、いや、嘘なんだけど、その迫真が素晴らしいと
ドでかい矛を振り回すという、現実的ではない絵面が
本当にそれで戦いになっているという、あんなでかい武器振り回して
速い殺陣になってるのが見事で、凄く面白かったのであった
長い得物の殺陣って、ああやってやるんだなと、刃部分を軸にして、
柄を体の周辺でうまく扱う、いわゆる鎬の動作がかっこよくて
無理がないというか、漫画的な動きに説得力があって
素晴らしくよかったと思うばかりでありました

そこらあたりだけで、語りつくせてしまえそうだったわけだが、
それ以外でも、トウの扱いがよいというか、ちゃんとファルファルしていたのが見事で
こっちもまた、ちゃんと漫画を実写アレンジして再現を絵として成立させていたのがよくて
キャラも、漫画とはまた違った感じの副官といった姿がよかった

原作どうだったか忘れたけど
まぁ、映画で、主役は信だからそうなっちゃうけども、
最後に信が戦の総括というか、まとめてしまうのは流石に違和感がと思ったけど
おおむねとても楽しかったのでよかったとメモっておく
しかし、集団戦というか、いわゆる戦争というのを描くに際して、
漫画だと不思議でもない気がしていたのが、やっぱり実写だと無理あるなという感じ、
特に物語の都合上、スポーツの結果みたいになっちゃうのとかが
気にならなくもないのだが、こういう物語の宿命だろうかと思ったりもしたのであった

ともあれ、ひと段落というか
楽しく見終えたので、シリーズとしてはここまででいいかなと思ってしまっているのだが
続編作られて、はたして見に行くか、どうしようかなと考えているのであった

【読書】存在のすべてを

2024-07-22 21:03:42 | 読書感想文とか読み物レビウー
存在のすべてを  作:塩田武士

新聞記者が昔の未解決事件を追いかける
そういうスタンダードな小説なんだが、そのど真ん中を進む内容で
期待通り、期待以上、とてもとても楽しい読書になった

ある誘拐事件が起きたという冒頭から、
やがて月日が経ち、その事件に関わった刑事の死をきっかけに、
かつてを思い出して、ロートルとなっていた新聞記者が、地当たりで真実に近づくという
お決まりなんだが、とても楽しい、頼もしい内容で、
少しずつ真実に近づいているような、空振りのようなといったところを
ふらふらしつつも、着実に進んでいると思わせる筆致が見事で
次々と読みたくなるお話でありました

事件の真相部分が不思議というか、謎に包まれているのがポイントで
少しずつ関係者があぶりだされてきて、それが細く細く繋がっていき、
ちょっとしたきっかけで、途切れたかと思った真相の糸を紡いでいくのが
まぁ本当、ただただ楽しいと思えるのでありました
謎を解く、謎に迫るということの面白さといったらいいか、
そういうことに挑んでいて、前に進んでいるという物語そのものが
とても楽しいと思えて仕方ないのは
俺がそういうのを求めているからか、あるいは、人間そういう成功につながるものというのが
単純に好きなのかわからんのだけども、連綿とつづく追跡の日々がよいのである

やがて真相がとなってくると、そこからはまた、
人情話しとしても秀逸な感じで、事件の是非はおいといて
人情として、それはわからんでもない、さらにいうなら、情緒判決で不問にしたいとか
そう思えるような事件背景があらわになってくるのもまたよろしく
事件そのものと、そこに巻き込まれたといってもいい、背景の様々が、
明らかに悪いとされてしまうことをしているが、
そうとも言い切れないような事情がというせめぎあいもあって
最後まで、読む手が止められないようなよい小説でありました

最後がまた、救いと切なさがごたまぜになって
余韻も素晴らしく、月日が積み上げたものが、写実主義の絵のそれと同義なのかと
錯覚してしまいそうな、ある種の美しさを描いていると感動して読み終えたのでありました

