Kinoの自転車日記

自転車と共に過ごす日々

ロード フレーム ヘッド・B.B小物 取り付け

2009-09-18 20:15:01 | 自転車 レストア ロード
もうかなり長い期間 ALAN アランのロードレーサーを
触っています でもお陰様で研磨や磨きの作業は終り
いよいよ自転車の組立作業が出来ます 今日はフレームの
塗装をする時に取り外した ヘッドと B.B小物を取り付けましょう






フレームの塗装が完成してから もう 10日余り経っていますので
塗装も良く乾燥したでしょう 組み付け作業前にワックスを掛けて
やりました

この小物達は B.B小物も含め 事前に洗浄し マイクロロンで
事前処理を済ませています
ではヘッド小物とフロントホークから行きましょう






スライドハンマーを使い ホーク下 玉押しを かち込みます

ヘッド小物は長く使うと片減りします この小物もその症状が
出ています 今回の組み付けではその辺を考慮し 方向を考え
ながら圧入しました




ヘッドチューブに ヘッドわん圧入工具を使い 上下小物を
圧入します






ヘッド小物は駆動域は狭いのですが 思いの外、負担が掛かる所です
部品の耐久性を延ばしてくれる マイクロロンのルブリカントを使います






ホークを下から差し込み 上わん、舌付きワッシャー、袋ナットを
入れネジを締め込むのですが ここは薄型のヘッドスパナを使い
相ちゃんします それでないとワッシャーの舌で ホークコラムの
スレッドを舐めてしまいます






ヘッド小物は完了です この段階でシビアな調整は難しいので
またホイールを装着してから 再調整しましょう






次はハンガー小物です
まず右わんを取り付けますが このネジ部にマイクロロンを
使ってはいけません 右わんが緩んで来ます

今回はデュラのグリスを錆止めに使い 右ハンガーわん回しで
鬼の様に締め付けます




クランクシャフト、リテーナーを入れ 玉当りを調整します
カンパのわん にスギノのシャフトを使っていますが かなり
感触の良い玉当りです  グリスはマイクロロンを使いました






これでやっと自転車の組立作業が出来ます  ここまでが長かった(笑)




折角だから

磨きに磨いたクランクを付けましょう




さて今日はここまでです この後、一気に組み上げたい処なんですが
まだ部品の細かな所に手を入れたい物も有ります 折角ここまで手を
掛けたのだから 最後までしっかりとしてやりたいですよね
 
明日は足らずの小物を買いに行こうかな・・・

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ロード ホイール組 緩み難いホイール

2009-09-17 20:31:05 | 自転車 レストア ロード
昨日はカンパ レコードハブの分解整備を済ませました
そのハブを使いホイールを組みます JIS の逆組なんて
組み方がして有ったホイール 今回はイタリアンで組みますが
私の技術を全て使い しっかりとした最高のホイールを組みましょう






ホイール組に使う道具です 申し訳ないですが
一部お見せ出来ない物が有ります






最初はノギスを使い ハブのセンター出しをし そのセンターに
小さく印しを付けておきます これが後に役に立ちます






スポークはイタリアンで通しました 片方のフランジのスポークは
この様にワッシャーで束ねておくと 仕事がし易いですね








スポークの綾取りが終わったら 触れ取台にセットするのですが
私の触れ取台は クイックシャフトでは しっかりセンターに固定
出来ません
そこで ピスト用のナットを削りこんな物を用意しています

これで触れ取台の固定用シャフトのセンターで 銜える事が出来ます






ニップルのネジ部とリムとの接点 スポークの交差部に
粘度が低く 乾燥の早いオイルを塗布します
これでスポークのテンションが上がって来た時 軋み感が
抑えられます




ホイールの触れ取 完成間近には ホールに愛のムチを与えてやります
ここでこのホイールを一晩寝かせてやると もっと良いんですけどね




スポークのテンションが上がって来たら ホイールは両手で
組みましょう








ホイールのセンター出しは 大変大切な事です
リムの対角に糸を張り 事前準備でハブのセンターに付けた印し
その上に糸が通れば O.K です




触れ取が完了したら ニップルとスポークの隙間に
ネジの緩み止剤を一滴使います 私は粘度の低い
LOCTITE 222 低強度を使い 塗布後、ホイールを回転し
その遠心力でニップルの奥まで ロックタイトを回します