光る君へ  一帝二后

2024-07-21 21:17:51 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「光る君へ」
視聴完了しました
今回は割と静かだったというか、先週あれこれイベント起こりすぎだろうと
思ってしまったんだが、静かそうに見えて、
その印象のまま、定子様が身まかられるという展開で、
また、藤原の争いが始まるんだなと思わされて
なかなか楽しかったのである
まぁ、それはそれとして、道長が倒れたりとか、あれこれあったわけだが
まひろ周りだけ幸せそうな印象で続くけど、
子の親が誰であるかを知りつつもとかわいがる姿というのが
ある種の残酷さをもって見られて、
そして、来週あたり死にそうだなという予告を見て、
なんというドラマだと、ため息をつきながら見入ってしまうのであった

結局、世のために娘が入内したという話しが
既定路線というよりも、まことに信じられているといった感じなわけだが
実際はさておき、それくらいの求心力が左大臣にあって、
そもそも、右大臣他が役に立たないという言が正しいというか
そういうことだったと考えると、なるほどなと思う展開で
非常に面白いところ
さらに、それが一種神秘儀式的なものに象徴されるというのが
平安時代の面白さよなと感心してしまった
要所要所で悪いことしかしてない、晴明とか見ているとつくづくそう思うのであった
あれはれでいいんだが、実に物語的ではあるな

定子周りの、落ち着いているが根深く宮中に残る怨嗟もさることながら、
彰子の茫洋とした感じが、えもいわれぬ魅力を放っているように
見ようによっては見えるというのも面白いところで
実際どうなのか、あの道長の子なのだから、賢いのか
そのあたりはよくわからんのだが、ともかく、一条帝がどうなるやらが
知らないだけに楽しみで仕方ないのである
悲しさのあまり、愛してしまうという展開なのかどうか、
しかし、あの一族の愛を知らない感じが
実にいいなと、貴族の物語としても秀逸すぎると
思わされるばかりなのであった

とりあえず来週あたりから、いよいよ、源氏物語に着手しそうな雰囲気がいいなと
楽しみは増すばかりであるが、とりあえず、佐々木蔵之介退場に備えたいと
思うばかりである、いいキャラだわ本当にもう

【読書】昨夜の記憶がありません アルコール依存症だった、わたしの再起の物語

2024-07-20 21:05:05 | 読書感想文とか読み物レビウー
昨夜の記憶がありません アルコール依存症だった、わたしの再起の物語  著:サラ・ヘポラ  

タイトルの通りなんだが、もっと実用書的な感じで笑えるものを期待してたんだが、
実際に過酷な状況に陥っていた実録で、ドキュメンタリというよりは
私小説といった感じの内容で面食らってしまった
酒におぼれている姿については、なんというか、擁護のしようがないくらいダメになっているところを
赤裸々に語っているし、そこから再起というか、
お酒辞めるということを何度も繰り返してはだめになっているというのが
ブラックコメディのようでもあるけど、多分そうではなくて、
本当につらいというか、恐ろしいことだなとまじまじ
読んでしまったのであった

そもそもアルコールを美味いと思ったのが、6歳とかそんなところかららしく
生粋のアルコール好き、これはもう、依存症というレベルを超えてしまっていないか
いや、こういうのを依存症というのか、とあっけにとられるほどなんだけども、
深刻なのが、飲むのはいいとしても、そのあとブラックアウトするまで飲み続けて
そういうことがすごく何度も繰り返されていて
その度に、知らない男と寝たり、危険な状況に陥ったり(主に怪我とかなんだが)、
命の危険が迫ることが多々あって、
また、アルコールがないと、他人とうまく付き合えないやら、
仕事がうまくいかないやらが、ごたまぜになって、
アルコールを正当化しているのか、本当にそうなのか、
もうそのあたりも滅茶苦茶になってしまっているというのが
可哀そうでもあるが、ひどい状況の人だという姿でもあって
恐怖するのでありました

最終的にはタイトルの通り、克服するわけだが、
その過程が、なんか、何度も「もうやめる」といってやめられなかったのと
全く同じテンションで、「今度こそやめる」といって、本当にやめた
まぁ、やめて、半年、1年というその間の苦しさも書かれているんだが
結局何がきっかけだったかというと、仲の良かった友達との関係というのが大きいように思えたのだが
この人の場合は、メンタル案件だったということなんだろうかとも思ったり
その反動で、マッチングをやりだしてみたりとか、なんか、よくわからん
このあたりから、割と普通に酒が抜けてるだけじゃないかみたいな感じで
盛り上がりどころというのがなかったわけだけど
それがリアルなのか、どうなのか
この人の職業が、ライターということもあわさって、
特殊なような気もしてしまうし、そこと酒の失敗はリンクしてそうでしてなそうでと、
なんか、どうもちらかってるという印象で読み終えたのでありました

とりあえず、酒抜けてよかったという話しなのは確かなんだが
この感じだと、その内また、飲んでしまったりとかありそうだなと思うのだけども
何年か経った様子だし、ようやく、酒を眺めつつ人間の在り方というのに気づいたと
そういう心持になっているようなので大丈夫なのか
アル中の話しではあるのだが、医療医学的なものではなく、
体験記にとどまっているとしていいのか、まぁ、そういう読み物だったと
書いておくのでありました
ちょっとだけ、女性の地位との関係もほのめかしていたけど
そういう点もあろうかと思うが、また違うようにも思う
どうも、中途半端だなと書いてしまう

春の台北で遊ぶ 04 南門市場で遊ぶ

2024-07-18 20:55:47 | 春の台北で遊ぶ(2024)
さて、いよいよ観光の朝である
とりあえず、ホテルに朝食がついていると聞いていたので
楽しみにしていったのだが、チェーンのハンバーガー屋さんと提携していただけみたいで
肩透かしを食いつつも、それが存外美味しかったので満足した朝でありました



ホテルのすぐ下にあって、100元分くらいのクーポン券がもらえたので、
それを使って、紅茶とバーガーを食べたのである
いかにも台湾ハンバーガーといった感じで、パンズがほのかに甘いのがよろしく
ばくばく食べたのである、こっちの菓子パンとかではなく甘いパン生地すごくおいしい
なお、バーガータイプだが、中身は肉パテではなく、ツナとかのサンドイッチっぽいそれである
だけど、それが美味い



さて、とりあえず歩いて台北駅まで移動し、MRTに乗って観光開始
まずは南部というほどでもないが、南の方へと足を向けるのでありました


到着したのが南門市場
中正紀念堂のほど近くで、最近リニューアルして綺麗になったと評判の市場であります
もともとの方に行ったことなかったので、初体験だったのだが、
瀟洒なビルになってて、およそ市場っぽくない




が、中に入ってみれば、完全に台湾の市場といったお店ばっかりで、
小綺麗だけど、売ってるものはまさに市場というギャップが実に素晴らしい
入口近くに包子の店があって結構並んでいたんだが、お祝い用の桃を模した饅頭とか
実に台湾ぽいそれこれがディスプレイされていて大変楽しい





市場の中は、一階が乾物とかお惣菜的なものを扱っているゾーンのようで、
ここらがお土産物探すのに一番よいところっぽい
父親が土産用にとカラスミを買っていたんだが、迪化街より安くて儲けた気がする
二階に上がると市場らしく、仏さんが安置されていて、その奥に衣料品街が広がっていたのである
まぁ、そこは興味ないので写真すら撮らなかったんだが、見て回る分にはかなり面白い
デパートとは違うんだが、市場という概念ともまた違うような気がするけど
問屋さんみたいな生地売りの店もあって興味深かったのである



↑寿司ゾーンだからというわけでもないが、日本語のパッケージもちらほら


↑様々な野菜、パクチョイとか、ニガウリとかいかにもといった感じに加えて、
日本じゃみない葉菜がいっぱいあって面白かった、向こうはレタスの種類が多いな


↑クエではなかろうか
さらに地下に潜ると、今度は生鮮食品が大量に売られていて、いかにも庶民の台所といった様相
台湾特有の野菜も興味深かったけども、鳥の脚やら、寿司やら、
雑多にあれこれあって非常に面白かったのである
なんだかんだ、うろうろして、あっという間に一時間くらい消耗してしまって、
とりあえず土産も買ったからと、一時退散して、ほどよい時間になっていたので
中世祈念堂の方へと向かったのであった