これでホイール組は完成です




ここでもう一味・・



スポークの各交点 ここに針金を巻き 半田付けをする
ソルダリングでホイールにしっかり感を与えてやりましょう






このホイールの結線は 色々な方法が有ります
この時代の強度が無いリムは あまり硬いホイールが組めません
そんな時には大変効果的な方法です

今でも競輪選手の方達は ソルダリングをされる方が多く居ます




そしてホイールが完成しました






一度使っているリムで リムを突いた所が何ヶ所か有りましたが
それでも良いホイールに仕上がりました

ホイールはどの様な組み方をしても 絶対に振れないホイールは出来ません
しかし今回の様な隠し味を使う事で 緩み難いホイールを作る事は出来ます

さて これで自転車を組む前の作業は ほとんど終わりました
そろそろ組立が出来そうですね

今回はホイール組の要点だけで詳しく書けませんでしたが 詳しくは
過去日記 【 ホイールの組み方 基礎 】  【 1ランク上の ホイール組 】 などを
ご覧下さい

コメント (6)
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カンパ レコードハブ 分解 整備

2009-09-16 20:10:45 | 自転車 レストア ロード
昨日から始めた ALAN アラン・ロードに使うホイールの整備
今日はリムの磨きと Campagnolo カンパニョーロ レコード ハブ
を分解し最高の状態に整備をしてやりましょう この時代のカンパ
のハブは良いですよ




このホイールに使われているリム スーパーチャンピオン
アルカンシェルです 後輪はばらし、イタリアンに組み替え
ますが 前輪はそのまま使います






前後のハブです これは今までに散々触って来ましたが
これ位の汚れなら カンパは新品の様に輝きを取り戻します




リムはハブの整備をする前に磨きました 今回は機械に頼らず 
全て手作業です




では ハブを分解しましょう
この後ろハブ 何か不思議な手応えを感じます この感触は
今まで カンパのハブで感じた事が無い手応えです






前後のハブをばらし 何時もの様にガソリンで丁寧に
洗浄 脱脂をします






構成部品を洗浄し ハブボディも一度磨きました
前後のロックナットですが 78年と75年の刻印が有ります
カンパのハブはこれで おおよその製造年が分かります






グリスアップをする前の表面処理は Microlon Metal Treatment
マイクロロン メタルトリートメント この商品を使う時の味噌は
熱 これはマイクロロンのサイトでも触れていない事です

これで準備が整いました では組んで行きましょう








回転部に使うグリスは Microlon Assembly Lubricant
マイクロロン アッセンブリー ルブリカント 摩擦係数を
減らし 耐久性も延ばす優れたグリスです

このシャフトに塗布した時点で 今までのグリスに無い
延びの良さに驚かされます

このグリスは粘度が低く グリスを利用してスチールボールを
並べる事が出来ません 最初はボールレースに鋼球を入れるのに
かなり手こずりましたが 最近はグリス無しでボールを並べられる
様になりました

何時もの手順でハブを組み上げ 玉当りの調整もしたのですが 
分解する前の妙な手応えが消えません  これは何なんだ・・・




これか原因は 玉押しにクラックが入っています
玉押し単体では気が付かなかったですが ロックナットを締めると
口が開く様です

しかし困ったなあ こんな部品をどうするんだ
ん、ちょっと待てよ・・・






ピスト用のハブの補修部品として リアハブの部品を一式
保管して有った シャフトの径も一緒だから使えるだろう

左:補修部品 右:クラックが入った玉押し 
ネジのピッチも合うし同じ形状だ これを使おう  
でも私のストックが無くなるのは辛い






クラックの入った玉押し この状態ではほとんど視認出来ない

カンパのハブの小物は玉押しに限らず 良く割れるんですよね
今までに割れた小物達 こんな物も捨てずに置いてある(笑)






そんな事が有りながら しっかりと整備が終わった CAMPAGNOLO RECORD ハブ

CAMPAGNOLO がクイックレリーズ ハブを最初に製造したのは 1933年
この時は 継ぎハブと呼ばれる 胴とフランジを別に製造し、後工程で一体化した物
アルミ合金で一体型のレコードハブが出来たのは 1960年 この当時から玉当りは
素晴らしかったらしいです