つづく
05 中正紀念堂衛兵交代式

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【読書】生きのびるための事務

2024-07-17 21:06:07 | 読書感想文とか読み物レビウー
生きのびるための事務  著:坂口恭平

実用書めいたエッセーっぽい漫画
生きていくために「事務」が必要だというお話を
かなりわかりやすく書いていて、そうか「事務」ってそういうことだったかと
改めて気づきを得ることができたよい本でありました

生きていくうえで、色々やらないといけないこと、
主に、スケジュール管理とお金の管理というのが発生するのだが、
それらをうまくこなしていく術が「事務」であるというお話で、
いわれてみればごもっともであり、会社でやっている仕事も
根幹はここにあるよなと、なるほど納得して読んだのでありました

手続き論というでもないが、色々なことを細かく決めて、
その方針に従って、特に考える間もなくやっていく
その通りにしていくということが大切だというのは
とてもわかりやすく、それを、事務という行為によって手助けする、
あるいは、調整しているというのがキモというわけで
非常によいことが書いてあるなと思ったりしたのであった
まぁ、そう思うということは、つまり、人生設計ができていないという話しなわけだが
それはおいておこう

どのような天才も、その天才を発揮するために事務が必要だった
その事務ということを分業化したり、ワークとして認識すると
会社というものになっていくというのが新鮮に思えて、
会社という存在って、意外とちゃんとしてるもんだなと
改めて思い知るばかりであったとさ
自分で開業とか、考えたこともないから、会社がどう立ち上がってきて
そもそも、それぞれの仕事がどういう意味に成り立っているかとか
考えることもなかったと、眼が啓く感じさえあった

いわゆる、働き方のハウツー本のようでもあるんだが、
それのさらに以前というか、根元的なところから触れていくので
結果として、よくある指南本と一緒のことが書いてあるようにも思うのだが
説得力というか、納得感が得られるよい本になってて
大したもんだと、しみじみ読んだのでありました
漫画だけど、時間がかかるというか、内容がちゃんとしていると
そういうことなのだろうと思っておくのである

【ドラマ】燕は戻ってこない

2024-07-16 20:55:07 | ドラマ映画テレビ感想
NHKドラマ10枠だったんだが、
なんといっていいのか、形容しがたい気持ち悪さといっていいのか、
面白いと素直にはいえない、独特の魅力というか、
やはり、気持ち悪さといった方がいいな、
そういうドラマだったと思うのである
別に、グロいとか、なんとかという気持ち悪さではなくて、
人間の性格というか、行動や感情、信念といったものについて、
各自がそれぞれの倫理に従って行動する結果が、
そもそも、倫理的にどうかという事象に関わってという感じが
なかなかに気持ち悪いという、感覚、感情を引き起こすようで
素晴らしかったと思うのであった

代理母という仕事を行うという主人公の浅はかさと、
その浅はかさの上に奔放というか、責任のなさみたいなのと無知、
そして厚顔さといっても差し支えないような図太さ、
それは無知からくるから、ある種仕方ないようにも見えるけど
なかなか、出てくる全員が、なにかしら人の神経逆なでするような感じがあって、
それが、立場や回が変わるたびに、持ち回りするように
みんながどこかしら悪いというか、気持ち悪いといった感じになってて
結局人間誰でも、そういうところがあるよねという短絡ではなく、
ただただ、事象によって、気持ち悪くなっているような
こちらの気分もまた、自分の倫理に基づいて気持ち悪いと思っているだけなのかと
考えさせられたりしながら、
それはそれとして、内田有紀可愛すぎるなと思ったりして見ていたのである

テーマに、代理母の是非があったかというと
そういうことではないんじゃないか、これは人間の浅はかさというか
身勝手さをただただ描いただけなんじゃないかと思ったりしたのであるが、
結局、同僚で名古屋で外国籍の彼と結婚出産した友人が
幸せというものであったのか、その対比もまた
さほど影響力を持っていないようでもあったけど
ラストの旅立ちがこれまた、主人公の身勝手さにしか見えなくて
どうしても、こいつとは相いれることがないなと強く思いながら見たのでありました

あのラストで、何か新しいものへと向かうとか、
肯定的に見て取るという向きもあるのだろうけど
自分には、そう見えなかったというか、これまでの身勝手さが
また、そのまま身勝手に続いていくと
そんな風に見えたドラマだったのだが
面白かったと思うのである