しかし綺麗なハブだと思いません? 機能的に優れた物は 容姿も綺麗
正にそれの見本の様な部品ですね

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ロード用ホイール 整備

2009-09-15 20:15:15 | 自転車 レストア ロード
ALAN アランのロードレーサーも主要部品の美装と整備が
ほとんど終り 今回はホイールの整備を行います 練習用と
決戦用のホイールを預かりましたが 練習用の状態があまり
良くないので 決戦用を使う事にします






預かってきたホイールですが リムは SUPER CHAMPION 
ARC-EN-CIEL スーパーチャンピョン・アルカンシェル 
昔の人気リムです

フリーは SUNTUR サンツアーのボスフリー ウイナー 6速です






まずフリーを外しましょう フリー抜き工具を
フリーの凹部に はめ込みます






スプリングを抜いたクイックレリーズで 抜き工具が落ちない様に
挟み込み モンキーで緩めます

と簡単に書いてしまいましたが ボスフリーの抜き方は過去日記に
詳しく書いています こちらをご覧下さい 【 ボスフリーの 抜き方 】




ハブは CAMPAGNOLO カンパ レコード スモールのロード用
36穴 126mm巾です
スポーキングが JIS の 8本組  JIS....  JIS か.... それも逆 JIS






あれ? ホイールを磨く前に 触れ取りをするの?






いや~ ばらしました このホイールが組まれた当時は
どの様な組み方が良いのか まだ確立されていませんでした

それが近年の研究結果で ロードやトラックレーサーのホイールは
イタリアンで組むのが良いと言うのが 確立されています

古い自転車なのであまり拘る事は無いのかも分かりませんが
少しでも良い自転車にする為には 無視が出来ません
ホイールはイタリアン組に 組み替える事にします

ああ 自分で仕事を増やしてしまった・・(笑)






カンパのクイックレリーズ これも錆びています






クイックもばらせる所は全て分解し 磨いた後グリスを入れ替えました
今回は駆動域の狭い 回転部分以外はカンパのグリスを使う事にして
います








クイックレリーズも綺麗になりました
オールドカンパと呼ばれるレコード・ハブですが 私はこの後に
マイナーチェンジがされた 曲レバーより この直レバーの方が
カンパらしくて好きです  曲レバーは少し使い難いしね

さて今日はここまでです 後はハブのグリスアップ、ホイール組
自転車の組み付けまで後少しですね

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ロード アラン ハンドル周り 整備

2009-09-14 20:06:29 | 自転車 レストア ロード
少しずつですが進めています 自転車整備の依頼を受けた ALAN アランの
ロードレーサー 今回はハンドル周りの磨きとブレーキレバーの整備をします






自転車から取り外したハンドル周り
このままでは部品の磨きがやり難いので 全て部品を外しました






ステムは NITTO パール これは溝無しです
私は一本溝のパールをトラックレーサーに使っていましたが
綺麗な形をしたステムです このシリーズには二本溝も有りましたね

ブレーキレバーは CAMPAGNOLO カンパですがこの当時らしく
小さなブラケットです 我々手の小さな日本人には程好い
大きさですが 外国人は使い難く無かったのかな?

もうこれ位の汚れ方を見ても驚かない ドンと来いです(笑)






各部を磨き 再度組み付けました
ステムは結構、腐食が深く進んでいました 

この NITTO のパール 海外の強豪選手
ツールの覇者でもある ベルナール・イノーが全盛期の時に使い 話題に
なりましたね 当時日本製の部品を海外選手が使うのは無かった事で
NITTO さんはかなり喜んだそうです 1978年頃のお話です






ステムもブレーキレバーも一皮剥いてやりました
Campagnolo カンパニョーロのブレーキレバー 簡単な構造なんですが 
構成されている部品がそれぞれしっかりした造りでした 落車の痕も
有るのですが 全くガタが出ていません 

さあ 大分進みました これだけ磨きが続くと少し上手になりましたよ
自転車整備に限らず こうして実戦を重ねる事で 他の職種でも技術力が
向上して行くんですね かと言って今からバフ掛けの職人さんになるつもりは
有りませんが・・(笑)

コメント (4)
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